雪国ならでは!秋田の冬の森吉山の魅力

寒くてもホットな秋田

日本海に面する秋田県の冬。冷たく吹き荒れる北風に、果てしなく積もる雪。雪国秋田の冬は例にもれることなく厳しいものです。しかし、冬の厳しさがあってこその今の秋田がある。そして、その冬こそ秋田の本当の姿なのです。気温は寒いけれど、心熱くなる秋田の冬ならではの魅力をお伝えいたします。

花の森吉山

秋田県北部にそびえ立つ標高1454mの森吉山。オオシラビソなど、たくさんの高山植物が群生するため『花の百名山』に選ばれる古い火山。
阿仁スキー場があり、豊富な積雪と3.5kmのロングコースでスキーやスノーボード客に人気のスポットです。しかし、注意しなければなりません。この山の頂付近には冬の間だけ恐ろしい怪物が出現するのです。

By らんで (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons

白い怪物・アイスモンスター

大きいものでは全長10m、全身真っ白な雪にまみれたおぞましい姿の怪物が群をなして、どこかへ向かう姿が度々目撃されています。その怪物の正体は『樹氷』。樹木に氷が付着して成長した自然の造形美です。
森吉山の1200m付近には、冬でも葉を付けるアオモリトドマツが群生しています。それに雪雲の中の雲粒と呼ばれるマイナス5℃以下の過冷却された水滴がぶつかる度に凍り付き、まるで怪物のような形を造るのがそのメカニズム。その姿はまさしく『アイスモンスター』。

見渡すかぎりの白銀の平原を数百もの群を成し、風下を目指して行進していく様を眺めていると、本当に今にも動き出しそうな気配すら感じます。散策コースを歩き、さらに間近で見ると、その大きさ、その迫力に圧倒されることでしょう。
まるでファンタジーの世界に迷い込んだかのような非日常的な気分を味わえること請け合いです。
樹氷はいくつかの条件がそろわなければ出来ないため、観賞できる場所は全国的にも限られます。
森吉山の樹氷の見頃は1月上旬から3月上旬までです。
貴重なアイスモンスターの圧倒的な存在感をその目で、その肌で感じてみてください。

アイスモンスターとの出会い方

森吉山・阿仁スキー場へのアクセスは、秋田内陸線阿仁合駅から車で約20分。
樹氷が見られる樹氷平までは阿仁スキー場から大型のゴンドラで行くことができます。天気が良ければゴンドラ内から白銀に輝く樹木の絨毯と、遙か彼方の男鹿半島を一望できる雄大な景色が広がります。
そして、山頂に到着し、ゴンドラを降りれば、目の前に無数のアイスモンスターが総出で出迎えてくれることでしょう。

また、雪上車で行く『夜の樹氷鑑賞会』も定期的に開催されています。
冬山の澄みきった夜空に輝く満天の星空の下、闇夜に浮かぶアイスモンスターを心ゆくまで御堪能ください。

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