【岩手】山伏石とは?あらすじから舞台となる戸河内川の自然スポットも詳しくご紹介
平泉を流れる戸河内川の流域を舞台とした「山伏石」という昔話をご存知でしょうか。
この記事では山伏石のあらすじと、戸河内川に今も残る男滝(琴ヶ滝)・女滝(琵琶ヶ滝)について詳しく解説します。
山伏石のあらすじとは?
昔話「山伏石」のあらすじは次の通りです。
平泉の中尊寺から西へ半里ほどの場所に戸河内川(とかないがわ)が流れていました。
ある日この戸河内川に沿って若い山伏が歩いていると、草履を川に流されて困っている美しい女に出会います。
すると女は自分をおぶって一つ上の琴ヶ滝まで運んでほしいと頼んできたのです。
山伏が女を背負って琴ヶ滝まで運び帰ろうとした時、女の腕にうろこが生えている事に気が付きました。
女の正体は琵琶ヶ滝に住む妖怪でしたが、琴ヶ滝に住む夫に会いに来たのです。
女はこの事を誰かに言うと石にすると山伏に口止めをしてきたので、山伏が辺りを見回すと滝つぼの周りには石にされた村人が並んでいます。
次の日、山伏は村人たちと琴ヶ滝に行き、妖怪を退治するために必死にお経を唱えました。
そのおかげで琴ヶ滝の妖怪は退治されて石になりましたが、山伏の下半身も石になってしまったのです。
山伏は動けなくなりましたが、今度は女の妖怪と対決しようと村人たちに担がれ琵琶ヶ滝に向かいました。
山伏は琵琶ヶ滝の妖怪を退治したのですが、妖怪の魔力で自身も全身石になってしまったのです。
今でも戸河内川の水が枯れた時は、淵の底から二つの妖怪たちの石が見られるそうです。
男滝(琴ヶ滝)の現在は?
山伏石の昔話には、戸河内川の水が枯れると妖怪たちの石が見られるとありますが、戸河内川、琴ヶ滝、琵琶ヶ滝は現在どのようになっているのでしょうか。
琴ヶ滝は現在では「男滝」と呼ばれ中尊寺の西側、平泉町を流れる戸河内川の水域にあります。すぐ上には男滝橋がかかり、標柱が立っていて案内板もあるため行くのに迷うことはないでしょう。
車も案内板のある広場に駐車することができます。ただ滝の側に近づくに従って崖がえぐれ前が藪だらけになってしまうので、遠目に男滝を鑑賞することはできても、滝に近寄って妖怪の石を探すといったことは少し難しいのではないでしょうか。
足を滑らせないよう安全な場所から、山伏と妖怪の戦いに想いを馳せるのがおすすめです。
男滝<Information>
- 名称:男滝(琴ヶ滝)
- 住所:〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉広滝37
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女滝(琵琶ヶ滝)の現在は?
一方で琵琶ヶ滝は現在「女滝」と呼ばれ、琴ヶ滝と同じく中尊寺の西側、平泉町を流れる戸河内川の水域にあります。滝自体が男滝と比較すると規模が小さいのが特徴的だと言えるでしょう。
女滝周辺には観光用に東屋、駐車場が完備され、歩道もあるので男滝よりはアクセスしやすいと言えます。
また「男滝女滝の伝説」を記載した看板があり、山伏石の昔話が記載されているので、ここで初めて山伏石の話を読む人も少なくないのではないでしょうか。
女滝、男滝とも今では観光スポットとして整備されているものの、昔話が作られたころでは灯りもなく、周辺の人が妖怪が住み着いていると噂をしてもおかしくないような場所だったと想像できます。
山伏や妖怪たちが暮らしていた空気感を、男滝・女滝から感じてみてはいかがでしょうか。
女滝<Information>
- 名称:女滝(琵琶ヶ滝)
- 住所:〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町戸河内
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まとめ
昔話「山伏石」は戸河内川の流域にある琴ヶ滝と琵琶ヶ滝に住み着いた妖怪を、若き山伏が必死でお経を唱えて退治しようとするものの、自身も石にされてしまうというお話ですが、今でも琴ヶ滝と琵琶ヶ滝はそれぞれ男滝・女滝として観光することができるとわかりました。
不思議な昔話に想いを馳せながら、ぜひ自然の観光スポットとなった男滝・女滝にも足を運んでみてください。