【青森県】 食べ物だけじゃない!東北のキラッと光る技!工芸品のお土産5選

東北地方の最北にある、青森県。

美しい自然、三内丸山遺跡やねぶた祭り、そして豊かな食文化に惹かれて旅行する人が多いでしょう。厳しい冬の暮らしの中で、青森では様々な手工芸がはぐくまれてきました。

県は、伝統的な手作業の技法で作られた日用品を「青森県伝統工芸品」に指定し、保護しています。

今回は、県の指定も受け青森を代表する工芸品を5つご紹介します。青森生まれのとっておきの一品を探してみませんか?


青森の工芸品といえばこれ!「津軽塗」

まずご紹介するのは「津軽塗」。

これは、県西部に位置する津軽地方に伝わる、漆を使って木の食器などを作る技法です。江戸時代に弘前藩の保護の下で発展した、いわば青森最大の伝統工芸です。

定番商品であるお箸を始めとして、お椀、お菓子のトレー、重箱、お盆といった食器類が有名ですが、花器やテーブル、手鏡、万年筆なども作られています。

青森産の良質なヒバを加工し成形したものに、時間をかけて漆を何度も塗り重ね、研ぎ、磨き、1年以上かけて完成します。40を越す長い工程を持つ塗りの技法は高度な職人技であり、国の重要無形文化財にも指定され、近年国際的にもますます評価されています。美しい上に丈夫な津軽塗は、一生物のお土産となりますね。


愛らしくなつかしい「津軽こけし」

次にご紹介するのは、江戸時代から子供のおもちゃとして庶民に親しまれてきた、こけし。

東北には11の産地があり、津軽地方はその一つ。

「津軽こけし」は、一本の木から彫られ、オカッパ頭で、くびれと裾広がりというフォルムが特徴です。牡丹やダルマ、アイヌの模様といった色鮮やかな絵が描かれることも。

最近は伝統的な女の子の形だけでなく、干支やお雛様、さらには話題のアマビエ形のこけしや、小さなこけしのついた根付や耳かきなどの商品にまで展開しています。また、こけしに関する展示施設「津軽こけし館」(黒石市)では絵付け体験ができ、世界に一つのオリジナルこけしを作れます。職人さんが一つ一つ手描きした素朴なこけしは、昔ながらの定番のお土産としてぴったりです。


防寒のため生まれた粋な刺し子「こぎん刺し」

津軽地方の弘前市や青森市に伝わる刺し子(刺しゅう)、「こぎん刺し」。着物の帯やネクタイ、スリッパといった衣類の他、バッグや巾着、さらにはブックカバー、小銭入れ、しおりといった小物も作られています。

さて、日本三大刺し子の一つであるこぎん刺しは、どうして生まれたのでしょうか? 

江戸時代、津軽の農民達は倹約のため木綿を禁じられていました。それで麻の着物を着ていたのですが、厳しい寒さに麻は寒すぎます。そのため着物に刺し子をし、少しでも温かくするという工夫をした……これがこぎん刺しの始まりです。

藍染などの麻地に木綿糸で手刺しされたこぎん刺しは、布の色と糸の白色のコントラストや、美しい幾何学模様を楽しめます。


100%天然素材!癒しと自然のぬくもりあふれる「あけびつる細工」

「あけびつる細工」とは、その名の通りアケビのツルを編みこんだ工芸品です。

江戸時代、温泉のある弘前市で湯治客への土産として作られるようになりましたが、縄文時代にすでに同じような物があったのだそう。今でも昔のように山から採集したアケビのツルを丁寧に手編みして作られています。

カゴやスツール、ランプシェード、トレイといった製品には、つややかな色合いや、自然のあたたかみが感じられます。植物をそのまま使うという自然そのものの素材ですが、耐久性に優れ、使うほど手になじみます。修理を承る工房もあり、古くても質のいいものは直しながら使うという昔ながらの慣習が残っているわけですね。バッグの形もなかなかおしゃれです。


おしゃれでモダンなエコ木工品「ブナコ」

最後にご紹介する「ブナコ(BUNACO)」は、弘前市のブナコ株式会社がブナの木で作っている木工品です。

昭和30年代の県の試験場での研究がブナコの始まり。

他の青森伝統工芸品より歴史は浅いものの、モダンでスタイリッシュなフォルムや、エコロジカルな独自の製法が評価されています。2012年に県内初のグッドデザイン賞を受賞し、2008年には洞爺湖サミットで使用されました。

日本一のブナの産地・青森での地元の資源を有効活用し、かつらむきのように薄くスライスした木片を巻き重ねて成型しているのだそう。その製法のおかげでユニークな形も作ることができ、食器の他、ランプシェードやスツール、ティッシュボックスといったインテリア製品、スピーカーなどを生産しています。

INFORMATION


まとめ

今回は、青森のお土産として工芸品5点をご紹介しました。どれも崇高な芸術品というより、日常で使う身近なもの。品質がよく、一度手に入れれば末長く使え、使うほど味が出てきます。友人や家族、同僚だけでなく、自分へのご褒美として購入するのもいいでしょう。伝統に縛られず時代に合わせた商品展開もし、また、昔ながらのシンプルで良いものが見直され始めている今、青森ならではの工芸品をお土産にしてみませんか?


その他の記事