【山形県】さくらんぼ王国山形には「さくらんぼの蜂蜜」があった!新藤養蜂園の「さくらんぼの蜂蜜」とは?
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養蜂業は人里離れたところで行われているものと思い込んでいました。
実は蜂に対してあまりいい感情を持っていなかったので、まさか住宅地の目と鼻の先、そう遠くないところで行われているとは、。
お話を伺おうと今回初めて「養蜂園」を訪ねました。
養蜂業を営んでおられる新藤さんとの出会いは、あるイベントでした。
イベントではこじんまりとしたブースで蜂蜜だけ展示販売されており、紹介の小さなパンフレットに「さくらんぼの蜂蜜」との一文を見つけ気になり質問してみると、山形県オンリーとのこと。
その場で少しお聞きしたのですが、もっと詳しく蜂蜜、しいてはミツバチのことをお聞きしたく後日お宅に訪問させていただきました。
この記事は『新藤養蜂園』さん宅に赴き取材した内容の一部を抜粋執筆しました。
どうぞ最後までお読みください。読み終わる頃には「みつ蜂」が愛しく感じるかもしれません。
山形県だけで作られている「さくらんぼの蜂蜜」を求めて
米沢市内で行われていたイベントに参加されていた新藤養蜂園の新藤万里子さんに、山形だけで作られている「さくらんぼ」の蜂蜜があり、東京のイベントで販売すると即完売になるほど人気があると聞き、もう少し詳しくお話を聞きたく取材の申し込みをしました。
快く了承いただき、お宅(養蜂園)訪問となり大きな木々に囲まれるように点在する養蜂箱に目が釘付けになりながら、お話を伺いました。
養蜂業のきっかけはペットとしての飼育から?
『新藤養蜂園』の創業は、2箱の養蜂箱から始まったそうです。
今回お話を伺った新藤万里子さんの叔父にあたる方が、ある種のペットのような気持からミツバチを飼っていたのが始まりです。
叔父様が体調を崩され亡くなられた後、万里子さんのお父様が蜂を見捨てるのはかわいそうとの思いから約35年ぐらい前に引き継ぎ、現在は息子の兼一さんが後継者となり、姉である万里子さんも共に養蜂業を営んでいらっしゃいます。
2箱から始まった養蜂箱も現時点では50箱超に増え、日々蜂のお世話に奮闘の生活だそうです。
今は、蜂に関われて楽しい『蜂は面白い!システマティックで奥が深い』と話されていました。
蜂蜜の前にミツバチの話をしよう!
蜂蜜の原料である花粉を集めてくるミツバチ、その生活の基盤である巣箱には一匹の女王バチと数千~数万匹の働きバチの集団で形成されています。
女王バチは働きバチの2~3倍の大きな体を持ち、毎日1500個もの卵を産み続けます。そのために働きバチ達は餌となる花粉を命がけで集め運んでくるのです。
女王バチの寿命は働きバチの30~40倍の約4年ぐらい生き、子孫を残します。
1匹の蜂が作る蜂蜜はティースプーン1杯?
せっせと花粉を集め子育てのために働き続ける。その働きバチの一生は40日。
短い命の間に集められた蜂蜜はティースプーン1杯ほどなのです。
その働きバチ達の手助けをして養蜂業者は、花々の開花時期に合わせて巣箱を移動させそれぞれの花の蜂蜜を採取しています。
蜂蜜は味にも個性が!
上の画像は、赤いラベルが「さくらんぼ」青いラベルが「アカシア」の蜂蜜です。いろいろな味を試してみたい方におすすめのミニボトルです。
イベントで販売されていたミニボトル、他にも可愛らしい熊の入れ物、タップリ使えるサイズと3種類のボトルに入ったそれぞれの花から採取した蜂蜜を販売されています。
ミツバチたちが採取する花により蜂蜜の味や色も違いがあるそうです。
後日、『新藤養蜂園』に伺って早速テイスティングをさせて頂きました。
「アカシア」「さくらんぼ」「栗」「ゆりの木」の4種類の蜂蜜を小さなスプーンでそれぞれなめてみたら……目から鱗!蜂蜜って花粉の種類により味も香りも大きく違い驚きました。
まずはポピュラーなアカシアを、癖が強くなく穏やかな甘みでした。
続いてさくらんぼの蜂蜜をひとなめしてみると、ほんのり桜の香り?味覚と香りの相乗効果なのか、桜餅を連想します。
新藤さん宅の敷地内で、今を盛りと咲き誇っていた栗の花粉からできた蜂蜜は、正しく栗!目を閉じて舐めると、マロングラッセ?と勘違いしそうなほどの味と香りです。
栗の蜂蜜は癖が強いけれど、食べ方としてはピッツァに合わせても相性がいい、甘しょっぱさが癖になる美味しさだから是非食べてみてください。
広大な敷地にミツバチの働き場所を提供するために植えられた「ゆりの木」。見上げると別名チューリップ・ツリーと呼ばれる所以の花が咲いていました。
今を盛りと咲いていたゆりの木の蜂蜜は、癖も強くなくサラッとして万人向けと言えます。
新藤養蜂園のミツバチたちが集める花粉は、サクランボ・山桜⇒トチ⇒アカシア⇒栗。ゆりの木と花の開花時期に合わせて移動していきます。
サクランボが結実するためには、花粉の受粉作業が必要不可欠。その受粉作業にミツバチの力を借り、集めた蜜を私たち人間が、お裾分けしてもらう。
上山市と南陽市にあるサクランボ農家さんと農協を介して契約しており、受粉作業の10日間を新藤さんのミツバチが活躍し、集めた蜜が貴重なサクランボの蜂蜜になるのです。
新藤養蜂園の訪問を終えて
万里子さんのお宅の周りは里山の風景が広がり、時のたつのも忘れるほどの心地よい時間が流れていました。
さらに、室内からの眺めは窓辺に可愛らしいツルバラが咲き、小屋に絡んだツタやハニーサックルがまるでイギリスの田舎町の景色に見えるようでした。
ミツバチの一生を聞いた後では開け放した窓からフワッと迷い入ってきた蜂が愛おしく見えてしまうほどです。
東京や海外で暮らしていた万里子さんがUターンしご実家で養蜂業を手伝い、東北の地で仕事と暮らしの両方を楽しまれている秘訣は「ワクワクすること」。
『蜂は面白い!システマティックで奥が深い』最初に聞いたこの言葉が今も脳裏に残っています。
INFORMATION
- お問い合わせ:新藤養蜂園
- 電話番号:090-6458‐282
- e-mail : applehoney2299@gmail.com
今現在「新藤養蜂園」は販売店舗を持たず、卸も行っておりませんので購入は各地域で開催される販売イベントのみでの取扱となります。
販売会など今後の展開はFacebook「新藤養蜂園」にてご確認ください。