2025.07.22 会津田島祇園祭_日本一の花嫁行列

【会津田島祇園祭フォトレポート:後編】日本一の花嫁行列とも呼ばれる七行器行列【福島県南会津町】

福島県の南西部、少し南下するともう栃木県…という立地の南会津町。「奥会津」とも呼ばれるこの地域で、日本三大祇園祭の一つに数えられるお祭りが毎年行われていることはご存じでしょうか?

この記事ではそんな祭り「会津田島祇園祭」の二日目渡御祭(本祭)の様子をお届けします!

初日の様子は以下リンクからご覧ください。


7月23日:渡御祭(本祭)

会津田島祇園祭は、鎌倉時代の1185年頃、当時の領主 長沼宗政の祇園信仰により、祇園の神を居城鎮護の神として祀り、祇園祭を田島鎮守の田出宇賀神社の祭りと共に行った事が起源とされています。

古くから「西の祇園社・中の津島社・東の田出宇賀社」と言われ日本三大祇園祭の一つとして知られています。詳しくは以下の記事で紹介しています。

祭りが行われるのは毎年7月22日から24日までの三日間で、中日である23日が本祭となります。

二日目本祭のメインは早朝から開催

2025.07.22 会津田島祇園祭_二日目本祭の朝
2025.07.22 会津田島祇園祭_二日目本祭の朝

会津田島祇園祭の代名詞ともいわれる七行器行列(ななほかいぎょうれつ)は二日目の本祭午前中に行われます。時間は朝7時頃。会場である田出宇賀神社や七行器通り周辺にはこの時間から見物客が徐々に集まり始めます。

前日の宵祭りのメイン通りだった国道121号線を7時50分に出発した行列は、8時30分頃まで約40分をかけて田出宇賀神社へと奉納する七つの器に収められた供物を運びます。

日本一の花嫁行列ともいわれる「七行器行列」

2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列①
2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列①

神社前に陣取っていると遠目に見えてくる行列の先頭。たくさんの見物客に囲まれながらゆっくりと進んできます。

2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列②
2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列②

「日本一の花嫁行列」ともいわれ、祭りの一番の見どころである花嫁行列の姿も徐々に見えてきます。

2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列③
2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列③

七行器の名前の由来である供物を納めた器。現在は田出宇賀神社への七行器に、熊野神社への行器三つを加えて十行器が奉納されます。

2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列④
2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列④

神社の参道にまっすぐ連なる花嫁行列は華やかでもあり、圧巻の迫力もあります。まさに一見の価値ありな光景です。

2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列⑤
2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列⑤

この日の田島は最高気温31.5度を記録。普通に立っているだけでも暑くて辛い状況の中で、花嫁衣裳を着ている皆さんは相当に暑かったと思います…。

2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列⑥
2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列⑥

ちなみに七行器行列の花嫁さんは一般募集が行われています。費用に関しても、町内の美容室を利用した着付け、化粧、カツラ代に補助金が支給されるようなので興味がある方は南会津観光協会に問い合わせをしてみてください。

その年の花嫁希望者を毎年6月頃まで募集しているようです。

リンク:南会津観光協会

2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列⑦
2025.07.22 会津田島祇園祭_七行器行列⑦

神社に到着すると御党屋組(七行器行列の一団)が全員社殿に入り、運んできたどぶろくの入った酒樽三つ、赤飯行器三つ、魚台一つの七つの行器の奉納儀式が行われます。

七行器行列の奉納神事の次は神輿渡御

2025.07.22 会津田島祇園祭_神輿渡御①
2025.07.22 会津田島祇園祭_神輿渡御①

奉納神事を終えると次は神輿発輿の儀式が始まります。「神輿祓式」「神輿遷座式」が行われ、午前10時頃に神社を出立します。

2025.07.22 会津田島祇園祭_神輿渡御②
2025.07.22 会津田島祇園祭_神輿渡御②

神輿発輿の時間が近づくと「波に千鳥模様の裂羽織・5色の襷掛け・頭へ1枚板の冠を載せた派手な格好」の人物が、歌舞伎の六方を踏む様な大仰な身振りと共に「お仕度触れ」と「お立触れ」を大声で触れ歩きます。

2025.07.22 会津田島祇園祭_神輿渡御③
2025.07.22 会津田島祇園祭_神輿渡御③

取材の方はこの神輿発輿を見送ったところで終了となりましたが、町内を一巡した神輿は神社に戻り、諸々の儀式を終えて、夜には初日同様に大屋台が繰り出し歌舞伎の上演が行われます。

2025.07.22 会津田島祇園祭_神輿渡御④
2025.07.22 会津田島祇園祭_神輿渡御④

最後に

最終日である24日には、後祭として田出宇賀神社の神楽殿にて「出雲流太々御神楽」が奉納され祭りの一切が終了します。

東北地方の夏祭りといえば「東北六大祭り」ともいわれるねぶたまつりや竿燈まつりに注目が集まりがちですが、まだまだ各地に素晴らしいお祭りが存在することを再確認することができました。

新幹線からも高速道路からも中々に距離があり、アクセスしづらい南会津町ですが、そんな環境だからこそ伝統的な「日本の姿」が今でも脈々と受け継がれているのでは?と感じさせるお祭りでした。機会があれば是非訪れてみてください。


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