【宮城県栗原市】酒蔵御法度のはずの納豆ラベルの日本酒?同郷企業のコラボ商品「特別純米酒 川口納豆」
目次
宮城県を代表する日本酒銘柄の一つ「綿屋(わたや)」。
そんな綿屋を造る金の井酒造が年に一度だけ販売する限定商品があります。その名も特別純米 川口納豆。
…ん?納豆って確か酒蔵の天敵なんじゃ?と日本酒の素人の筆者でもちょっとは聞いたことがある知識が混乱を誘います。今回はそんな特別純米 川口納豆の謎を解明します!
納豆菌は日本酒造りの天敵?
日本酒の酒蔵見学を申し込んだりしたことがある人ならばご存じかと思いますが、一般に納豆菌は酒蔵の天敵といわれています。
日本酒の麹菌(こうじきん)に最適な環境を整えている酒蔵の麹室は、同じ菌類である納豆菌にとっても繁殖しやすい環境です。万が一持ち込まれてしまった場合、爆発的に繁殖し麹室全体を殺菌しなければならなくなるほどだそうです。なので蔵人は酒造り期間中に納豆を食べないと言われています。
その他にヨーグルトに含まれる乳酸菌なども悪影響を与えるとされているので、もし日本酒の酒蔵見学などに行く機会があったら納豆、ヨーグルトなどの発酵食品は見学前日~当日は摂取を控えましょう!
特別純米 川口納豆とは?
まず一番重要な部分、原材料に納豆が使われているわけではありません!
金の井酒造が本社を構える栗原市一迫には有名な納豆の製造会社があります。その名も川口納豆。
つまりこの日本酒は同じ栗原市一迫に居を構える同郷企業のコラボ商品ということになります。しかし同郷といっても納豆と日本酒という天敵同士のコラボレーションなど可能なのか?と思いましたが、そのコラボの正体は…
川口納豆が所有する自社田で栽培された米を原材料として、金の井酒造が造った日本酒
ということなのだそうです。なるほど、それであれば納得です。
川口納豆では本業の納豆製造の他に有機野菜の生産にも取り組んでおり、その中で酒米の「美山錦」や「ササニシキ」を生産。
その米を原料に金の井酒造が製造した日本酒が特別純米 川口納豆で、赤いラベルが「美山錦」を原材料としたもの、黄色いラベルが「ササニシキ」を原材料としたものになります。
強力インパクトのラベルから色物銘柄なのかと思いきや、その正体は地元産の原材料100%使用にこだわった至高の限定銘柄だったのでした。
綿屋 特別純米 川口納豆 美山錦 原酒
川口納豆が栽培した美山錦を100%使用した特別純米酒。甘すぎずしっかりとした旨味を感じる逸品。
金の井酒造の目指す「食中酒を越えた食仲酒」を感じさせる一杯です。赤いラベルは川口納豆のスタンダード商品「国産中粒納豆」をイメージ。
- 原料米:宮城県栗原一迫嶋躰産美山錦
- 精米歩合:60%
- 日本酒度:+5
- 酸度:1.9
- アミノ酸度:1.6
- アルコール分:17%
- 酵母:宮城酵母
綿屋 特別純米 川口納豆 ササニシキ 原酒
ササニシキの濃厚な旨味とすっきりとした酸味が特徴の味わい。美山錦よりもキレを感じる気がしました。
蔵元のおすすめは中華料理とのペアリングとのことですが、個人的には油多めのマグロや寒ブリの刺身を食べながらクイっといきたい味わいでした。
黄色いラベルは川口納豆「宮城県産ひきわり納豆」のイメージ。
- 原料米:宮城県栗原一迫嶋躰産ササニシキ100%
- 精米歩合:55%
- 日本酒度:+5
- 酸度:2.2
- アミノ酸度:1.7
- アルコール分:17%
- 酵母:宮城酵母
まとめ
日本酒なのに「川口納豆」のラベルに思わず目を引かれる変わり種の一品ですが、その確かな美味しさと、一年に一回の限定商品ということから、実はかなりの人気で入手困難な日本酒のようです。
地元産の原材料へのこだわりから製造本数自体もそんなに多くないのかもしれませんね。滅多にお目にかかれないかもしれませんが、見かけたら是非一度味わってみてください。
金の井酒造<Information>
- 名 称:金の井酒造 株式会社
- 住 所:〒987-2303 宮城県栗原市一迫川口町浦1−1
- 電話番号:0228-54-2115
- 公式URL:https://www.kanenoi.co.jp/
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川口納豆<Information>
- 名 称:有限会社 川口納豆
- 住 所:〒987-2306 宮城県栗原市一迫嶋躰小原10
- 電話番号:0228-54-2536
- 公式URL:https://www.kawaguchi-natto.co.jp/