
笹野一刀彫とお鷹ぽっぽ|米沢で生まれた木彫の技術と郷土玩具【山形県米沢市】
笹野一刀彫とは?
笹野一刀彫(ささのいっとうぼり)は山形県米沢市笹野地区の農民の間で伝統的に受け継がれてきた木彫りの技術で、地元に伝わる伝承では806年(大同元年)開基とされる笹野観音堂(米沢市笹野本町)の火伏せのお守りや縁起物を作るための技術として、創建当時から1000年以上に渡って受け継がれているといわれています。
江戸時代中期には、米沢藩9代藩主・上杉鷹山によって「農民の冬季の副業」として笹野一刀彫が奨励された歴史もあります。

「お鷹ぽっぽ」と呼ばれる鷹の彫物が有名ですが、もともとは仏壇に飾る削り花をつくるのが一般的だったようです。
コシアブラの丸木をサルキリと呼ばれる刃物で削って彩色を施すことで、鷹や花の他にも鶏・恵比寿大黒・蘇民将来・餅つき兎・亀・梟・尾長鳥など、様々な木彫玩具が制作されます。
笹野一刀彫の木彫玩具「お鷹ぽっぽ」
もともと笹野一刀彫の彫刻は、工人さんらがそれぞれ独自に制作していたことから「決まった形」というものが存在しませんでした。
それが1971年に笹野彫協同組合が設立されたことである程度の「基本の形」等が定められ、現在の「お鷹ぽっぽ」が確立されました。
誕生のきっかけは前述の「上杉鷹山」で、江戸時代中期に農民の冬季の副業として笹野彫を奨励した際、「鷹山」の名前と重なる「鷹」が彫刻の題材として取り上げられ、以来「魔除けの玩具」として広まったといわれています。



上の画像の「お鷹ぽっぽ」は最もスタンダードなものですが、羽の赤いものや表情の違うもの、材料が違う「槐(エンジュ)の木」を素材に彫られたものなど、サイズも含めて様々なバリエーションが存在します。
「ぽっぽ」はアイヌ語で「玩具」のこと
「ぽっぽ」とはアイヌ語で「玩具」の事を指すといわれています。つまり「お鷹ぽっぽ」とは「鷹の玩具」という意味になりますが、何故アイヌ語由来なのか?は謎のままです。
古代東北人(エミシ)とアイヌが同一視される説などもありますが、DNA調査結果などからは否定されつつあり、真相はわかりません。しかし東北各地に明らかにアイヌ語と解釈できる地名が分布していたりと、何かしらの交流はあったものと考えられます。
復刻された約200年前の一刀彫玩具「古代ぽっぽ」
胴長形状と愛嬌のある丸い目がかわいらしい「古代ぽっぽ」は、2018年に東北芸術工科大学の主催で開催された現代アートフェスティバル「山形ビエンナーレ」にて、約200年前に作られていた胴長の形状と当時の絵柄のお鷹ぽっぽを現代の職人が復刻・展示したことをきっかけとして誕生しました。
グレーがオス・赤がメスのツガイとして復刻されています。



まとめ
米沢市笹野地区にて笹野彫協同組合が運営している「笹野民芸館」ではお鷹ぽっぽ、古代ぽっぽを含めた様々な笹野一刀彫の作品を見ることができます。

お鷹ぽっぽの絵付け体験をしたり、タイミング次第で制作風景を見学することもできるようなので、米沢観光の際にはおすすめの観光スポットです。





















