【秋田県】おすすめローカル鉄道路線4選!バラエティに富んだ秋田の地方路線

秋田県内を走るローカル線には、ご紹介する路線のほか岩手からの花輪線・北上線もあり、さらに2本のJR本線とミニ規格で踏切や単線の新幹線など、さまざまな路線があります。


ローカル線の定義とは?

広い意味では乗客が少ない地方の鉄道路線を指しますが、ここでは次の基準で選びました。

  • 単線で乗客が少なく、廃線の可能性大
  • SLや観光列車があり、映え写真の撮影スポットが多い

なお、2県にまたがる路線は起点がある県のローカル線としました。


JR五能(ごのう)線(東能代駅~川部駅:43駅147.2Km)

2021年に引退した五能線普通列車(キハ40・48形)
2021年に引退した五能線普通列車(キハ40・48形)

終点は五所川原駅ではなく、田舎館(いなかだて)村の川部駅です。

能代と五所川原から奥羽本線と接続する能代線と五所川原線が建設され、両線が延伸されて結ばれました。運転は深浦駅で区分されますが、全線直通の快速列車があり、川部駅から先は全列車が弘前駅まで乗り入れます。

JR五能線のおすすめポイント!

バスケットが盛んな能代では駅のホームにバスケットゴールがあります。また、車窓のみどころは日本海の夕焼けで、刻々と幻想的に変化する日本海の空色を楽しめます。


十二湖と白神山地(十二湖駅)

白神山地は青森と秋田県境の山岳地帯の総称で、ブナを中心とした原生林が世界的に希少で、1993年12月に日本初の世界遺産となりました。

十二湖(白神山地)
十二湖(白神山地)

十二湖は33の小さな湖沼からなり、その中の青池は、美しいコバルトブルーの水面です。

十二湖<Information>

  • 名  称:十二湖(白神山地)
  • 住  所:〒038-2206 青森県西津軽郡深浦町松神
  • 電話番号:0173-77-2138(十二湖ビジターセンター)
  • 公式URL:十二湖森の会

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リゾートしらかみ

秋田駅から弘前駅(1往復)と青森駅(2往復)を、4~11月はほぼ毎日、冬季は青森便のみ週末や祝日に運行されます。

HB-E300系 「橅(ぶな)」編成
HB-E300系 「橅(ぶな)」編成

低床で大きな車窓の2+2の指定席とフルフラットの4人用ボックス席があり、両端の展望室スペースでは、津軽三味線生演奏や津軽弁語り部などのイベントが催されます。

車両は「青池」、「橅(ぶな)」、「くまげら」の3タイプで、内装に沿線の木材がふんだんに使われています。

リゾートしらかみ<Information>


JR男鹿(おが)線(追分駅~男鹿駅:9駅26.4km)

普通列車が15往復のみで、追分駅から先は奥羽本線を秋田まで乗り入れる生活路線です。

JR男鹿駅

赤と青の「なまはげカラー」の2両編成の列車が走り、奥羽本線秋田駅から追分駅間を含む秋田駅~男鹿駅間には「男鹿なまはげライン」の愛称が付けられています。

JR男鹿線のおすすめポイント!

線路が海岸から遠く、車窓から海が見えるポイントは少ないですが、男鹿のシンボルの寒風山や、八郎潟と日本海を結ぶ船越水道の鉄橋などがみどころです。


道の駅おが(男鹿駅)

駅近くの道の駅は「なまはげの里オガーレ」として、観光と地域活性化の拠点です。

道の駅おが (なまはげの里オガーレ)
道の駅おが (なまはげの里オガーレ)

「おがジェラート」で白桃ソフトを味わい、「秋田犬ふれあい処」で秋田犬と遊び、船着き場からは遊覧船「澄海(すかい)Ⅱ」で男鹿湾クルーズを楽しめます。

道の駅おが<Information>

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蓄電池電車EV-E801系「ACCUM(アキュム)」

全国的に珍しい「交流用一般形蓄電池駆動電車」で、奥羽本線の電化区間では架線からの電気を使い、追分からの非電化区間は充電した蓄電池で走る、オール電化の地球環境に優しい車両です。

蓄電池電車EV-E801系「ACCUM」(アキュム)
蓄電池電車EV-E801系「ACCUM」(アキュム)

2021年のダイヤ改正以降、全ての列車が蓄電池電車EV-E801系「ACCUM」(アキュム)により運行されています。


秋田内陸縦貫鉄道秋田内陸線(鷹巣駅~角館駅:29駅94.2km)

「スマイルレール秋田内陸線」の愛称で県北部の山間を走り、急行列車もある第3セクター方式の路線です。

大又川橋梁を渡る秋田内陸縦貫鉄道 観光列車「笑 EMI」AN-8900形・8905号車(秋田県北秋田市)
大又川橋梁を渡る秋田内陸縦貫鉄道 観光列車「笑 EMI」AN-8900形・8905号車(秋田県北秋田市) 著作者:Wc018 , CC 表示-継承 4.0 出展:Wikipedia

鷹巣(たかのす)駅と角館(かくのだて)駅は、それぞれJRと駅舎と改札も別です。

ただホームはつながっていて、そこから乗り換えできることがあります。

秋田内陸縦貫鉄道のおすすめポイント!

秋田で狩猟人のことを「マタギ」と呼びますが、沿線の阿仁(あに)地方は「マタギ発祥の里」としてその文化を残しています。


打当(うっとう)温泉マタギの湯(阿仁マタギ駅)

阿仁マタギ駅から車で5分ほどの温泉旅館で、マタギ資料館が併設され、熊鍋などの深山料理と「マタギの夢」と名付けられたドブロクを味わえます。

阿仁マタギ駅
阿仁マタギ駅

打当温泉 マタギの湯<Information>

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ライブトレイン

秋田内陸線のイベント列車で、地元農家のおふくろ料理を味わう「ごっつお玉手箱列車」や、地元食材による「秋田フレンチトレイン」など、様々なイベント列車が企画されています。

秋田内陸縦貫鉄道「ライブトレイン」のツアーサイト
秋田内陸縦貫鉄道「ライブトレイン」のツアーサイト

秋田内陸縦貫鉄道<Information>


由利高原鉄道鳥海山ろく線(羽後本荘駅~矢島駅:12駅23.0km)

山形県との境にある鳥海山のふもとを走る、地域生活に根差した「おらほ(私たち)」の鉄道です。

由利高原鉄道鳥海山ろく線 YR-3000形(YR-3002)
由利高原鉄道鳥海山ろく線 YR-3000形(YR-3002)

月替わりのイベント列車企画がなどがあり、観光ローカル線としても人気の路線です。

由利高原鉄道<Information>

リンク:由利高原鉄道公式HP

由利高原鉄道鳥海山ろく線のおすすめポイント

12駅それぞれに趣があり、田園にポツンとある無人駅や簡易郵便局と一体の駅、木のおもちゃで遊べる駅など、降り立ちたくなる駅ばかりです。


前郷(まえごう)駅

今や日本に3路線しかないタブレット閉塞とスタフ閉塞の単線で、前郷駅ではタブレット交換とスタフ交換を見ることができます。詳細は由利高原鉄道の公式サイトに詳細な解説ページが存在します。

リンク:由利高原鉄道公式HP – タブレット閉塞、スタフ閉塞

前郷駅<Information>

  • 名  称:前郷駅
  • 住  所:秋田県由利本荘市前郷家岸68
  • 電話番号:0184-53-3436

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おばこ号

開業時に公募で選ばれた、鳥海山ろく線を走る全列車の愛称です。

ちょうかいおもちゃれっしゃ「なかよしこよし」(YR2001号車)
ちょうかいおもちゃれっしゃ「なかよしこよし」(YR2001号車)

「秋田おばこ」姿のアテンダントが乗務している「まごころ列車」や、おもちゃがたくさんあって子どもが喜ぶ「おもちゃ列車」などがあります。

リンク:由利高原鉄道公式HP – 秋田おばこ姿の列車アテンダント


そのほか秋田で乗っておきたいローカル線

秋田県内の奥羽本線と羽越本線にもそれぞれ単線区間があり、ローカル線気分を味わえます。

田沢湖線(大曲駅~盛岡駅:17駅75.6km)

生活路線としての需要があり、秋田新幹線の標準軌専用車両が導入されました。

田沢湖線専用の701系電車
田沢湖線専用の701系電車

沿線には岩手県の小岩井牧場、田沢湖、角館武家屋敷などの観光スポットがあります。


まとめ

ミニ新幹線の秋田新幹線は、在来線を走るため、最高速度130kmの「新幹線のローカル線」です。

なお、2022年8月の大雨災害により、奥羽本線・五能線・秋田内陸縦貫鉄道・花輪線などが9月11日現在不通となっていて、復旧が待たれています。


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