【山形県最上郡】霊峰月山のふもと、肘折温泉で大人の余白を楽しむ旅
慌ただしい毎日、極上の秘湯にゆったりと浸かる贅沢な時間はいかがですか?
今回は山形県大蔵村にある、美しい自然と郷愁を感じさせる温泉郷「肘折温泉」をご紹介します。
肘折温泉とは
肘折温泉は開湯から約1,200年の歴史があり、古くから秘境の湯治場として知られています。
霊峰「月山」のふもとに位置し、かつては月山参りの前に最後に身体を清める地として多くの参拝客が立ち寄る場所でした。
その昔、肘の骨を折って苦しんでいた老僧がこの地の湯に浸かったところ、傷がすぐに癒えたことから「肘折」と呼ばれるようになったといわれています。
肘折温泉おすすめの過ごし方
肘折温泉は、日常の慌ただしさを忘れてゆっくりと時を過ごしたい場所。
予定を詰め込みすぎず、時間の余白を楽しみながら贅沢に滞在してみてはいかがでしょうか。
今回は日帰り旅行の楽しみ方をご紹介します。
ゆったり散策
温泉街をぶらぶらと散策してみます。
情緒あふれる街並みは、まるで時が止まったかのよう。
温泉郷を優しく包み込むように流れる銅山川の川音が日頃の喧噪を忘れさせ、ノスタルジックな世界観に誘ってくれます。
旧肘折郵便局舎
窓枠が〒マークになっているレトロでどこか可愛らしい佇まいの建物です。
昭和12年に建築されてから平成7年まで郵便局舎として使われていました。
その後郵便局は新局舎へ移転。こちらの建物は一時取り壊しも検討されましたが、地元民の熱い想いを受け今も大切に保存されています。
肘折ダム
国の登録有形文化財に指定されている肘折ダムは温泉街から徒歩約5分のところにあります。
春は雪解け水で水量が多くなり圧巻の見ごたえです。
6月・9月・10月の第1・第3土曜日にはライトアップが行われ、昼間とは違った表情で観光客を楽しませています。
挽きたてそばを食す
歩き疲れてきたら、食事にしましょう。
おすすめは「そば処寿屋」の”鳥そば”です。
肘折温泉がある大蔵村はそばの名産地でもあります。
香り高いそばの風味はもちろんのこと、特筆すべきはつゆの味。
すっきりとしているのにうまみたっぷりで、上に添えられた三つ葉の清涼感が爽やかさをさらに引き立てています。
鶏肉にもしっかりと味がしみこんでいて噛みしめるたび旨味が口の中に広がり、思わず笑みがこぼれます。
心ゆくまで湯めぐりを
肘折温泉のお湯は源泉によって色や入浴感が異なります。
時間の許す限りお湯比べを楽しみましょう。
肘折いでゆ館
肘折温泉の観光情報や文化を発信している肘折いでゆ館は、肘折温泉郷の中核的施設です。
お肌がすべすべになるといわれている泉質は特に女性に人気なんだとか。
施設内にはコワーキングスペースも完備され、湯治とワーケーションが両立できるまさに夢のような滞在を可能にしている場所でもあります。
カルデラ温泉館
カルデラ温泉館は日本でも数少ない天然の炭酸泉が楽しめる珍しい温泉です。
美しい肘折の自然を眺めながらゆったりとお湯に浸かれます。
こちらの施設ではなんと無料で飲泉が可能なんです!
お風呂上りのほてった身体に天然の炭酸水をグイッと流し込む。なんという贅沢でしょうか。
炭酸水はなめらかな口当たりで舌の上にわずかな酸味と鉄分を感じます。
ふつふつと湧きだす泡が心地いいのど越しです。
斎藤茂吉も愛した天然炭酸水入りサイダーをお土産に
旅の土産としてカルデラ温泉館に湧き出る炭酸水を利用した「肘折カルデラサイダー」はいかがでしょうか。
山形県出身の歌人、斎藤茂吉も肘折温泉の炭酸水に砂糖を入れて飲むのを大変気に入り、その時の様子を歌に残しています。
『泡立ちて 湧きくる泉の香を好と 幾むすびしつ けふの日和に』
斎藤茂吉はシュワシュワした炭酸の口当たりを子どものように喜び、2杯も3杯も口にしたそうです。
帰り道、旅の思い出を反芻しながら飲むもよし、大切な人への土産話に添えて贈るもよし。
すっきり澄んだ爽やかな肘折のサイダーをぜひゲットしましょう。
まとめ
肘折温泉は自然の懐に抱かれた温泉郷です。
今回ご紹介したように日帰りでも十分楽しめますが、宿泊すればその魅力を何倍も堪能できます。
宿泊の際はぜひ名物の朝市にも参加してみてくださいね。
肘折温泉で心も身体もデトックスして余白のある時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。