【秋田県】だまこもちとは?きりたんぽとの違いや由来を詳しく解説
目次
秋田県にはきりたんぽとよく似ただまこもちという食べ物があると聞くけれど、いまいち違いがよくわからないという人も多いのではないでしょうか。
この記事ではだまこもちの起源から美味しくだまこもちを食べられるレシピまで詳しく解説します。
だまこもちとは?
だまこもちとはうるち米を炊いた後、米粒が少し残る程度にすり鉢でつぶし、直径3cmほどのお団子状に丸めたものです。
だまこもちの名前の由来には、この米をつぶして丸めるという意味の「だま」に感情的な「小さい」「少し」といった意味を表す指小辞の「こ」がついたとする説や、秋田の方言でお手玉を示す「だまこ」から名付けられたとする説など複数あり、正確なことはわかっていません。
だまこもちの起源について
だまこもちの起源には諸説ありますが、代表的なものを2つご紹介します。
つけご料理を起源とする説
秋田県の八郎潟町周辺ではワカサギやシラウオなどの八郎潟で獲れる魚を焼いたものを、鍋に入れて味噌で味を付けた「つけご」という食べ方があり、これにつぶしたごはんを箸で一口大にちぎって浸して食べていた事が起源ではないかとする説があります。
山林労働者のお弁当の食べ方とする説
八郎潟町周辺の山林労働者は、お弁当のごはんを切り株の上に乗せて斧の背でつぶして食べていたため、この食べ方がだまこもちの起源になったとも言われています。
「だまこもち」と「きりたんぽ」の違い
「だまこもち」と「きりたんぽ」にはどのような違いがあるのでしょうか?
表にまとめてみました。
だまこもち | きりたんぽ | |
形 | 団子状 | 棒状 |
焼くかどうか | 焼かない | 焼く |
調理法 | 鍋 | 鍋・味噌つけたんぽ |
よく食べる地域 | 秋田県中央部・能代山本地方 | 秋田県北部 |
きりたんぽはお客様をお呼びした際などの「ハレ」の日に食べる料理で、だまこもちは日常の「ケ」の日に食べる料理というのがありますが、これはだまこもちはきりたんぽと比較すると棒状にして焼くという手順がないため、手軽に作れることからきているものだと考えられるでしょう。
だまこもち鍋の美味しいレシピ
もともと八郎潟周辺の南秋地方の郷土料理であっただまこもち鍋は、ワカサギやシラウオなどの八郎潟で獲れる魚を焼いたものを出汁に使っていましたが、八郎潟が干拓されて漁獲量が激減したことにより、魚の代わりに鶏ガラが出汁に使われるようになりました。
今回はだまこもちを美味しく食べることのできる、鶏ガラのだまこもち鍋のレシピをご紹介します。
材料(1人分)
- 鶏ガラ(100g)
- 水(適量)
- 鶏もも肉(1/2枚)
- せり(1/4袋)
- ごぼう(1/4本)
- ねぎ(1/4本)
- 糸こんにゃく(1/4袋)
- ごはん(1/2合)
- しょうゆ(適量)
- 料理酒(適量)
- みりん(少々)
作り方
- ごはんをすり鉢に取り、すりこ木で粒が少し残る程度につぶし、直径3cm程度の団子状に丸める
- 鶏もも肉、せり、ごぼう、ねぎを一口大の大きさに切る
- 糸こんにゃくをよく洗ってざく切りにする
- 鍋に鶏ガラと水を入れて煮立て、出汁を取る
- 鶏ガラを取り出して、しょうゆ、料理酒、好みでみりんを入れて煮立たせる
- 鶏肉、ごぼうを入れて煮る(火が均一に通るよう、固い具材から入れる)
- 糸こんにゃくを入れて煮る
- だまこもちを入れて煮る
- せりとねぎを入れて煮る
- だまこもちや糸こんにゃくに味が染みてほんのり色づいたら完成
鶏ガラと鶏肉の両方から出汁が出るため優しい味に仕上がります。
市販の鶏ガラスープの素を使用して簡単に作る方法もありますが、美味しさを追求して作るなら丁寧に鶏ガラから出汁を取るのがおすすめです。
最後に
だまこもちは秋田県中央部や能代山本地方などでよく食べられている家庭料理で、きりたんぽと具材はよく似ていますが、きりたんぽはごちそうや振る舞い料理としての意味合いが強く、だまこもちは普段の食事としての位置づけであることがわかりました。
寒い冬に身体のあたたまるだまこもちをぜひ一度食べてみてください。