
ぶどうにメロンにさくらんぼ?青森の意外すぎるフルーツ王国っぷりを語る【青森県】
青森といえば「りんご」のイメージが圧倒的ですが、実はそれだけではありません。県内ではさくらんぼ、ぶどう、メロン、あんず、西洋梨、プルーン、カシスなど、驚くほど多彩なフルーツが育てられています。中には生産量全国トップクラスの果物もあり、青森の実力は侮れません。
今回は、そんな知られざるフルーツ王国・青森の魅力をたっぷりご紹介します。
青森はりんごだけじゃない!実はフルーツ王国だった
【さくらんぼ】高級ブランド「ジュノハート」が話題

青森県内のさくらんぼは、南部町、八戸市、五戸町といった県南地域が主な生産地です。中でも南部町は県内最大のさくらんぼの名産地であり、6月中旬から7月中旬にかけては観光農園でのさくらんぼ狩りがにぎわいを見せます。また、近年ではリンゴの剪定技術を生かし、青森市や弘前市でも栽培がスタート。
ハート型の高級ブランド「ジュノハート」は濃厚な甘みと大粒の実が特徴で、その中でも最高峰の「青森ハートビート」は初競りで15粒入りの1箱が50万円で取引されたことも…2024年は2粒入りで1,080円に価格が落ち着きましたが、それでも1粒540円なのでかなり高額ですよね。
【西洋なし】芳醇な香りが人気!南部町が生産量日本一!?

青森県の西洋なしは、南部町、三戸町、弘前市、青森市などで栽培されています。とくに南部町は、ゼネラル・レクラークの生産量が日本一!昼夜の寒暖差によって糖度が高まり、なめらかな食感と芳醇な香りが楽しめます。
【あんず】実は生産量日本一!県南+津軽の“隠れ名産”

実は青森県は、あんずの生産量日本一。主に南部町、八戸市、三戸町、五戸町を中心とした県南地域で盛んに栽培されており、津軽地方の一部でも作られています。
あんずは全国的にジャムやシロップ漬けが有名ですが、津軽地方では「あんずのしそ巻」が郷土の味として根強い人気を誇ります。青森県であんずのしそ巻が親しまれているのは、あんずの生産が盛んなことが関係しているのかもしれませんね。
【もも】リンゴ栽培の技術を応用した新しい桃!?

青森県の桃は、平川市、南部町、三戸町、弘前市などで栽培されています。
特に平川市ではリンゴ栽培の技術を活用し、「津軽の桃」と呼ばれる桃の名産地となっています。津軽の桃の特徴は、桃とは思えない固い果肉です。皆さんが想像するのは柔らかく、果汁がしたたり落ちるような果肉だと思いますが、津軽の桃はシャキシャキした歯ごたえなんです!硬いといっても熟していないのではなく、むしろ糖度は抜群!昼夜の寒暖差が激しい地域ならではの甘みの強さと、モモらしくない硬めの果肉が魅力で、県内外のファンも多いフルーツです。
【ぶどう】スチューベン王国・津軽!

ぶどうの中でも、青森県が全国的に有名なのが「スチューベン」。主な生産地は弘前市、鶴田町、板柳町など津軽地方で、糖度が高く皮がむきやすいのが特徴です。生食用としてだけでなく、ジュースやワインの原料としても利用され、秋の味覚として定着しています。
【メロン】つがる市の砂丘地で育つ“夏の主役”

青森県西部に位置するつがる市は、メロンの産地としても知られています。水はけの良い砂丘地帯と昼夜の寒暖差が、糖度の高いメロンを育てる条件を整えており、タカミ、キスミー、レノンなどの品種が栽培されています。6月下旬から8月にかけて出荷のピークを迎え、贈答用としても大人気!
収穫時期である7月~8月には、生産地である鯵ヶ沢から五所川原に伸びる屏風山広域農道と、鯵ヶ沢から秋田県へのびる国道101号にたくさんのメロン直売店が並びます。
【プルーン】津軽と県南の二大産地で拡大中

プルーンの生産も青森県内では盛んで、弘前市や西津軽郡鰺ヶ沢町、南部町などで栽培されています。全国第3位の生産量を誇り、ビタミンや鉄分、食物繊維が豊富なことから、健康志向の高まりとともに需要も増加しています。
プルーンといえばドライプルーンが有名ですが、青森県ではフレッシュな生のプルーンが主流。リンゴ畑の一画に植えている人も多く、収穫時期である初夏を迎えるとカゴいっぱいのプルーンをもらうことも…ある意味、青森の津軽の初夏の風物詩と言えますね。
【カシス】全国1位の生産量を誇る青森市の特産果実

青森市を中心とした東青地域では、カシスの栽培が盛んです。実は、カシスの生産量では青森が全国1位。小粒ながらも香りが強く、ジャムやリキュール、ケーキのトッピングなどに重宝されています。近年では、スムージーやチーズケーキなどのスイーツにも使われ、県外からの注目も集まっています。
なぜ青森でこんなに果物が育つのか?

甘さの秘訣は昼夜の寒暖差
青森の果物の甘さの理由のひとつが、昼と夜の寒暖差です。日中に光合成で糖を作り、夜間の冷え込みで消費を抑えることで、果物の糖度がしっかりと蓄積されるのです。この寒暖差は、山々に囲まれた地形と北国ならではの気候によって生まれます。
山と雪が育む豊かな環境
八甲田山系や南部山地などの山々がもたらす雪解け水は、土壌にミネラル分を運び、果樹にとって理想的な育成環境を整えます。また、火山灰を含んだ土壌は水はけが良く、果樹の根張りにも適しているため、多様な果物の栽培が可能です。
農家の知恵と経験が支える品質
青森の果樹栽培は、単なる気候や土地の力だけではなく、農家の手間ひまや知恵によって支えられています。リンゴ栽培で培った剪定、摘果、袋かけなどの技術の応用に加え、果樹の個性に合わせた細やかな管理。これまでに培った技術のおかげで全国的にも高評価な青森のフルーツの品質を維持できているのです。
まとめ
青森=りんごというイメージは強いものの、実はそれだけでは語れないほど、多様で魅力的な果物が育てられています。南部の温暖な気候、津軽の冷涼な気温、豊かな水と土、そして何より果物を愛する生産者たちの情熱。これらすべてが、青森を“フルーツ王国”へと押し上げているのです。
次に青森を訪れたときには、ぜひりんご以外の果物にも注目してみてください。きっと新しいおいしさに出会えるはずです。