五重塔

山形の出羽三山といえば、羽黒山・湯殿山・月山を指します。この三山は、全国でも有名な修験の場所です。

その中核は、三山の神様を祭った出羽神社の社殿を持つ羽黒山(標高414m)です。参道には国宝に指定された五重塔を持ち、2446段の石段や杉並木も特徴的で広く知られています。

今回は、この山形を代表するパワースポット・羽黒山を紹介していきます。

門の先は神の聖域

ひとたび随神門をくぐれば、山の神の領域に足を踏み入れます。その参道には、樹齢500年ともいわれる杉林が広がっています。燐とした雰囲気が辺りを包み込み、静寂とともに大きな力が感じられます。

祓川

参道を少し進むと、鮮やかな赤い橋がかかった祓川(はらいがわ)が見えてきます。ここは、かつて水垢離(みずごり。神に祈願するために冷水で身を清めること)が行われた場所です。

確かに、その清らかで厳かな川の流れを見ていると、一切の穢れが落ちていきそうな感覚に捕らわれます。

 爺杉

祓川を越えると、「爺杉」が姿を現します。この杉は、500本以上ある杉の代表格です。樹齢1000年に及ぶといわれています。

胴囲10mの巨木で、天然記念物に指定されています。昔は婆杉もありましたが、暴風で倒れてしまい、今ではこの爺杉だけが残っています。

五重塔

ほどなくして五重塔がお目見えします。600年前に建造された、東北最古の塔です。

杮葺(こけらぶき。板葺のこと。日本では伝統的文化財によく使用されている)、素木造り(しらきづくり。木材だけで建設されている。漆や朱塗りによる装飾がない)の堂々たる佇まいです。

高さは29mです。周りの高い杉に囲まれて、高さはそれほど感じませんが、存在感は圧倒的です。

夜間参拝ではライトアップされた姿が見られる

五重塔は、夜間参拝もおすすめです。夏~秋にかけての期間限定で、夜間参拝が可能になり、ライトアップがなされます。闇のなかに優しい光で浮かび上がる五重塔は、昼間とはまた違った荘厳なオーラに包まれます。

2018年は7月14日(土)から10月28日(日)までの土日祝を含む39日間限定で開催されます
(羽黒山観光協会 http://hagurokanko.jp/information/76-information/762-7142018.html
pdfチラシ:http://hagurokanko.jp/images/haguro/%E4%BA%94%E9%87%8D%E5%A1%94%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%972018.pdf)。

今年のテーマは「家族」とされていて、夜の参道を提灯を片手に歩いて五重塔へ向かいます。夜間参拝には協力金として1人につき300円~が必要になります。

時期により多彩なイベントを実施

行く時期によって、異なる催しがなされています。たとえば、8月のお盆には夜間参拝限定の御朱印を手にすることができます。10月後半は神橋~五重塔まで「レインボーロード」が延びます。

2018年限定の五重塔の内部見学

夜間拝観は毎年ありますが、2018年だけのイベントがあります。それは、五重塔の特別拝観です。国宝として五重塔の内部は秘中の秘とされてきました。

しかし、天皇陛下の御在位30年、三神合祭殿の再建200年を記念して、特別に中に入ることができます。平成30年4月28日~11月4日の期間限定です
(羽黒山観光協会 http://hagurokanko.jp/information/76-information/754-2018-04-05-07-01-32.html pdfチラシ:http://hagurokanko.jp/images/haguro/%E5%87%BA%E7%BE%BD%E4%B8%89%E5%B1%B1%E7%A5%9E%E7%A4%BE%E5%BE%A1%E9%96%8B%E5%B8%B3.pdf)。

羽黒三所大権現の拝観

三神合祭殿は火災に遭ったのち、文政元年(1818)に再建されました。今後の火災に遭わないように、山麓天和村の又兵衛が所有していた羽黒三所大権現の仏像5体が献納されました。

この仏像たちも、羽黒山頂儀式殿で拝観することができます。期間は、五重塔の特別拝観と同じです。拝観料は五重塔のみで500円、羽黒三所大権現も合わせた共通券が700円です。

参道はかなりきついので引き返すのもあり

五重塔へは、随神門から10分程度で到着します。ルートとしては、ここから山頂まで参道を歩くコースと、随神門まで引き返して、そこから車で山頂まで行く方法があります。

五重塔から山頂まで、約1時間かけて石段を登ることになります。もしあまり疲れたくない、ということであれば、引き返すのがおすすめです。

山頂までの道のり

急な3つの坂

山頂までは、一の坂、二の坂、三の坂と呼ばれる3つの急な坂があります。ここの参道は、有名なフランスの旅行ガイドである「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三ツ星に認定されています。

参道は全長1.7kmで、2446段の石段になっています。この石段には、盃や蓮の花、ひょうたん、などの画が全部で33個彫られています。そのうちの18個を見つけた人は、願いが叶うという言い伝えがあります。探しながら歩いてみましょう。

一の坂、二の坂を上っていくと、自然と汗が頬を伝ってきます。二の坂は、「油こぼしの坂」ともいわれています。

これは、弁慶があまりの勾配に持っていた油をこぼしてしまったことから伝わっています。それだけ急ということです。頑張りましょう。

二の坂茶屋が参拝者の身体と心を癒す

二の坂を上りきると、「二の坂茶屋」が建っています。ここでひと息ついて、頂上を目指すのが良いです。

茶屋の人気メニューは、きなことあんこの力餅と抹茶のセット(税込500円)です。地産のきなこと手作りのあんこを纏った餅は最高です。疲れた身体にエネルギーを与えてくれます。

餅はここでついているので新鮮です。切り盛りしている高齢の女性は、毎日思い餅米などを担いでこの急な坂を上ってきているそうです。

夏バテなどでお腹がすいていなくて餅は入らない、という人も結構います。そういった人には、やはり地元の寒天を使ったところてんがおすすめです。冷たいお茶とともに提供されて、つるっと食べることができます。

かき氷も振舞ってくれます。外の席からは庄内平野の雄大な景色を眺めながら食べることも可能です。

参拝者にはなくてはならないかけがえのない場所です。お店の人への感謝も尽きません。

INFORMATION

名称 二の坂茶屋
所在地 山形県鶴岡市羽黒町手向73-1
電話番号 0235-62-4287
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三の坂途中には縁結びの神社が

この茶屋までが大体30分くらいです。あと三の坂を上りきって山頂まで30分ほどです。三の坂は、二の坂ほど急ではない代わりに、距離が長いです。じっくりと上りましょう。

三の坂の途中に、縁結びの神社「埴山姫神社」があって、特に女性たちから人気を集めています。イザナミノミコトの糞から誕生したハニヤマヒメノミコトという土の神を祀っています。

土の神なので、本来的には粘土や陶土、そして田畑の土壌を司っています。豊穣を祈って参拝する人も多い神社です。

しかし、今では広く土から物を生み出す、ということに着目して、安産を始めとして恋愛成就の神として知られています。ここに参拝するためだけに、急峻な坂を上る女性も増えています。

山頂に佇むのは立派な「三神合祭殿」

最後の三の坂を上りきれば、山頂に到着します。視界に大きく空が開けます。目の前には、月山・羽黒山・湯殿山の神様が集う三神合祭殿が鎮座しています。

苦しい思いをして上がってきただけの甲斐はあります。長い石段から参道は、産道ともいわれていて、行者の生まれ変わりの道でもありました。

参道を歩ききって、三山の神に合掌すれば、新たな自分を知るきっかけになるはずです。

合祭殿の目の前にある鏡池は、神秘の池として、古来から羽黒信仰の中心でした。こちらへ向かって手を合わせるのもご利益があります。

恋愛祈願ならお守りを忘れずに

社殿の横には、参集殿というお守りなどの販売所があります。ここで、縁結びのお守り(1000円)を買うことができます。

このお守りの赤い紐を、先に紹介した「埴山姫神社」の格子に結びつけるのが慣わしになっています。恋愛成就、安産などを希望する人は、忘れずに買って、帰りに結んでおきましょう。

羽黒山の山岳修験についてまとめ

修験者には、山伏と呼ばれる人たちがいます。山伏は、山に入ってその霊力を身に付けるために修行をします。山伏にとって山に入ることは、いったん死の世界に入ることを意味します。

そして、修行から復帰すると、また生の世界に戻る、つまり生まれ変わるわけです。そういった山岳修験の中心とされているのが、今回紹介した羽黒山です。

羽黒町観光協会にお願いすると、実際に山伏による案内を得ながら、修験者さながらに登ることも可能です。また、山伏体験教室も実施されています。
山伏体験は白い装束に身を包み、滝行も行うなど本格的です。興味がある方は、羽黒町観光協会まで。

INFORMATION

名称 羽黒町観光協会
電話番号 0235-62-4727
公式URL http://hagurokanko.jp/shiru/yamabushisyugyou/taikenjuku.html

INFORMATION

名称 羽黒山
所在地 山形県鶴岡市羽黒町手向
電話番号 0235-62-2355(出羽三山神社)
公式URL http://www.dewasanzan.jp/
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