ニシン

【山形県新庄市】カド焼きって……山形に春を告げる美味い魚?

雪深い地方では冬の間新鮮な魚が手に入りにくく、そのため春の雪解けとともに運ばれてくる魚を焼いて、酒を酌み交わしながら春の喜びを堪能していました。

その名残が流通の良くなった現在でも受け継がれていて、花見と共にカド焼き祭りとして多くの人たちが楽しんでいます。

さて、新鮮な魚カドとは?

この記事では春告げ魚ともいわれるカドとはどのような魚なのか、カド焼き祭りとは?など詳しくご紹介しい、イベントの日程なども記載しています。

どうぞ最後までお読みください。


春告げ魚、カドって?

カドとはニシンの呼び名で、東北地方の方言であるといわれています。

ニシン(カド)

ニシン漁が盛んだった時代に北海道や東北沿岸部では、産卵のために岸に押し寄せてくるニシンがまるで門(門口< カドクチ>)でも獲れそうなほどの勢いだったと言い、そのことからニシン=カドクチ=カドと呼ばれるようになったと伝えられています。

昔は魚の保存方法(冷凍技術)がなく、雪深い新庄などでは冬に鮮魚の入手は困難だったため、春の訪れとともに運ばれてくるカド(ニシン)を丸ごと豪快に焼いて食べながら喜びを分かち合ったのが「カド焼き祭り」の原点です。

カド焼きは最上地方の春を代表する行事でもあり、日本海で漁れた丸々と太り脂ののった大ぶりのカドを炭火で焼いて地酒を楽しみながら春を満喫し、冬を乗り切った喜びを分かち合う嬉しい祭りのようなものです。

大きなカドを準備するのは年々難しくなっているそうですが、各所にお願いして必要な量を確保できるように努力されているそうです。

また、カドを焼くための炭も、冬のうちから手配して祭りに備えているそうですよ。

1匹ずつ串を打ち、炭火で表と裏、次に腹、背中とをじっくり焼くことで、余分な脂が落ち、格別な味わいのカド焼きとなるそうです。想像するだけで食欲が湧いてきますね!

INFORMATION

  • 名  称:新庄カド焼まつり
  • 開催時期:4月下旬~5月上旬
  • 開催場所:最上公園内特設会場
  • 住  所:〒996-0085 山形県新庄市堀端町6−86
  • URL:新庄市公式HP

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庶民の楽しみカド焼きは山形県全域にひろがっている?

新庄城址(最上公園)
新庄城址(最上公園)

カドは別名春告げ魚とも呼ばれる、春を代表する魚です。

春と言えば桜!花見と一緒にカド焼きも楽しむということで、新庄市だけではなく県内いたるところの桜祭りなどでもカド焼きが行われています。

実際に目の前で焼くこともありますが、調理場で焼き上げたカドを販売しているところもあるようです。脂ののったカドを焼くと煙も多く、観光地では外で焼くことを控えているようですね。

美味しいものに地域の壁はないのですよね!


春を知らせるご当地グルメに皆が舌鼓!

カド焼きが庶民に親しまれるようになったのは最上地方が始まりと伝えられています。

しかし雪の多い地方で知られる山形県全域が冬場に新鮮な魚を手に入れにくかったことから、豊漁だったカド(ニシン)が運ばれてくるようになると春先に食べる文化はあっという間に各市町村に広まっていったようです。

季節的にも桜祭りなどと被っているため、多くの県民が舌鼓を打つようになったと言われています。


まとめ

雪に閉ざされ、流通もままならい不自由さから、春を待ち焦がれる思いが他の地域より強い山形県ならではの行事と言える「カド焼き」が行われるようになりました。

最上地方で行われるカド焼きは、豪快で美味しさも格別!と最近では、県外の人からも好評です。

また、山形を故郷の持つ人たちもカド焼きにあわせて帰省するという声も聞かれます。

機会があったらぜひ、美味しい春告げ魚「カド焼き」を食べに訪れてみてはいかがでしょうか。


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