【岩手県盛岡市】ニューヨーク・タイムズ紙で、世界で2番目に行くべき旅先に選ばれた盛岡市!その魅力を地元目線でご紹介します!

2023年1月12日、ニューヨーク・タイムズ紙が発表した「2023年に行くべき52ヶ所」で、第1位ロンドンに次ぐ第2位に盛岡市が選ばれ、地元では驚きと喜びの声が上がっています。

記事を書いたの、日本に23年住むアメリカ人ライターのクレイグ・モドさんで、大好きな盛岡を紹介したかったのだそうです。

モッドさんは、盛岡を「隠された宝石のような街」「気の流れが良い街」と表現して、市内の4つのスポットを紹介しています。

ニューヨーク・タイムズ紙の「行くべき52ヶ所」とは?

「52 Places for Travelers to Go」は年1回発表され、アウトバウンド旅行の情報源として多くの旅行好きが参考にする企画です。

毎年違うテーマを基におよそ100人の旅行ライターが推薦記事を寄せ、その中から52ヶ所が選ばれます。

2023年のテーマは「都会からちょっと離れた素晴らしい場所」で、東京から東北新幹線で2時間ほどの盛岡がノミネートされました。

盛岡ってどんな街?モドさんがおすすめする理由は2つ

(公財)盛岡観光コンベンション協会 公式Facebookより

北上盆地の北端にある人口約28万5千人の中核都市で、岩手山などの山々に囲まれ、北上川水系の多数の河川が流れる水と緑の自然豊かな街です。

また、人情の街としても知られ、モドさんも「盛岡の人はみな優しかった」と語っています。

そして、盛岡を旅行先としてすすめる理由として次の2点を挙げています。

街に西洋と東洋の建築美が融合した建物

岩手銀行赤レンガ館 公式サイトより

市内にある古い洋館の一つ、赤レンガ造りの「旧岩手銀行本店」は、東京駅をデザインした辰野金吾氏によるもので雰囲気が似ています。

盛岡は地盤が強く東日本大震災でも歴史建築物が倒壊を免れ、江戸時代以降の建造物や古い町並みがたくさん残されていて、レトロ感満点の街歩きを楽しめます。

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曲がりくねった川、古い城跡が公園になっている

盛岡城跡公園 公式サイトより

市街には北上川と雫石川、そして「平成の名水百選」に選ばれた中津川が流れ、それら清流ではアユが釣れ、サケが遡上します。

盛岡城は別名「不来方(こずかた)城」と呼ばれ、南部氏居城跡として見事な石垣が残され、盛岡城跡公園として桜と紅葉の名所として市民の憩いの場です。

かの石川啄木がこの城跡で寝転び、空を見上げて読んだ次の短歌が有名です。

「不来方のお城の草に寝転びて空に吸はれし十五の心」

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モドさんが紹介する4つのスポット

彼が訪れ、お気に入りとして紹介してくれたお店です。

ナガサワコーヒー

Nagasawa COFFEE 公式サイトより

「コーヒー好きが多い街」として紹介された盛岡には、自家焙煎の香りが漂うコーヒー店や、個性的で雰囲気のよい老舗の喫茶店がたくさんあります。

ナガサワコーヒーもそのうちの一つで、美味しいコーヒーを求めるお客さんが絶えません。

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  • 施設名称:Nagasawa COFFEE(ナガサワコーヒー)
  • 所在地:岩手県盛岡市上田1丁目11-23
  • 電話番号:019-681-6868
  • URL:Nagasawa COFFEE 公式サイト

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わんこそばの東家

お椀によそわれた一口分のそばを、「はい、どんどん!はい、じゃんじゃん!」のかけ声の下で何杯食べられるかを競う、ゲーム感覚で食べるそばです。

盛岡発祥説と花巻発祥説があって両市にわんこそばのお店があり、盛岡では次のお店で楽しめます。

  • 東家(あずまや):本店・別館・駅前店
  • 初駒(はつこま):本店・盛岡インター店
  • 直利庵(ちょくりあん)

「わんこそば」のお店(岩手県観光ポータルサイト)

わんこそばの楽しみ方

東家 公式サイトより

お店によって流儀がありますが、次の流れが一般的です。

  1. 給仕が客の横に立ち、スタート後かけ声をかけながら客が持つお椀にそばを入れる
  2. 客が食べ終わると、給仕がそのお椀に一杯ずつそばを入れ続ける
  3. 給仕にそばを入れられる前に客がふたを閉めると終了

「東家」と「初駒」ではお椀を客の前に重ねて数えますが、老舗の「直利庵」ではマッチ棒で数えます。

そばつゆは無理に飲まずに捨てることができ、お椀15杯ほどがもりそば1杯分で、100杯以上で証明手形などがもらえます。

満腹でふたを閉めようとすると給仕さんが素早くそばを入れようとして、その駆け引きで場が盛り上がります。

なお、わんこそばはコースで出され、薬味や箸休めの内容によって値段は3,000円~5,500円ほどです。

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ブックナード(BOOKNERD)

「本のオタク」を意味する「BOOKNERD」は話題の独立系書店で、雑貨やオリジナルTシャツなども売られています。

モドさんが「若いのに頑張っている」とした店主さんが選んだ洋書や和書の新刊・古書は、文学・エッセイ・絵本・写真集・雑誌・ZINE(ジン:自主出版本)など、500冊ほどが小さな店内に並べられています。

書店がある紺屋町(こんやちょう)周辺は、昔の盛岡の風情漂う街並みが多く、上記の東家も近いほか個性豊かな飲食店や日本酒やワインの角打ちのお店などもあり、本を選びながら散策を楽しめます。

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  • 施設名称:ブックナード(BOOKNERD)
  • 所在地:岩手県盛岡市紺屋町6-27
  • 電話番号:019-677-8081
  • URL:BOOKNERD 公式サイト

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開運橋のジョニー

開運橋のジョニー 公式サイトより

三陸のジャズ喫茶として知られた「陸前高田ジョニー」が、2001年に開運橋たもとに移転して「開運橋のジョニー」となり、全国からファンが訪れています。

NY在住のジャズ・ピアニスト穐吉(あきよし)敏子さんをリスペクトする店主の照井さんは、2022年10月にリニューアルされた盛岡バスセンター内に「穐吉敏子ジャズミュージアム」をオープンしました。

そこに併設の「カフェバーWest38」のためにジョニーを閉じていましたが、モドさんに紹介されたことを受けて現在は毎週火・水にお店を開けています。

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盛岡三大麵とは?

盛岡冷麺と盛岡じゃじゃ麺、そしてわんこそばの3種の麺料理の総称です。

盛岡冷麺

焼肉店の麺料理で、小麦粉とでんぷんで作られた麺は強いコシがあり、歯応えがあります。

牛骨出汁のスープは旨味と甘味が抜群で、ゆで卵とゆで牛肉のスライス、そしてスイカや梨、リンゴなどの果物が添えられています。

盛岡冷麺の辛みは主にカクテキと呼ばれる大根キムチで、地元では辛みを「別辛(べつから)」として最初から入れず、別皿で注文する人が多いです。

そうしておいてまず素の牛骨スープを味わい、その後に好みの辛さで味変を楽しみます。

なお、盛岡では焼肉店では冷麺だけを頼めますので、ご遠慮なくどうぞ。

「盛岡冷麺」のお店(岩手県観光ポータルサイト)

盛岡じゃじゃ麺

有名な「白龍(ぱいろん)」が発祥とされる盛岡独特の麺料理で、市民それぞれ推しのお店があります。

小麦粉のモチモチ平打ち麺に各店特製の肉みそとキュウリとネギがのせられ、紅ショウガが添えられたシンプルな麺ですが、食べ方には次のようにちょっとした作法があります。

  1. 最初に全部を混ぜ、肉みそを麺に絡めながら食べる
  2. 麺を食べたら卵を割り入れて混ぜ、「チータンタン(チータン:ゆで汁)」を注いでもらう
  3. 溶き卵スープには、さらに肉みそが加えられるのでよく混ぜてスープを味わう

地元ではチータンタンまで頼むのがじゃじゃ麺の作法ですが、それ以外に決まりはありません。

チータン

テーブルにはお酢や醤油などが置かれ、好みに合わせた味変OKのほか、肉みそがテーブルに置かれ自由に足せるお店もあります。

ちなみに、中華麺の「ジャージャー麵」とよく間違われますが、全く別物ですのでご注意ください。

「盛岡じゃじゃ麺」のお店(岩手県観光ポータルサイト)

まとめ

モドさんに紹介されたほかにも魅力がたっぶりの盛岡は、これまではちょっと地味なイメージでした。

しかし日本に数ある大都市や有名な観光地を差し置いて、アメリカで「行くべき」と紹介されたことで、全国的に注目されています。

コンパクトな盛岡市は、おすすめグルメや観光スポットが盛岡駅を中心に歩いて回れるほか、「でんでん虫」という市内循環バスの1日フリー乗車券を利用すれば密度の濃い観光を楽しめます。

インバウンドで注目の「みちのくの小京都」へぜひ一度、おでってくなんせ!

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