皆さんは駅の立ち売り販売をご存じですか?

その名の通り、立ち売り販売とは駅ホームにてばんじゅうを首から下げた売り子さんが弁当などを販売するスタイル。きっと古い映画などで見たことがある方がいるのではないでしょうか。

この駅の立ち売り販売を、今でも続けている場所があります。山形県米沢市にある、奥羽本線の峠駅です。そこで売られている峠の力餅は、米沢市の隠れた名物として、電車旅のひとつの楽しみになっています。

この記事では、そんな峠の力餅についてご紹介していきます。

 

峠駅の日常

福島県の福島駅、奥羽本線から山形方面へ向かうことができます。どこまでも緑豊かな山の中、電車はどんどんと進んで行き、4つ目に見えてくるのが峠駅。雪深い山中のため、雪除けの屋根に囲われた静かな駅です。突然、薄暗い峠駅のホームで聞こえてくるのは、威勢の良い売り子の声。首から下げられたばんじゅうには、「峠の力餅」の文字がくっきり。

駅が近づくにつれてソワソワとしだすのは、峠の力餅を狙って乗車した旅客です。駅につくと、車窓へドアへと人が流れ、ほんのわずかな停車時間の間に静かな駅は束の間の賑わいを見せます。席に戻る旅客の手に手に握りしめられた四角い箱には、峠の力餅の昔ながらの掛け紙。

明治34年の奥羽本線開通後から、峠駅では「峠の力餅」の立ち売り販売が続けられています。立ち売り販売とは、停車中の電車の乗客相手に窓越し・ドア越しに商品を販売するスタイル。停車時間は約30秒。その間にお客さんと商品の受け渡しをします。まるでレトロ映画のような光景が、今なお続いているのです。

 

峠の力餅とは

峠の力餅とは、峠の茶屋がつくる大福餅です。なめらかで純白の餅の中には、たっぷりのこしあんが包まれています。1箱1000円で8個入り。昔ながらの素朴な味わいが楽しめます。

今では珍しい立ち売り販売、そして峠の力餅の美味しさが忘れられず、奥羽本線の名物として今も昔も人気を博しています。峠の力餅を立ち売り販売から買うために、電車に乗る人もいるほど。

30秒間の停車時間、峠の力餅を無事に買うことが出来ると達成感もひとしおです。事故のないように安全に配慮しつつ、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

峠の力餅のはじまり

峠の力餅の起源は、奥羽本線開通前の鉄道工事に従事していた人夫へ、初代店主が茶屋自慢の大福餅を振る舞ったことがきっかけのようです。峠駅との縁が生まれ、始まった餅販売。

鉄道屈指の難所であったこと、初代店主が小柄でも力持ちだったことを合わせ、峠の力餅の名前がつけられました。

時代は流れ、人は変わり、汽車も電車へと変わりました。それでも峠の力餅は続きます。現在の店主は5代目。代々の味と立ち売り販売スタイルを引き継ぎ、訪れる旅客を笑顔にしています。

 

峠の力餅の購入方法

峠の力餅は、峠の茶屋店舗での購入も可能とのこと。地方発送ができる冷凍品もあります。峠の茶屋では飲食提供も行っていますが、冬季は力餅の販売のみ行っています。

ちなみに米沢駅前に店舗を構え、山形新幹線内でも販売されている「峠の力餅」は、前代店主の時代以前に暖簾分けをしたお店ということで、別商品のようです。

 

まとめ

この記事では、山形県米沢市の峠駅で今も続く立ち売り販売、峠の力餅についてご紹介しました。

駅の立ち売り販売を続けて行っているケースは、全国でも珍しいものです。時代は変わり、便利で手軽なものがどんどんと増え続ける現代。それでも立ち売り販売にこだわる理由は、峠の力餅を手にした旅客の笑顔にあるのかもしれません。

昔懐かしくて、珍しくて新鮮。そんな峠駅の立ち売り販売に会える、東北の電車旅。是非足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

infomation

峠の茶屋

〒992-1303 山形県米沢市大沢848

TEL:0238ー34ー2301

ホームページ:http://www.togenochaya.com/