仙石線E131系電車

JR仙石線に新型電車E131系が登場!【宮城県】

宮城県内を走るJR仙石線で、新型電車の運行が始まっています。
どのような車両なのか、そして新型電車の投入によって仙石線がどのように変わるのかを紹介します。


JR仙石線とは?

松島海岸駅

JR仙石(せんせき)線は、宮城県仙台市青葉区にあるあおば通駅から、宮城野区にある仙台駅を経て、石巻(いしのまき)市にある石巻駅までの、49.0kmを結ぶJR東日本の鉄道路線です。
東北地方最大の都市である仙台市と、宮城県の太平洋岸を結ぶ路線で、路線名の仙石線は「仙」台と「石」巻を結ぶ路線であることからつけられています。
仙台市の東側エリアの通勤通学輸送を担っているほか、仙台市と多賀城市・塩竈(しおがま)市・松島町・石巻市といった沿線自治体との間の都市間輸送、松島などの観光地への輸送の役割もあわせもっています。
過去の記事で、歴史を中心に仙石線を紹介しているので、こちらもご参照ください。


仙石線と仙石東北ライン

仙石線には主に2種類の系統の列車が走っています。路線名通りに「仙石線」と呼ばれる系統と「仙石東北ライン」と呼ばれる系統です。

仙石東北ライン
Soren Bradley – 投稿者自身による著作物, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=161831505による

仙石線

仙石線

仙石線と呼ばれる系統は、あおば通駅から石巻駅までの、仙石線の全区間で運行される列車で、全列車が各駅に停車する普通列車です。
あおば通駅から石巻駅までの全線を走行する列車の他に、あおば通駅から多賀城、東塩釜、松島海岸、高城町(たかぎまち)といった駅の間を結ぶ列車が運行されています。

なお、仙台駅での仙石線の乗り場は、JRの他の路線と違って地下にあるので、他の路線を利用する場合と比べて、少し長い距離を歩く必要があります。
また、先述の通り快速列車などはないので、仙台駅から石巻駅までといった、長距離を乗車する場合は、仙石線の列車をあえて選択する理由は乏しいでしょう。
ただし、日本三景の1つとして知られる松島(残りの2つは、京都府の天橋立と、広島県の「宮島」です)への観光に便利な松島海岸駅は、後述する仙石東北ラインの列車は経由しません。松島海岸駅で下車したい人は、仙石線の列車に乗る必要があるのです。

2025年に放送された『ざつ旅-That’s Journey-』というテレビアニメの第2旅(話)では、登場人物が仙石線の列車に乗って、松島海岸駅を訪れて観光する様子が描かれています。

仙石線の列車は、長年にわたって4両編成の205系電車という電車を使用して運行されてきました。
しかし、2025年12月にE131系電車という新車の投入が始まっており、2026年3月14日(土)のJRグループダイヤ改正をもって、完全にE131系に置き換わります。

仙石東北ライン

仙石東北ライン

仙石東北ラインは、2015年5月30日から運行を開始した系統です。
仙石東北ラインの列車は、仙石線のあおば通駅から松島海岸駅までの駅には乗り入れず、代わりにJR東北本線(東京駅から福島駅、仙台駅などを経由して盛岡駅までを結ぶ幹線)の線路を経由します。仙石線よりも東北本線の方が速度を出しやすいので、仙台駅と高城町駅以遠の間の所要時間が短くなるというメリットがあります。
また、仙石東北ラインの仙台市側の始発・終着駅は仙台駅であり、仙台駅では東北本線の列車と同じ地上のホームに乗り入れるので仙石線の列車よりも乗りやすくなっています。
ほとんどの列車の太平洋岸側での始発・終着駅は石巻駅ですが、JR石巻線に乗り入れて、女川町にある女川駅まで運行されている列車が、1日上下1本ずつながら存在します。
また、普通列車はなく、快速列車と、より停車駅の少ない特別快速のみが運行されています。

仙石東北ラインの列車には、2015年の運行開始当初からHB-E210系ハイブリッド気動車という車両が、2両編成を2本組み合わせた4両編成で使用されています。
自車に搭載されたディーゼル発電機およびバッテリーからの電力で走行していて、電車とは異なる種類の車両です。

また「のってたのしい列車」(観光列車)の「SATONO」を使用して、臨時列車の「だてSATONO」が、仙石東北ラインおよび石巻線経由で運行されることがあります。
運転区間は女川駅から仙台駅までです(逆方向の列車は東北本線・石巻線経由)。

>> のってたのしい列車 ポータル>SATONO(さとの):JR東日本


引退する205系電車とは?

仙石線の205系電車
仙石線の205系電車

今回仙石線から引退するのは、205系電車の方です。HB-E210系ハイブリッド気動車は引き続き運行されます。
205系電車は、JR各社が発足する前の、国鉄がまだ存在した1985年に、東京都の山手線に登場した車両です。
1987年にJR各社が発足した後も追加で大量に製造されました。
山手線に続き、埼京線、南武線、横浜線といった路線にも投入され、かつては首都圏の各地で見受けられた車両でした。
わずかながら関西の路線でも活躍しています。

205系の仙石線での活躍は2002年からです。
山手線や埼京線での運行を終えた電車の中間車に、後から運転台を取り付ける改造を行って仙石線に転用した車両を使用しており、205系3100番台という区分がなされています。
運転台が後付けなので、新製されたときから先頭車だった205系とは前面形状が大きく異なっています。

山手線で活躍していた205系電車

205系は仙石線以外の路線でも次々と姿を消しており、現在その活躍が見られるのは、国内では山梨県の私鉄の路線である富士急行線など、ごく限られています。
ただし、JR東日本から東南アジアのインドネシアに譲渡された車両が多数存在します。


新型車両のE131系電車とは?

E131系電車
仙石線へ新たに投入されたE131系電車

今回仙石線の205系電車を置き換えるE131系電車が最初に登場したのは2020年で、千葉県の房総地区に投入されました。
その後、神奈川県の相模線・鶴見線、栃木県の日光線などの路線に続々と登場しています。
仙石線に投入されるE131系は800番台という区分がなされて、2025年12月1日に営業運転を開始しました。
2026年3月14日のダイヤ改正をもって4両編成14本の合計56両が出揃い、仙石線の普通列車は完全にE131系での運行に切り替わります。

首都圏の山手線のような路線と比べて輸送量が少ない路線では、従来は輸送量の多い路線で使われた車両を短い編成に改造して車両をまかなうことが常でした。
しかしE131系は、そのような輸送量の比較的少ない路線へ投入することを、最初から目的として開発・製造された車両であることが大きな特徴です。

車掌が乗務しないワンマン運転に対応するための設備や、近年の首都圏の通勤電車に採用されているようなステンレス製で横幅の広い車体を備えています。
大都市圏の車両では既に定番の、ドア上のディスプレイなども装備。
車内防犯カメラの設置、非常通報装置の増設など、乗客の安全・安心にも配慮されています。
また、新しい技術を用いて消費電力を抑制しやすくしていることや、車両や線路の不具合の予兆を把握する装置を備えていることなども、既存の車両を転用する手法では得難いメリットです。

なお、仙石線の205系は先ほど説明したように、他の路線で活躍した電車を転用改造したものですが、かつて205系によって置き換えられた103系という電車も、その前任の72系という電車なども、他の路線での役目を終えた後で転用された電車でした。
E131系よりも前に、新製された電車が仙石線に投入されたのは、なんと戦後間もない1946年にまでさかのぼります。
E131系は仙石線にとって約80年ぶりの新製された電車なのです
(仙石東北ラインの列車に使用されているHB-E210系は新製車ですが「電車」ではありません)。

>> 仙石線に新型車両E131系12月1日デビュー!!「いい、131。~80年ぶり新車投入~」


E131系の登場に伴いワンマン運転開始

2026年3月のダイヤ改正で仙石線の普通列車の車両がE131系に統一されることに伴い、ワンマン運転が開始されます。ただし、ワンマンとはいっても、路線バスのようなワンマン運転とは異なります。4両の電車のどのドアからも乗り降りでき、運賃を車内で支払うといったこともありません。

なお、ワンマン運転を行うのは、E131系による列車のみです。HB-E210系で運転される仙石東北ラインの列車には、引き続き車掌が乗務します。

また、ダイヤ改正に伴って、日中時間帯(10時~14時台)のあおば通駅~多賀城駅間で列車の増発が行われます。1時間あたり概ね3~5本だった列車が4~6本に増発されるので、この時間帯の利用者にとっては相当便利になると思われます。
近年、特にコロナ禍以降は、列車が増発される機会は全国的に減少傾向にあるといえます。そのような情勢下において増発が行われることからは、仙石線の利用状況の良さがうかがえます。
新型車両と新ダイヤによって、仙石線はこれまでとは違う姿を見せてくれることでしょう。

>> 2026年3月ダイヤ改正について


その他の記事