岩手山は、これまで5回ぐらい噴火をしています。1719年に中腹部からの噴火で、この溶岩流が形成されました。長さは3kmで、幅は1.5kmに及びます。
溶岩流としては比較的に新しい部類に入るために、ほとんど風化が見られません。植物の生育が難しい環境です。
溶岩流が形成された当時のままの状態を見られる極めて希少な場所です。そのため、国の特別天然記念物となっています。
今回は、この「焼走り溶岩流」について紹介していきます。
駐車場から階段を登るとすぐに異様な光景が広がる
八幡平市内から車で10分ほどで、焼走り溶岩流の駐車場に到着します。駐車料金は無料です。
駐車場脇に階段があって、そこを上ると、一面に溶岩流が広がります。辺り一面がゴツゴツとした黒に覆われています。自然の猛威を肌で感じることができます。
真紅のドロドロとした溶岩が走るような勢いで山の斜面を流れ落ちてきたことから、焼走り溶岩流と名づけられました。一面の黒が生きた赤く染まった溶岩だったと考えると、身がすくむほどの圧迫感を覚えます。
岩手山の溶岩流は粘性が低くスピードが速い
地面の黒い熔岩をよく観察してみると、皺がたくさん入っていることが分かります。これが虎の縞のように見えることから、「虎形」と呼ばれています。
虎形は、溶岩の粘り気が非常に小さいことを示しています。ドロドロとした溶岩のなかでも、焼走り溶岩流は比較的にさらっとしていたことが分かります。
だからこそ、焼走りと言われるぐらいのスピードを持って、斜面を駆け下りてきたのでしょう。
孤高の美しさを感じさせる一本松
前述したように、焼走り溶岩流は風化しておらず、黒々として植物が育ちにくい環境となっています。しかし、そんな一面黒に覆われた大地のなかで、猛々しく育つ一本の植物があります。
それが、奇跡の一本松です。植物のない大地にひっそりと独りで佇む姿は、寂しげでもあり、それでいて勇敢で、神々しくも見えます。
松は植物のなかでも生命力が強いといわれています。それを如実に証明しているのが、この一本松です。
焼走り溶岩流についてまとめ
観察路は、ある程度は整備されています。しかし、それでもかなり溶岩のゴツゴツ感が歩いていると感じられます。ですので、ハイヒールやサンダルはNG。トレッキングシューズやスニーカーといった歩きやすい靴で行くようにしましょう。
1kmほどの観察路を進むと、展望台へ到着します。岩手山の雄大な緑を背景に、溶岩流を一望できます。ここにしかない自然の力を感じさせる絶景が広がっています。
INFORMATION
名称 | 焼走り溶岩流 |
所在地 | 岩手県八幡平市平笠第24地割720−2 |
電話番号 | 0195-76-2013(岩手山焼走り国際交流村) |
公式URL | http://www.hachimantai-ss.co.jp/~yakehashiri/kansatu/kansatu.html |
GOOGLE MAP |