【山形県】花笠音頭とは?概要からおもしろエピソードまで詳しくご紹介
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賑やかな尺八、三味線、太鼓などの伴奏と「ヤッショ、マカショ」の囃子言葉が印象的な花笠音頭は、毎年8月5日~7日の間に行われる山形花笠まつりで披露される民謡として有名です。
この記事では花笠音頭とは何かから、花笠音頭にまつわるおもしろいエピソードまで詳しくご紹介します。
花笠音頭とは?
花笠音頭とは山形県内で主に行われる花笠まつりで演奏される民謡で、1938年ごろ、山形市在住の民謡家有海桃舟氏が、弟子の伊藤桃華氏が覚えていた「櫓胴突き唄」の節をそのまま前半部分に用い、後半部分は桃舟氏が考案したのを、弟子の堀江反治氏が伴奏をつけて演奏したのが始まりです。
花笠音頭は花笠を手にした女性が踊ることが多く、振り付けも地域別に10種類程度ありましたが、1999年に比較的豪快な動作を盛り込んだ標準振り付けが制定され、その特徴から現在は男性の踊り手が増加してきています。
花笠音頭にまつわるおもしろいエピソード
花笠音頭に関するおもしろエピソードを3つご紹介します。
【花笠音頭にまつわるおもしろエピソード①】三橋美智也さんがミリオンセラーを達成
昭和時代にミリオンセラーを30曲も生み出した歌手の三橋美智也さんは、民謡では12曲でミリオンセラーを達成していますが、その中でも花笠音頭を270万枚の大ヒットに導いているのをご存知でしょうか。
三橋美智也さんの残した音源を聴いてみると、声から笑顔が想像できるような「笑声」を織り交ぜ花笠音頭の持つ明るさやテンポの良さを大切にしながら歌っているように感じます。
三橋美智也さんというとお菓子の「カール」のCMソングだった「いいもんだな故郷は」の歌声を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、花笠音頭も必聴の1曲です。
【花笠音頭にまつわるおもしろエピソード②】若松寺のムカサリ絵馬
花笠音頭の最初の歌詞に登場する「若松さま」とは、山形県天童市にある鈴立山若松寺を指すと言われています。
花笠音頭の歌詞の雰囲気そのままに縁結びの若松観音さまが祭られていますが、若松寺には1898年に奉納されたものを皮切りに1300個ものムカサリ絵馬が奉納されていることでも有名です。
ムカサリとは「迎える」「去る」という言葉がなまったとされる説や「嫁に出た娘が去る」という意味とする説などがありますが、山形県では婚礼を意味する方言です。
このことからムカサリ絵馬には結婚せずにこの世を去った子供のために死後婚(冥婚)の様子を描き、奉納するのですが、生きている実在の人物の名前や肖像を使うとその人が死者に連れていかれてしまうためタブーとされています。
明るい花笠音頭の雰囲気とは対照的な、ミステリアスなエピソードだと言えるのではないでしょうか。
参考:若松寺「むかさり絵馬」
【花笠音頭にまつわるおもしろエピソード③】介護予防のために踊られている
花笠音頭は介護予防の体操としても踊られています。
音楽健康指導士の馬場田晃一さんは、筋力低下や運動不足の解消を目的として、花笠音頭を用いた介護体操を考案しました。
山形県新庄市にある有料老人ホーム「ケアホームカナン」は馬場田さんを中心に音楽レクリエーションに力を入れている施設として有名ですが、ここで実践した花笠音頭を用いた介護体操の様子はYouTubeで1万3千回も再生されているのです。
入居者の方々が花笠音頭の衣装を身に着け、楽しそうに踊る姿からは心温まるものを感じさせられます。
まとめ
花笠音頭とは山形県内で主に行われる花笠まつりで演奏される民謡ですが、1999年に振り付けが統一されたことにより老若男女問わず、幅広く踊られていることがわかりました。
夏の山形に足を運ぶ際は、ぜひ花笠まつりにも参加してみてください。