【福島県飯舘村】自然に恵まれた最も美しい村「までいな村いいたて」

飯舘(いいたて)村は、阿武隈山系北部の標高400mの高原にある美しい自然に囲まれた村です。 飯館村は豊かな自然と共生しながら「日本で最も美しい村連合」に加盟しています。


飯舘村はどんな場所?

飯舘村は福島市内から車で約1時間、阿武隈山系北部に位置しています。
年平均気温は約10度、年間降水量1300mm前後と高原地帯特有の冷涼な気候が特徴です。冬の寒さは厳しいですが、夏は涼しく過ごしやすい気候です。豊かな自然の中で、飯舘村ならではの「までいな暮らし」を守り受け継いできました。

ところが未曾有の大災害に見舞われた2011年の東日本大震災で、飯舘村は原発事故の影響を受け、全村避難を余儀なくされました。

避難指示が解除されたのは6年後の2017年です。
現在、飯舘村内に住んでいるのは震災前の約4分の1程度の1500人ほど。

飯舘村では、村に興味・関心がある人に「ふるさと住民」として「ふるさと住民票」を発行しています。飯舘村を応援してくれている方たちとのつながりを深め、こころの交流を長く大切にするためのものだそうです。
村外・県外、さらには国外にも飯舘村を想う証「ふるさと住民票」を所有する人が約900名を超えており、村に関わるすべての人が共に歩みを進めています。


飯舘村を象徴する「までい」とは?

飯舘村は「までいな村」として知られています。

「までい」とは真の手(両方揃った手)が語源。
「手間ひまを惜しまず」「丁寧に」「心をこめて」「つつましく」「心をこめて」「時間をかけて」「じっくりと」と言った意味が込められています。

「食い物はまでいに食えよ」
「子供はまでいに育てろよ」

などと昔から「までい」という言葉が使われています。飯舘流のスローライフを「までいライフ」と呼び、村づくりの基本理念としてきました。


飯舘村の特産物

黒毛和牛の「飯舘牛」はブランド牛として高い評価を得ています。震災前までは飯舘牛ブランドの和牛産地として知られ、230軒の育牛農家が2800頭の牛を飼っていました。

しかし、原発事故により全員が村外に避難。育牛農家は廃業や他地域への移転を迫られ、他の地域で事業を続けるなどしていました。
2019年、8年4カ月ぶりに飯舘で酪農が再開!親牛に産ませた子牛を他地域などに売って収益を得る繁殖農家が8軒再開しています。(2020年11月)

村の道の駅では「飯舘牛」の復活を願い、常温で365日日持ちするハンバーグなどのレトルト商品を販売中です。

ほかにも高冷地の条件を生かした高原野菜、トルコギキョウを始めとする花卉、凍み餅、凍み大根、どぶろくなどが特産として知られています。


村のシンボル「いいたて村の道の駅までい館」

飯舘村の復興と再生を担う拠点のひとつとして、2017年8月に道の駅がオープン。

道の駅館内に入ってまず目を奪われるのは天井に広がる花々!までい館は村の基幹産業である「花」をテーマに、建物中央の屋根は「花かご」をイメージしてつくられています。1年を通して心を込めて手入れをしている鮮やかな花々が出迎えてくれます。

物産館、農作物直売所、フードコーナー、コンビニエンスストアが揃い、村での生活に欠かせないまでい館。 村内では数少ない商業施設なので、お昼時には村民や村内で働く工事関係者が多く訪れていました。

農作物直売所では、復興拠点として飯舘村で営農再開した村民が丹精込めて育てた野菜やトルコギキョウ、かすみ草、ストックなど四季折々の花が販売されています。筆者が訪れた8月はカラフルで色とりどりの「ダリア」が破格のお値段で販売されていました。新鮮な花を購入しにくるリピーターもいるそうです。

道の駅で購入したダリア

また、どぶろく特区として認定されている飯舘村の「どぶろく」や地酒など村の特産品を購入することができます。また、飯舘村産のお米を使った特製豚丼や手作りのナツハゼジャムがたっぷりかかったナツハゼソフトなどの食事も楽しめますよ。

までい館の北側には、多目的広場「ふかや風の子広場」があります。花の散策路や芝生の広場など子供たちが思いきり走り回れる空間が広がります。
飯舘村のポケモンマンホール「ポケふた」も発見しました!
木のすべり台やパズルなどのある屋内運動施設もあるので、天候を問わず思いきり遊べます。

広々とした広場
ポケふたはラッキーとフラエッテ

INFORMATION


  • 名称:いいたて村の道の駅までい館
  • 住所:福島県相馬郡飯舘村深谷字深谷前12-1
  • 電話番号:0244-42-1080
  • アクセス:JR福島駅から車で1時間・常磐道 南相馬I.C.から車で30分
  • 営業時間:3月~10月 9:30〜18:00 11月〜2月 9:30〜17:00
  • 定休日:毎週水曜、年末年始

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村民憩いの場「えびす庵」

ゑびす庵は、飯舘村で営業して60年以上の老舗食堂です。2011年の東日本大震災後、福島市内に移転し営業を続けていましたが、2019年4月、6年ぶりに村で店を再開した第1号の飲食店です。

ゑびす庵の名物は、毎朝早くから手打ちしているこだわりのうどん!中でも「五目うどん」がお店の人気No.1メニューだそうです。キャベツやニラ、ニンジン、豚肉などたっぷりの具材を炒めて乗せたボリューミーな一杯。

筆者はこの日、「肉うどん」と「お稲荷さん」を頂きました。
ゑびす庵の手打ち麺は歯ごたえがよく、ツルツルしたのど越しというよりは「すいとん」や「団子汁」のようなコシの強さともっちりさを感じるうどんです。初めて食べたのに懐かしさを感じる優しくてほっこりする一杯でした。

こしの強い手打ちうどんは絶品

お昼の時間帯には農作業途中の村民のほか、飯舘村に復興工事で仕事に来ている作業員も多く来ていました。
飯舘村にかかわる人々の憩いの場となっているのでしょう。

また、2018年にはNHK紅白歌合戦の企画でアイドルグループ「嵐」が訪問しています。ミーハーな筆者は嵐のメンバーが座ったテーブルで食事を楽しめ、テンションが上がったのはここだけの話です。

INFORMATION


  • 名称:ゑびす庵
  • 住所:福島県相馬郡飯舘村飯樋字町101
  • 電話番号:0244-43-2018
  • 営業時間:11:00~15:00
  • 定休日:火曜日

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までいな村飯舘まとめ

筆者が飯舘村を訪れた8月は気温が30度を超える真夏日でしたが、飯舘村は涼しい風が通りとても気持ちの良い場所でした。「道の駅までい館」向かい側に咲くひまわり畑はどこかのどかで、時が経つのを忘れていつまでも見ていたいほど。

飯舘村は震災から立ち上がり新たな歩みを着実に進めています!
「手間ひまを惜しまず」「丁寧に」歩みを進める「までいな村飯舘」の現状を知っていただけたら幸いです。

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