【青森県】冬に食べたい青森県の郷土料理2品「けの汁」と「たらの子和え」の由来やレシピのご紹介。

青森県には郷土料理がたくさんありますが、冬にまつわる料理に「けの汁」、「たらの子和え」があるのをご存知でしょうか?それぞれの郷土料理のルーツやレシピなどをご紹介します。

けの汁の由来

名前の由来は、青森の方言では「粥(かゆ)」のことを「け」と言うことから、「粥の汁(かゆのしる)」が訛って「けの汁」になったと言われています。


米が貴重だった時代に野菜などの具材を細かく刻んで煮込み、米に見立てて食べたという説、戦国時代に兵士があり合わせの野菜に大豆をすりつぶしたものを加え煮て食べたなど諸説あります。


元々は小正月の料理で、お正月に来客の対応や家族の世話に追われたお嫁さんが小正月に実家に里帰りする際、残る家族のために作り置きして行ったとされ、栄養豊富な保存食として重宝されました。
また、小正月に食べる津軽の精進料理として「つがるの七草がゆ」と呼ばれることもあり、7種の具材に限定して作る地域もあります。


平成15年に、けの汁の地元への普及や啓蒙を展開する目的で「津軽けの汁保存会」が設立されました。

けの汁はどんな料理?

大根、人参、ごぼう、わらび、フキ、高野豆腐、油揚げなどをサイの目に細かく刻んだものを柔らかく煮込み、大豆をすりつぶした「ずんだ」を加え味噌などで味付けしたものです。
けの汁はたっぷりの具材を使用することが特徴ですが、それぞれの地域や家庭で使用する具材や味付け、切り方が違い、それぞれの「家庭の味」があります。
大鍋に大量の具材を煮込み、小鍋に移して何度も温め直して数日に渡って食べ、温める度に味わいが深くなるのが、けの汁の魅力です。

けの汁用の水煮パックがスーパーで売られている

けの汁は、たくさんの具材を細かく刻む必要があり手間がかかるため、けの汁を作る家庭が減ってきました。
しかし近年では、野菜や山菜が細かく刻まれたけの汁の具材が水煮パックになってスーパーで売られるようになりました。

こちらの水煮パックを使用すると手間なく簡単にけの汁を作ることができます。

けの汁レシピ

けの汁の材料や作り方をご紹介します。

材料

  • 大根
  • 人参
  • ごぼう
  • わらび水煮
  • フキ水煮
  • しいたけ
  • 高野豆腐(水で戻す)
  • 油揚げ
  • 味噌または醤油
  • だし用の昆布
  • ずんだ(大豆の水煮をくだいたもの)

作り方

  1. 野菜、山菜、高野豆腐、油揚げそれぞれを5〜7ミリ位のさいの目に切ります。
  2. 鍋に昆布で取っただし汁と1を入れ、柔らかくなるまで煮ます。(顆粒だしでもOK)
  3. 柔らかくなったらずんだを加え、味噌または醤油で味付けしひと煮立ちしたら出来上がりです。

根菜から先に入れ、アクが出たら取ります。

写真では味噌を使用しました。

具がたっぷりで体に優しいです。

たらの子和えの由来

鱈(タラ)は冬が旬の魚で、陸奥湾では昔からタラ漁が盛んに行われていました。そのため青森県のお正月には鱈が欠かせませんでした。昭和20年頃までは、年の瀬に大きな鱈をまるごと1匹買い、道路を引きずり歩く光景がみられました。
当時、鱈は冬場の貴重な食材でお正月のごちそうとして食べられていました。
身はもちろん、頭や中骨などのアラは「じゃっぱ汁」として大根と煮付け、タラの子は人参などと共に「たらの子和え」に調理されたり甘塩で保存されるなど、1匹全てを余すこと無く食べられていました。


たらの子和えは人参の鮮やかなオレンジ色が縁起物として昔も今も親しまれています。

たらの子和えはどんな料理?

真ダラの卵巣と人参や凍み豆腐などを煎り、和えた料理です。
お正月料理の1品とされていますが冬の時期に日常的に食べられる家庭料理です。
真たらこの代わりに塩たらこ(スケソウダラ)を使っても良いです。

たらの子和えレシピ

たらの子和えの材料や作り方をご紹介します。

材料

  • 人参
  • 凍み豆腐
  • 糸こんにゃく
  • 長ネギ
  •  酒
  • 醤油
  • だし汁
  • サラダ油

作り方

  1. 人参は千切りまたはスライサーにかけます。高野豆腐は水で戻し、細めの短冊切りにします。糸こんにゃくは下ゆでし、ザルに上げ水切りし、食べやすい長さに切ります。
  2. 長ネギは小口切りにします。
  3. 1をサラダ油で炒めます。
  4. 日本酒とだし汁を加えます。
  5. 沸騰したらたらこを加え、箸でほぐします。
  6. 全体をよくまぜ、醤油を加え味を整え最後に長ネギを加えたら出来上がりです。 

人参は柔らかくしすぎないようにしましょう。

たらこは箸でほぐし皮は取り除きます。

冷めると味が濃くなるので醤油の入れすぎ注意です。

ご飯のおともにぴったりです。

まとめ

けの汁はたくさんの具材が入っていて、1品で食物繊維やたんぱく質などの栄養が取れるのでヘルシーな料理です。体が温まり心もほっこりします。
また、たらの子和えは冬の旬を味わうことができお酒にも合う料理です。人参が嫌いな人でも美味しくいただけると思います。
どちらも作り方は簡単なので、ぜひこの冬に作ってみてはいかがでしょうか。

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