【山形県米沢市】上杉鷹山が雨乞い?米沢愛宕神社は境内に芸能神社も。背景にはあの大物喜劇役者が!

山形県米沢市には創建がとても古く由緒のある「愛宕神社」があります。

愛宕神社は市内でも特に近隣地域住民からの信仰が厚く、毎年決まった月日の参拝や祭りなどが催されています。

地域住民から敬い愛されている愛宕神社の境内に芸能の神様が祭られていると云うのです。しかも、その神社創建にまつわる話が有名な喜劇役者と関連しているそうです。

この記事では愛宕神社についてと、芸能の神様が祭られている「芸能神社」についてご紹介していきます。


芸能の神様?芸能神社とは

米沢市内西の方に向かい集落を抜け、小高い山(愛宕山)に向けて進むと登山道入り口に「日本芸能神社」ののぼりが数本立っていて、スムーズにたどり着けました。

2段構えになっている石段を上るとこじんまりとしたお社と社殿前に狛犬さんが鎮座して、穏やかで静かな雰囲気を醸し出しています。

芸能神社というので何となくもう少し存在感が前面に出ているような感じを想像していたのですが、静かで穏やかな感じのする場所でした。

お社の周りは広々としていて、その周りは木々に囲まれ静寂な空気に包まれおり、シンプルで居心地の良い空間でした。


芸能神社が祀られた経緯は?

元は東京中野区にあった江戸時代の神殿を米沢市出身の画廊商「木村東介」が、米沢市発展に貢献できればと、芸能神社(祭神 :アマノウズメノミコト)として寄贈したと云われています。

木村氏の想いに喜劇役者で有名な「伴淳三郎」が同じく郷里のためにと賛同し、愛宕神社境内に社が鎮座することになったそうです。

芸能神社に祭られている『アマノウズメノミコト』とは日本最古の踊子と伝えられています。

『アマテラスオオミカミ』が天野岩戸に隠れてしまわれたとき、戸の前で『アマノウズメノミコト』が踊りを披露したことで、無事戸を開けることに成功したと日本神話で語られています。

神々をも魅了する踊子であったとすることから芸能、芸事の神とあがめられる所以となった伝えられ、伝統文化を含めた芸能活動にご利益があるとして、ダンスや演劇に関わる人が参拝に訪れているそうです。

最近では、米沢市出身の平塚千瑛(俳優・モデル)さんが参拝したことでも注目されました。


神様を守護する狛犬がとても可愛らしい

小さなお社ですが、狛犬さん「あ・うん」に守護され静かに佇んでいます。

神社を訪れると手前に狛犬が門番のように設置されています。

こちらの芸能の神が祭られているお社前にも狛犬が訪れる人を迎えるようにたたずんでいました。
対で設置されているのは夫婦の狛犬『あ・うん』と云われています。

神殿に向かって右側の「あ」は子供の狛犬を守るように抱いていました。子どもの狛犬も甘えるように見上げている姿がとても愛らしく、なんとも優しい気持ちにしてくれました。

神殿に向かって左側の「うん」は右手に玉を抑え堂々としているのですが、表情が優しく愛らしくも見えます。

思わず可愛い!と声が漏れてしまいました。


狛犬(こまいぬ)とは、獅子に似た日本で、想像上の生物とされる。として神社寺院の入口の両脇、あるいは本殿・本堂の正面左右などに一対で向き合う形、または守るべき寺社に背を向け、参拝者と正対する形で置かれる事が多く、またその際には無角の獅子と有角の狛犬とが一対とされる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

犬と言っても片方(正確には右側と云われている)は獅子で対になっている左側が狛犬とされているようです。

いずれにしても雄と雌で一対になって『邪気を払い、神前を守護する』霊獣なのですね。


愛宕神社の歴史やご利益について

米沢市遠山地区にある愛宕山の山頂に祭られている愛宕神社は、、火の神としてあがめられている『カグツチノミコト』を祀っています。総本社は京都市右京区嵯峨愛宕町の愛宕神社です。

米沢の愛宕神社は近隣に住まう氏子からの熱い信仰は無論ですが、広く市内全域からも愛されている神社だそうです。

7月30日夜半過ぎから氏子などが愛宕山目指し早朝登山をし参拝します。この日に参拝することで1年分のご利益を授かれるとあって、早朝登山詣でに参加する市民も多くいるそうです。


また、8月1日は「愛宕の火まつり」が行われ、早朝登山から祭りは始まっており夜まで続きます。

松明行列と山頂まで夜に歩く「神輿渡御」の勇壮な姿は圧巻です。


米沢藩主「上杉鷹山」が直々に雨ごい?

多くの市民から敬われている米沢藩主「上杉鷹山」は干ばつの際に、農民の苦しみを思い自ら雨乞い祈願に訪れたと伝えられています。

雨乞いは功を成し、慈雨に恵まれたと伝えられています。

干ばつで苦しんでいる農民のためを思い、神社に自ら足を運び雨乞いを行うなんてすばらしいお殿様です。現代までも市民から敬われ愛され続けているの理由がわかりますよね。


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まとめ

上杉鷹山公が直々に雨乞いをして、慈雨を得ることができたとの言い伝えがある愛宕神社。

その境内に芸能神社があることを知りリサーチに向かい、愛宕山の山道を行かなくてはならないと覚悟したのですが、車で少し上がった地蔵園駐車場から、石階段を上った先に狛犬に守られるようにお社が鎮座していました。

可愛らしささえ感じる狛犬に迎えられ、涼やかな空気を浴びていると何とも穏やかな気持ちになることができ、振り返ると眼下に米沢市内が望め、眺望にも癒されました。

東北には小さいけれど、云われのある神社仏閣が多くあります。普段歩かないようなところにも歴史あるスポットが身近に潜んでいるかもしれません。ぶらっと散策もおすすめです。


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