【宮城県】仙台駅前アーケードのタイルは江戸時代の水路跡?ブラタモリでも紹介された謎を追う!
目次
多くの人が行き交い、観光スポットでもある仙台駅前商店街。実はこの商店街には、宮城県民にもあまり知られていない謎があります。
それの謎が「アーケードのタイルの模様」についてです。アーケードを歩くと、とある場所に不自然な模様があり、江戸時代の水路が関係しているとの噂があるが本当なのでしょうか。今回は仙台駅前のタイルをきっかけに謎を解き明かしていきます!
ブラタモリで特集された仙台市街地の謎とは?
今回紹介する謎は、仙台駅前のアーケードの床にあるタイルについてです。この謎は、NHKで放送されているブラタモリの『仙台 ~伊達政宗は「地形マニア」!?~』の回でも登場しました。
タイルの謎を追っていくと伊達政宗による仙台城建設や城下町整備の様子が見えてくるとのことですが、一体どういうことでしょうか?
仙台駅前アーケードのタイルがある場所はどこ?
問題のタイルがある場所は、「ハピナ名掛丁商店街」と「クリスロード商店街」の境目です。
仙台駅前商業ビル・アエル側から「ハピナ名掛丁商店街」に入り、ラーメン屋「一蘭」や「常陽銀行 仙台支店」がある付近まで歩いていくと現れます。
アーケードの床のタイルが他のところとは違う斜めのラインになっていて、アーケードを横切るように走っているので分かりやすいはずです。
アーケードの場所には四ツ谷用水が流れていた
アーケードに突如現れる不思議なタイルは「四ツ谷用水」をモチーフにしたものなんだそうです。ここからは、四ツ谷用水の概要やアーケードの場所に用水路があった理由について解説していきます。
四ツ谷用水とは
問題のタイルは、かつて四ツ谷用水が流れていたことを示しています。四ツ谷用水とは、江戸時代に城下町へと水を引くために造られた用水路で、伊達政宗の命で着工が開始されました。
水路の用途は幅広く、消火のための防火用・洗い物のための洗濯用水・水車のための産業用水などで用いられました。明治以降は上下水道が整備されたことで、生活用水としての利用されなくなっていき、次第に暗渠化が進んだようです。
さらに車社会の到来で水路にフタが必要となった昭和以降は、地上に残る水路は数えるほどになってしまいました。
なぜ現在のアーケードに用水路を引いたのか
伊達政宗がわざわざ大規模工事をしてまで用水路を引く命を出したのは、城下町の立地が理由です。城下町になった現在の市街地エリアは、広瀬川の河岸段丘であり、洪水被害を受けにくいメリットがある一方で水が確保できないことがデメリットとしてあります。
そこで、広瀬川の上流から水を引くことで河岸段丘にはない生活用水を確保しようと考えたのです。城下町中心部より約3km西に離れた広瀬川上流を起点として、何本もの支流に枝分かれして城下町全体へと流れていっています。
また江戸時代は四ツ谷用水を境にして町の区分が決められており、今回紹介したタイルの箇所も武士が住む名掛丁(ハピナ名掛丁商店街側)と町人が住む新伝馬町(クリスロード商店街側)に分かれていました。
四ツ谷用水の名残を感じられるスポット3選
ほとんどが見えなくなってしまいましたが、名残を感じられるスポットはアーケード以外にもあります。特に分かりやすい場所を紹介するので、気になる方は足を運んでみてください。
壱弐参(いろは)横丁
四ツ谷用水を引いたことで、砂利層に水が浸透して城下町では井戸水の水源となりました。今でも「壱弐参(いろは)横丁」には井戸が残っており、飲めないものの実際に水を出すことはできます。
INFORMATION
- 名 称:壱弐参(いろは)横丁
- 住 所:〒980-0811 宮城県仙台市青葉区一番町2丁目3−28
GOOGLE MAP
青葉区折立
青葉区の折立には「四ツ谷堰」があります。四ツ谷用水の取水口・開口部であり、今でも用水路の形がしっかりと残されています。
INFORMATION
- 名 称:四ツ谷堰
- 住 所:〒982-0261 宮城県仙台市青葉区折立1丁目15
GOOGLE MAP
青葉区八幡
青葉区八幡には沢を用水がまたぐために樋をかけた場所や水洗い場の跡、土木遺産の案内板など、四ツ谷用水の様々な痕跡が残っており、各所に点在しています。
INFORMATION
- 名 称:四ツ谷用水 沸上がりの地
- 住 所:〒980-0871 宮城県仙台市青葉区八幡5丁目9−10
GOOGLE MAP
INFORMATION
- 名 称:四ツ谷用水 聖沢掛樋
- 住 所:〒980-0871 宮城県仙台市青葉区八幡6丁目14
GOOGLE MAP
INFORMATION
- 名 称:土木遺産四ッ谷用水の案内板
- 住 所:〒980-0871 宮城県仙台市青葉区八幡
GOOGLE MAP
四ツ谷用水の名残を自分の目で感じてみて
今回は仙台駅前のアーケードにあるタイルと四ツ谷用水の関係性について解説してきました。伊達政宗の功績と城下町で暮らしていた人々の姿が、用水路を通して感じることができるので、アーケードを通る際には注目してみてください。