【秋田県湯沢市】川連漆器とは?その使いやすさで広く親しまれている国の伝統的工芸品を詳しくご紹介

秋田県の伝統的工芸品と言えば樺細工、大舘曲げわっぱ、秋田杉桶樽とともに川連漆器が並びますが、意外とその特徴や良さを知らない人も多いのではないでしょうか。

この記事では川連漆器の特徴から購入する際のポイントまで詳しく解説します。


川連漆器とは?

川連漆器

川連漆器とは約800年前の鎌倉時代から受け継がれてきた、秋田県湯沢市川連町で作られている普段使い用の漆器で、日本の伝統的工芸品にも選ばれています。

伝統的工芸品の指定を受けるには次の5つの条件を満たし、伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づいて、経済産業大臣の指定を受けることが必要です。

  • 主として日常生活の用に供されるもの
  • その製造過程の主要部分が手工業的
  • 伝統的な技術又は技法により製造されるもの
  • 伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるもの
  • 一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているもの

川連漆器が指定を受けたのは1976年のことですが、現在も高い技術と伝統はそのままに、幅広い分野の新しい製品を生み出し続けています。

参考:経済産業省「伝統的工芸品」


川連漆器の特徴

川連漆器

川連漆器はどのような特徴を持つ漆器なのでしょうか。

3つご紹介します。

燻煙乾燥

川連漆器を作る際は、国産の木を素材とし粗挽きの木地に煙を当て、時間をかけて乾燥する燻煙乾燥を行います。

木地が煙を受けながら低温でゆっくりと乾燥することで、木材が割れる原因となる狂いやゆがみが減るのです。

また煙の成分と木材に含まれるたんぱく質が結合することで木質を強くし、防虫・防腐効果も得られるでしょう。

川連漆器の特徴は手頃な価格でありながら丈夫であることとよく言われますが、その基礎は木地作りから始まっているということです。

花塗り

塗りの工程は地塗り、中塗り、上塗りと進みますが最後の仕上げに使われる技法を花塗りと呼び、漆を塗った後研いだり磨いたりせずにそのまま乾燥させます。

これにより自然のままの線と光沢が活かせるため、豊かな曲線と漆の持つふっくらとした質感が生まれるでしょう。

実用性

川連漆器の使いやすさの秘密はお手入れが簡単なことと断熱性・保温性・抗菌力があることだと言えます。

長く使うには毎日使うことがコツと言われるほど、川連漆器は実用的な器なのです。


川連漆器を購入するなら?

川連漆器伝統工芸館

川連漆器を購入するのにおすすめの店舗が、秋田県湯沢市川連町にある湯沢市川連漆器伝統工芸館の1F、展示販売コーナーです。

498.35m2の売り場面積を持ち常時800点以上の品揃えがあることから、自分のニーズや好みに合った川連漆器を見つけることができるでしょう。

またインターネット通販で川連漆器を手に入れたいなら、加藤實漆器店と阿部健吉商店がおすすめです。

両方とも正規商品はもちろん、アウトレット商品の取扱もあることから値段が高くて手を出せなかった商品をお得な価格で購入できる可能性があります。

また加藤實漆器店では漆器の修理サービスも行っているため、大切な漆器を誤って傷つけてしまった際は相談してみましょう。

参考:加藤實漆器店「アウトレット」

参考:阿部健吉商店「川連漆器アウトレット」


まとめ

川連漆器とは秋田県湯沢市川連町で作られている漆器で、日本の伝統的工芸品にも選ばれていますが、燻煙乾燥を行って丈夫な木地から作ること、漆を塗った後研いだり磨いたりせずにそのまま乾燥させる仕上げ技法の花塗りを行うこと、実用性が高いことの3つの特徴があるとわかりました。

川連漆器の良さを知り、興味を持った人はぜひ生活の中に実用品として取り入れてみてください。


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