青森県八戸地方の「せんべい汁」は珍しくて有名ですが、そこに使われているせんべいが少し変わっています。実は、「おつゆせんべい」というせんべいで、「おつゆせんべい」のメーカーが八戸市内には10社以上もあるというのですから驚きです。

八戸地方や岩手県北地方で有名なのが「南部せんべい」ですが、「おつゆせんべい」というせんべいが売られていることも見逃せませんのでご紹介します。

「おつゆせんべい」は「南部せんべい」とどう違う?

南部せんべい

せんべい汁に使われる「おつゆせんべい」が「南部せんべい」とどう違うのかについて、気になることをご紹介していきます。

「おつゆせんべい」は、「南部せんべい」と同じ見た目ですが、「南部せんべい」よりも原料の重曹が少ないのが特徴。あえて膨らまないような原料で作られ、低温で硬く焼かれます。汁に入れると、ちょうどいい感じに柔らかくなって煮込んでも形が崩れないのが特徴です。

「南部せんべい」のようにゴマやピーナッツなども入っていなく、まさに調理用に作られたのが「おつゆせんべい」と言えます。

不思議な感じの「せんべい汁」はすいとんにも似た感じ!

せんべい汁

「せんべい汁」というと他の地方から見ると不思議な感じですが、この「おつゆせんべい」は餅のような食感にもなり、すいとんにも似た感じになります。小麦粉でつくられているせんべいなので、すいとんに似た感じになるというのも、うなずけるでしょう。

元々の南部せんべいが円形の型に入れて焼くために、まわりに「みみ」の硬い部分ができますが、その「みみ」があるために、煮ても崩れてしまわず少し芯が残る食感になります。柔らかさと、肉のような弾力性のある食感の両方が味わえると言えるでしょう。

八戸地方独自のせんべいを料理に用いる文化

せんべい汁とお椀

「南部せんべい」は八戸地方や岩手県北地方で有名ですが、せんべいを料理に用いるという文化は、青森県八戸地方の独自の文化です。

せんべいを料理に使うのは他の地方からするととても珍しいでしょう。他にも、せんべいを料理に用いる郷土料理としては、赤飯をサンドしたものやせんべいの天ぷらなども珍しいですよ。

赤飯をサンドしたものは、「せんべいおこわ」とも言われ、南部せんべいに赤飯を挟んで食べます。せんべいで挟むことで食べやすくなり、農作業中などに食べられていたと言われています。固いパリパリの南部せんべいが赤飯をサンドすることで、少しもちもちになって、せんべいの塩気と一緒になって美味しくなっています。

また、南部せんべいの天ぷらも珍しいでしょう。小麦粉が原料のせんべいをそのまま天ぷらにして食べ、せんべいの塩気がいい味わいになるものです。作り方は簡単で、せんべいを塩水にくぐらせて少し水分を含ませてからてんぷら粉を付けて揚げます。

そして、青森県の八戸地方では、これに醤油をかけてご飯のおかずにもしているそうです。

元々は、「南部せんべい」は八戸藩の非常食などで用いられ、現在も青森県八戸地方では多く購入されていて、保存性のいい食べ物として料理にも活用されていると言えます。

八戸市内には10社以上のおつゆせんべいメーカーが存在

「せんべい汁」は、最初に効くと意外な料理に思えますが、実際に食べてみると「おつゆせんべい」の弾力がすいとんにも似ていて、「せんべい汁」の鳥のモモ肉や根菜やキノコ類のだしが染みた味わいが堪能できます。

八戸市内には「いずもり」や「たちばなせんべい店」「上舘せんべい店」「矢野煎餅店」「苫米地煎餅店」「元沢煎餅店」「マルサカ煎餅店」など多くの店があります。

「おつゆせんべい」を購入したくなったら、下記の「いずもり」などで試してみませんか。「いずもり」では、「おつゆせんべい」だけとスープも一緒になったセットも購入することができます。八戸の郷土料理のせんべい汁をそのまま味わうことができていいでしょう。

【INFORMATION】

名称    (有)マルコーいずもり(せんべい)本店
所在地 青森県八戸市吹上3丁目2−3
電話番号 0178-22-4064
営業時間 8:30~17:30(日曜定休)
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