【青森県下北半島】仏ヶ浦は神が降り立つ景勝地!不老不死の水を手に入れよう
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青森県の下北半島には、仏ヶ浦(ほとけがうら)という大きな奇岩が立ち並ぶ景勝地があります。非常に不思議な光景で、神秘的です。奇岩の群れが海岸線約2kmにわたって続いています。
一度は行ってみたいスポットです。今回は、この仏ヶ浦について解説していきます。
仏ヶ浦ってどんな場所?
仏ヶ浦(ほとけがうら)は、数百万という膨大な年月をかけて、隆起や風化を繰り返し、摩訶不思議なフォルムに成形されてきました。その佇まいはどこか荘厳で、仏のようにも見えることから、仏ヶ浦と呼ばれています。
まるで別の惑星に降り立ったかのような、現実離れした感覚を味わえるスポットです。ファンタジー小説で人気のある『精霊の守人』が、ドラマ化されるにあたって、そのロケ地に使用されました。原作ファン、ドラマファンの聖地としても知られています。
仏ヶ浦へのアクセス
仏ヶ浦へのアクセスは、車+徒歩か、船や電車を利用します。
車+徒歩
車では、アクセスに時間がかかることを覚悟しましょう。青森市から片道で5時間くらいかかります。
国道沿いの駐車場から、遊歩道に沿って仏ヶ浦へ降りていきます。高低差は約100mです。スニーカーなど歩きやすい靴で行くようにしましょう。
車+船
青森県野辺地町からだと、国道279号(はまなすライン)に入ります。その後、むつ市や風間浦村を通って大間町に出ます。
大間町で国道338号(海峡ライン)を使います。佐井村の佐井港まで進みます。約1時間20分ほどです。ここから船で仏ヶ浦へ向かいます。
電車+船
JR大湊線「下北駅」で降ります。下北交通バス「佐井」行に乗って終点の「佐井」まで行きます。大体2時間くらいかかります。
佐井港に着いたら、仏ヶ浦観光船に乗ります。乗船時間は約30分です。
積雪期間はアクセス不可
仏ヶ浦へは、実質的に春から秋ごろまでしか行けません。雪が積もっている時期だと、観光船の営業がお休みになります。また、徒歩で向かおうとしても、遊歩道が通行止めになります。
奇岩には名前がついている
仏ヶ浦の奇岩の一つひとつには、名前がつけられています。たとえば、蓮華岩、地蔵堂、極楽浜、一ッ仏、 親子岩、十三仏、観音岩、天竜岩、如来の首、五百羅漢などです。
どれも仏教や浄土を感じさせる名前です。これらの奇岩を全て合わせて、仏ヶ浦と呼ぶわけです。
観光船でアクセスすればガイドがつく
観光船で行くと、奇岩についてガイドが色々と解説してくれます(15分くらい)。それこそ、先のそれぞれの岩の名前や特徴を教えてくれるので楽しめます。
特徴的な形をした奇岩たち
鳥のような形をした「岩竜岩」が恰好良くて人気です。
梟のように見える「観音岩」も良い感じです。
「如来の首」という岩は、ひょうたんが直立しているような形ですが、仏の横顔に見えるということで、その名がつけられました。
「蓮華岩」はその名の通り、蓮の花のような形です。
「蓬莱山」という岩は、縦に無数の亀裂が入っているのが特徴です。
仏ヶ浦を周知させた文豪・大町桂月
明治の有名な文豪に、大町桂月という人がいます。この方の文学碑もあります。桂月はこの地について歌を詠みました。
「神のわざ 鬼の手づくり 仏宇蛇(仏ヶ浦のこと) 人の世ならぬ 処なりけり」
という歌です。桂月が感じたように、確かに仏ヶ浦の岩の数々は、人間の所業とは一線を画した神の御業、鬼の手作りだと感じさせます。
また、「人の世ならぬ 処なりけり」というように、現世の雰囲気と違う、静謐さと異様なオーラが漂っています。この歌によって、世に広く今の仏ヶ浦が知られました。
仏ヶ浦の習わし
海岸には、いくつかお地蔵様が据えられています。仏や地蔵菩薩にあやかって、毎年7月「仏ヶ浦まつり」が開かれています。女性が十三仏のご詠歌を唱える風習が残っています。地元には、亡くなった人はこの仏ヶ浦から浄土に旅立つという言い伝えがあります。
仏ヶ浦のマル秘スポット「極楽浜」と不老長寿の水
あまり知られていない隠れスポットとして、仏ヶ浦には極楽浜という場所があります。極楽浜は、奇岩と奇岩の隙間にぽっかりとできた、極小の浜のことです。
極楽浜へは、潮溜まりを足を濡らしながら行かなければなりません。普通にスタスタ歩いて行ける場所ではないだけに、躊躇される方もいます。
しかし、極楽浜には「不老長寿の水」が湧き出ています。その水は氷のように非常に冷たく、キーンとした味わいです。雪解け水が少しずつ岩の隙間から流れ出ています。
この存在を知っている方は、あらかじめ空のボトルを用意しておいて、水を入れて持ち帰ります。仏ヶ浦に上陸した際には、ぜひ極楽浜に入って、神聖な水に舌を湿らせましょう。
仏ヶ浦についてまとめ
仏ヶ浦は、ジオパークとして国定公園に指定されています。自然保護の事情もあって、飲食物の売店が一切ありません。特に足場の悪いところを歩いたり、船でなくて駐車場から徒歩で向かう場合には、高低差の激しい階段を上り下りしなくてはなりません。
水分が欲しくなったりお腹がすくことが充分に考えられます。必ず飲食物の準備をして向かうようにしましょう。もちろん、持参した食べ物から出たゴミは持ち帰る必要があります。
美しい景観のなかで、整然と聳える奇岩の連鎖を、ぜひその目に焼き付けに行きましょう。
仏ヶ浦<Information>
- 名 称:仏ヶ浦
- 住 所:青森県下北郡佐井村長後縫道石地内
- 電話番号:0175-38-2111(佐井村役場)
- URL:佐井村役場HP – 仏ヶ浦