【岩手県陸前高田市】陸前高田の復興のシンボル「道の駅髙田松原」

「道の駅髙田松原(たかだまつばら)」は岩手県陸前高田市の「高田松原津波復興記念公園」内にあり、「岩手県東日本大震災津波伝承館」と併設されている道の駅です。

広田湾沿いを走る国道45号線にある高田松原津波復興記念公園には、「奇跡の一本松」など数々の震災遺構が残されていて、震災犠牲者への追討と鎮魂そして震災の教訓を伝承する場となっています。


30年前から存在していた陸前高田の道の駅

陸前高田シーサイドターミナル
道の駅駐車場から見た「タピック45」 上部にある茶色い表示は津波が到達した高さ

陸前高田市内では1991年7月に「陸前高田シーサイドターミナル(タピック45)」という名の道の駅が現在の建物の隣にオープンしていました。

タピック45の周囲には気仙地方で唯一のモスバーガーや、歌手の千昌夫さんの出資で有名だった「キャピタルホテル1000」があり、高田松原海水浴場への拠点としても多くの人が訪れる観光スポットでした。 そのタピック45は津波によって内部が破壊されましたが建物はしっかり残り、屋上に逃れた3名の命を救い、震災遺構として残されています。


道の駅髙田松原と岩手県東日本大震災津波伝承館

道の駅髙田松原
道の駅髙田松原と広い駐車場

大震災後、旧館となっていた旧道の駅タピック45の隣に、新しい道の駅が岩手県東日本大震災津波伝承館と共に新たに建てられ、2019年9月22日に「道の駅髙田松原」がオープンしました。

岩手県東日本大震災津波伝承館
道の駅と津波伝承館との中央にある水盤、左側が広田湾

広田湾に向かって飛びたつ鳥の姿のような建物は世界的建築家の隈研吾氏によるもので、中央には水が張られた水盤があり、そこから新たに造られた防潮堤まで「祈りの軸」と呼ばれる道が通っています。

駐車場側から見て水盤の左側が岩手県東日本大震災津波伝承館で、右側が道の駅髙田松原です。


道の駅髙田松原の施設をご紹介

道の駅髙田松原
道の駅には陸前高田の水産加工品や日本酒などがいっぱい

「海産物販売エリア」では、その美味しさで名高い広田湾の牡蠣や帆立にわかめなど、三陸海岸で獲れる豊かな海の幸を購入する事ができます。

道の駅髙田松原
調味料やお菓子が並ぶ物産エリア

「物産・農産直売エリア」には復興が進む陸前高田産のお米・りんご・しいたけ・ほうれん草・トマトなどなどの野菜やお菓子・パンのほか、地元の日本酒・醤油・みそなどの醸造品に工芸品なども売られています。

道の駅髙田松原
物産エリアから見たフードコートがあるスペースは明るさ十分

また、近隣の高田松原運動公園では、陸前高田市とスポーツ交流活動パートナー協定を結んだプロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスの協力によって、2020年に新しい野球場ができました。

道の駅髙田松原
東北楽天ゴールデンイーグルスの応援用グッズ売り場

その第一野球場は「楽天イーグルス 奇跡の一本松球場」と名付けられましたが、道の駅の物販エリアで楽天イーグルスの応援グッズも販売されています。


道の駅髙田松原の飲食店

道の駅髙田松原
テーブルごとにセパレートされたフードコート 正面に「まつばら食堂」、写真の左に「たかだのごはん」

食事を提供する店舗が2店あり、いずれもセフルサービスで料理を受け取って駅内のフードコートで味わう形です。

たかたのごはん

地元オリジナルブランド米の「たかだのゆめ」が使われた海鮮丼などを中心に、高田の郷土料理などを味わえます。

人気メニューは3種類の旬のミニ海鮮丼を楽しめる「3つの海鮮 よくばり丼」と、多種用意されている高田の郷土料理などの小鉢から4つを選べる「日替わり おばんざい定食」です。

定食に付いてくる海藻の味噌汁も人気があります。

まつばら食堂

こちらの食堂も海鮮丼などがメインで、広田湾漁協が経営しています。

漁協の直営店だけあって海鮮ものが美味しく、「奇跡の一本松」を表現したアナゴの「一本松天丼」が評判ですが、盛岡名物の「じゃじゃ麺」と「冷麺」を合わせたような「じゃじゃ冷麺」も人気です。

塩うにおにぎり
食べごたえ十分な塩うにおにぎり

また、数量限定で販売されている「塩うにおにぎり」が大きいうえに、中にたっぷり入れられている塩ウニが濃厚で美味しいと好評で、すぐ売り切れてしまいます。

すなば珈琲 髙田松原店

すなば珈琲
レジの奥に見えているのが「すなば珈琲」

「スタバはないけどスナバ(砂場:鳥取砂丘のこと)はある」で有名な「すなば珈琲」の店舗です。

震災の時、すなば珈琲の社長さんやスタッフの方々が鳥取から駆けつけてくれて、炊き出しなどのボランティア活動をしてくれたご縁から、すなば珈琲として初めての鳥取県外への出店に繋がりました。

美味しいコーヒーのほか、遠野の牛乳で作られたジェラートも味わえます。


失われた高田松原を再び!

高田松原
震災前の美しい高田松原 出典元:岩手県公式観光サイト「いわての旅」(公益財団法人 岩手県観光協会)

高田松原はかつて、約7万本の樹齢300年を越える松が群生し、2kmにわたって白い砂浜が続く風光明媚な海水浴場でした。

それら7万本あまりの松の木は津波によってなぎ倒されてしまいましたが、わずか1本だけが奇跡的に残され、それが「奇跡の1本松」と呼ばれたのは記憶に新しいところです。

奇跡の一本松
今はレプリカとなった奇跡の一本松 奥の崩壊した建物は一本松を守ったとされるユースホステル

奇跡の一本松はその後、地盤沈下による塩水被害によって枯れてしまいましたが、防腐処理や枝葉の複製などがなされ、震災遺構として永遠に残されることになりました。

高田松原
生まれ変わる高田松原

白い砂浜もまた津波と地盤沈下でほとんどが消失してしまいましたが、新たに造られた防潮堤の外側に復旧され、約四万本の松の苗木が植樹されて高田松原の復興が進められています。


まとめ

陸前高田市
道の駅駐車場から見た元の市街地は今も更地のまま 

大震災の津波によって壊滅的な被害を受けた陸前高田市では、震災前の市街地に盛土をするなどして新たな街が完成しました。

その復興を象徴する施設とされているのが、道の駅髙田松原がある高田松原津波復興記念公園です。

下宿定住促進住宅
公園内の震災遺構の一つ、海に近い「下宿定住促進住宅」は5階部分までが津波に襲われた

公園内にある数々の震災遺構は悲しみを残していますが、その反面、新たに造られた施設は三陸地方の復興と希望を伝えています。 お近くへお越しの際には、ぜひ道の駅髙田松原を訪れてみてください。

道の駅髙田松原<Information>

  • 名称:道の駅髙田松原
  • 所在地:岩手県陸前高田市気仙町土手影180 高田松原津波復興祈念公園内
  • 電話番号:019-22-28411
  • 営業時間:9:00~18:00
  • 定休日:なし
  • URL:道の駅髙田松原公式サイト

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