【宮城県松島町】小堀遠州作の庭園が美しい宮城の苔寺「円通院」
松島にある伊達家ゆかりの寺院
宮城県松島町にある円通院は、伊達政宗の孫にあたる伊達光宗の菩提寺で、本尊は聖観世音菩薩。伊達政宗が再興した寺院である瑞巌寺の表参道西側にある、臨済宗妙心寺派のお寺です。
伊達光宗は、守成の名君とうたわれた第2代仙台藩主伊達忠宗の次男で、徳川家光とは従兄の間柄でしたが、第3代藩主としての期待を背負いながら19歳で早逝しました。
光宗の霊廟である重要文化財三慧殿の厨子には、支倉常長がヨーロッパから持ち帰ったとされるバラと、フィレンツェを代表する花である水仙が描かれています。このバラは色あせないように緑青やサンゴで描かれており、厨子の模様にはハートやスペード等のトランプ柄で西洋風に飾られています。
「苔寺」とも「バラ寺」ともいわれる美しい庭園
瑞巌寺が荘厳な印象であるのに対し、ここ円通院は心を癒されるお寺です。
山門をくぐるとすぐに松島湾を表現した枯山水庭園『雲外天地の庭』があり、奥に進むと360年前に造られた小堀遠州作の池泉鑑賞式庭園があります。
この庭園は、江戸の伊達屋敷にあったものを移築・再現したものとされていて、心字池と補陀落山を中心に美しい苔が印象的で、円通院が「苔寺」と呼ばれる所以となっています。
また、住職が6,000㎡の白華峰西洋の庭にバラを植えて参拝客に開放したことから、「バラ寺」の異名もあります。
四季折々に違う姿を見せる庭園
春は一重の白い山吹が咲き、旧盆には参道がろうそくの光でてらされ、秋は真っ赤な紅葉と石庭の白、苔の絨毯の緑が織りなす錦絵にライトアップが施され、冬の雪景色は水墨画のように静かで、いつ訪れても心が休まる場所です。
山門の左側には、龍に乗った縁結び観音が鎮座しています。良縁の御利益があると人気で、願い事や名前の書かれた可愛らしい縁結びこけしが、観音様の両脇に整然と奉納されています。
また、本堂で数珠作り体験もできます。数珠の玉の位置などの説明があり、自分の感性に響いた玉を選んでオリジナルの数珠をつくることができます。
玉には大玉の天然石から小粒の天然石、ガラスやプラスチックもあり、天然石を選ぶと完成後に石の解説もしてもらえます。完成した数珠にはご本尊に祈願報恩供養が行われます。お子さんでも簡単につくることができるので親子連れにも人気があります。
円通院<Information>
- 名 称:円通院
- 住 所:〒981-0213 宮城県宮城郡松島町松島町内67
- 電話番号:022-354-3206
- 公式URL:https://www.entuuin.or.jp/