【秋田県大潟村】大潟村干拓博物館とは?大潟村の歴史について学べる人気スポットをご紹介
目次
秋田県大潟村は湖を干拓して作られた村ですが、どうしてそのような事業が行われたのかよくわからないと感じる人は多いのではないでしょうか。
この記事では八郎潟の干拓事業や大潟村の歴史について学ぶことのできる大潟村干拓博物館についてご紹介します。
大潟村干拓博物館とは?
日本で2番目に大きな面積を持っていた八郎潟はオランダの技術援助を受けて昭和39年に大潟村へと生まれ変わりました。
社会情勢の変化に対応しながらも、大潟村が日本のモデル農村として日本の農業に貢献してきた歴史を学ぶことができるのが大潟村干拓博物館です。
大潟村干拓博物館では八郎潟干拓事業から現在の大潟村について学ぶことのできる常設展示以外にも、羽釜での炊飯体験や、大型重機を動かす体験など、さまざまな体験学習にも力を入れています。
<information>
住所 | 秋田県南秋田郡大潟村字西5-2 |
電話番号 | 0185-22-4113 |
開館時間 | 9:00~16:30(入館は16時まで) |
アクセス | ・JR鹿渡駅から車で15分 |
休館日 | ・4月~9月 毎月第2・第4火曜日 ・10月~3月 毎週火曜日 ・年末年始(12月31日~1月3日) ※火曜日が祝日の場合は翌日が休館日 |
入館料 | ・一般・大学生300円 ・小学生・中学生・高校生100円 |
備考 | ・事前予約にて展示の解説や村内主要施設ガイドを大潟村案内ボランティアより行ってもらうことが可能 |
大潟村干拓博物館ではどのようなことが学べるのか、3つご紹介します。
大潟村干拓博物館で学べること①「八郎潟干拓事業」
海水と淡水が入り交じり70種類以上の魚介類が棲む豊かな漁場だった八郎潟を、戦後の食糧不足解消を目的に国の事業として1957年に着工したのが八郎潟干拓事業計画です。
日本の土木技術を結集し、オランダの技術協力のもと1966年に干拓を行い、引き続き新農村建設事業団の基幹工事を行って1977年3月に八郎潟干拓事業は竣工を迎えます。
852億円という費用を投じて、八郎潟は17,239haの農地を持つ大潟村へと生まれ変わりました。
大潟村干拓博物館ではこの様子をかつての八郎潟の水深についての展示、大型3面マルチスクリーンによるシアター展示などでわかりやすく解説しています。
大潟村干拓博物館で学べること②「ピーター・フィリップス・ヤンセンの功績」
ピーター・フィリップス・ヤンセンは1902年にオランダのドルドレヒトで生まれた技術コンサルタントです。
八郎潟については1954年に現地の視察を行って、干拓計画の概要とその有利性を説いた「日本の干拓についての所見」を政府に提言し、さらに何度かにわたる来日指導によって八郎潟干拓事業計画の進展に貢献しました。
これは1957年に広大な干拓地であるオランダを襲った暴風雨で北海に面した堤防が決壊し、数百人の犠牲者を出してしまったため、その後オランダにおける干拓堤防は全て1,000年に渡りどんな防風雨や荒波にも耐えられる設計が施されるようになったことが背景にあります。
ピーター・フィリップス・ヤンセンは具体的には、次の4つのことを日本の技術者たちに伝えました。
- 計画の基礎になる潮位、雨量などのデータは、「超過確率」という過去の記録をはるかに上回る値を目安にすること
- 妥協をせず徹底した調査結果をもとに科学的に優劣を決めること
- 調査は着工以前も、実施中も、完成後も続けること
- 工事は全て機械で行い短期間に完成させること
また堤防の下5mまでの泥土を取り除き砂と置き換えて2mほどの砂床の上に盛土する、独自のサンドベット工法を考案して地盤の軟弱さを解消しました。
大潟村干拓博物館では、ピーター・フィリップス・ヤンセンの功績と八郎潟干拓事業計画の歴史をパネル展示で見ることができます。
参考:農林水産省「八郎潟干拓『挑戦と変革の物語』のヤンセン」
大潟村干拓博物館で学べること③「大潟村の農業」
大潟村では全国に先駆けて無農薬・有機栽培に積極的に取り組んでいますが、これは大潟村への入植者が全国から選抜された後1年間の訓練を経て入植していて、先進的な農業に理解があることからスムーズに取り組みが進むのでしょう。
例えば大潟村では1980年代半ばにはもう有機農業への取り組みを開始していて、1990年には農薬の空中散布をやめています。
また現在では、エコファーマー制度で水稲や他の農産物における農薬・化学肥料の使用回数と量を20%~30%減らしているのです。
大潟村干拓博物館では、干拓地での先進的な大規模機械化農業という未知の領域に取り組む入植者の方々の様子を模型やジオラマを用いて詳しく解説しています。
まとめ
大潟村干拓博物館は八郎潟干拓事業計画の様子から現在の大潟村における先進的な農業とはどのようなものかまで詳しく、また楽しく学ぶことのできる博物館だとわかりました。
干拓事業や農業について興味のある人は、ぜひ足を運んでみてください。