
アピオスって知ってる?青森で育つスーパーフードを紹介【栄養満点】
目次
青森の直売所で見かける「アピオス」という小さな芋。じゃがいもにも似ているけれど、実はマメ科の植物で“スーパーフード”と呼ばれるほど栄養価が高いんです。今回は、アピオスの正体や栄養、食べ方、そして広まらない理由まで、青森在住の目線で紹介します。
青森のスーパーフード「アピオス」とは?

アピオスは北米原産のマメ科植物で、栄養価の高さから“スーパーフード”と呼ばれています。青森では「ほどいも」という名前で親しまれ、直売所や給食にも登場するほど身近な存在。ここではまず、その正体と名前の由来を見ていきましょう。
小さなじゃがいもみたい?アピオスの正体
アピオスは土の中に数珠つなぎのように小さな芋をつけます。大きさは直径2〜3cmで、見た目は小ぶりのじゃがいもにそっくり。ただし味わいは少し違って、ホクホク感とほんのりした甘みがあり、じゃがいもと里芋の中間のような食感といわれます。
青森に伝わったのは明治時代。アメリカからリンゴの苗木を輸入した際、その土にアピオスが紛れていたのが始まりとされています。冷涼な気候に合っていたこともあり、やがて地元の畑に根づき、農家の副産物として栽培されるようになりました。
「ほどいも」と呼ばれる青森ならではの理由
青森ではアピオスのことを「ほどいも」と呼ぶことがあります。日本に自生する在来の「ほどいも」と姿が似ていたため。ただし、混同されないように「アメリカホドイモ」「アメリカホド」と呼ばれることもあります。呼び名の中に、土地柄や人の工夫がにじんでいるのも面白いですよね。
栄養たっぷり!アピオスの知られざる力

アピオスは“世界三大健康野菜”のひとつに数えられるほど、栄養が豊富。小さな芋にどんな力が詰まっているのかを見てみましょう。
たんぱく質と食物繊維が豊富で腹持ち抜群
アピオスは、たんぱく質がじゃがいもの約3倍。さらに食物繊維も多く、少量でもしっかり満腹感があります。アメリカ先住民がスタミナ食として重宝していたのも納得です。
カリウム・鉄分・カルシウムまでバランスよく
カリウムや鉄分、カルシウムといったミネラルも豊富。むくみの予防、貧血対策、骨の健康づくりにも役立ちます。小さな芋ひとつに、体を支える栄養がぎゅっと詰まっています。
ダイエットや健康志向に人気の秘密
少量で栄養が取れて腹持ちも良いことから、ダイエット中の人にもぴったり。実際に青森では学校給食にも取り入れられ、子どもから大人まで幅広く食べられています。
下北半島で育まれるアピオスの物語

アピオスが根づいたのは、下北半島の涼しい気候と相性が良かったから。夏でも涼しく昼夜の寒暖差が大きい土地は、栄養をしっかり蓄えるアピオスにぴったりでした。その栄養価の高さから“世界三大健康野菜”としても知られるようになりましたが、地元では特別なものではなく、学校給食や直売所を通じて自然に食卓に並ぶ存在。県外の人には珍しいかもしれませんが、下北では当たり前の野菜として暮らしに根づいています。
アピオスの食べ方は?
アピオスは、じゃがいもや里芋と同じように調理できるのが魅力。蒸したり揚げたりとシンプルにしても、ホクホクした食感と優しい甘みを楽しめます。給食ではコロッケに使われることもあり、子どもたちにも人気です。
さらに、長芋のむかごを炊き込む「むかごご飯」のように、米と一緒に炊く「アピオスご飯」もおすすめ。芋の甘みがご飯に移り、素朴でありながらクセになる味わいです。家庭でも気軽に取り入れられる食材なんです。
どうして全国には広まらないの?

栄養満点でおいしいアピオスですが、青森を出るとあまり知られていません。「菊芋」「ヤーコン」に並ぶ健康食材ですが、他の二つに比べると全国的な知名度はまだまだ…なぜアピオスは全国的に広まっていないのでしょうか?その理由に迫ります。
栽培に手間がかかる
じゃがいもなら3か月で収穫できるのに対し、アピオスは育つまでにおよそ8か月。時間がかかるため効率的ではなく、どうしても規模が限られてしまいます。
生産者が少ない
青森県は全国一の生産地ですが、その担い手は高齢化が進んでいます。若い世代の生産者が少ないため、作付け面積を大きく広げることが難しいのが現状です。
知名度が低い
「スーパーフード」として注目されつつあるものの、じゃがいもや長芋のような全国的な知名度はまだありません。市場での需要も大きくなく、多くは地元で消費される食材のまま。だからこそ、青森に行かないと出会えない特別感があります。
まとめ
アピオスは、青森・下北半島で育つ小さな芋。ホクホクとした食感にほんのり甘みがあり、栄養も満点。学校給食や直売所で親しまれ、地元の人にとっては当たり前の存在です。けれど、栽培に時間がかかることや生産者の少なさから、県外ではほとんど見かけません。
だからこそ、青森で味わうアピオスには特別な価値があります。蒸したり揚げたり、炊き込みご飯にしたりと楽しみ方も豊富。青森を訪れたら、ぜひ一度手に取って、その滋味深さを感じてみてください。






















