【岩手県】くるみ豆腐とは?地元で愛される理由から作り方まで詳しくご紹介
くるみを使ったパンやお菓子は素朴な味がしてとても美味しいのですが、岩手県にはくるみを用いたくるみ豆腐という郷土料理があるのをご存知でしょうか。
この記事ではくるみ豆腐とはどのような食べ物のかを詳しく解説します。
くるみ豆腐とは?
くるみ豆腐とは岩手県江刺地方に伝わる伝統料理で、くるみとくず粉を使うことで豆腐のような形と食感を持ち、お盆や法事などで供される精進料理として食べられてきました。
豆腐と名付けられていながら大豆は使用せず、和え物にしたり、大根のつまを添えてあんをかけ、刺身のように盛り付けたりするのが一般的です。
クックパッドでレシピを検索するとくるみ豆腐のレシピは2022年1月現在29種類出てきますが、そのまま食べるレシピ、醤油ベースのあんかけをしてわさびやしょうがを添えて食べるレシピ、黒蜜をかけてスイーツ風にするレシピなど家庭によりさまざまなアレンジをして食べているのが特徴的と言えるでしょう。
くるみ豆腐が岩手で愛される理由
現在日本で消費されているくるみはカリフォルニア産か中国産のものがほとんどですが、岩手県では和ぐるみ(オニグルミ)が採れます。
和ぐるみは殻が固く、外国産のくるみと比較するとサイズが小さく、食べられる中身の量が2割程度しかないため今まであまり市場に上ってきませんでした。
しかし苦味のもとであるタンニンや油分の含有量が外国産のくるみと比較すると少なく、ヘルシーで食べやすいことから地元ではそのまま食べたり、くるみ豆腐の材料にしたりと長く食べられてきたのです。
また岩手県の沿岸地域では、美味しさを表現するのに「くるみ味がする」という言葉を用いることがあります。
これらのことから岩手県産の和ぐるみを使ったくるみ豆腐は、県民にとって親しみ深い料理だと言えるでしょう。
くるみ豆腐の作り方
岩手県産の和ぐるみを使ったくるみ豆腐の作り方をご紹介します。
材料(1人分)
くるみ豆腐
- 和ぐるみ(10g)
- 吉野くず(10g)
- 砂糖(10g)
- 塩(1つまみ)
- 水(夏は90ml、冬は100ml)
- だいこん(適量)
あんかけ
- みそ(10g)
- 砂糖(少々)
- しょうが絞り汁(少々)
- 酒(少々)
- 水(適量)
作り方
- くるみをすり鉢で粒がなくなるまでする
- 水を加えてさらにすり、裏ごしする
- 裏ごしで残ったくるみを再度すり鉢に戻してなくなるまで繰り返す
- 鍋に裏ごししたくるみと吉野くず、砂糖を入れてかき混ぜ、吉野くずが溶けたら中火で加熱する
- 中火のまま10分程度休まずにへらでかきまぜ、全体がとろりと固まってきたら火を弱める
- 鍋底に「の」の字を書くようにかき混ぜて20分程度練り、火を止める直前に塩を加える
- 水でぬらした容器に入れて4~5時間ほどおき、常温で冷ます(冷蔵庫に入れると食感が良くないため控える)
- あんかけの材料をボウルに入れてよく混ぜ合わせる
- 容器からくるみ豆腐を出し、刺身の形に切り、だいこんでつまを作り添えて盛り付ける
- あんをくるみ豆腐にかけて完成
くるみを丁寧にする必要があるのと、火にかけたら鍋の底をまんべんなくかき混ぜなければならないのでそれなりに手はかかりますが、夏と冬で異なる水の分量にさえ気を付ければそれほど難しい技術の必要なレシピではありません。
和ぐるみが手に入る機会があれば、ぜひ一度作ってみてください。
まとめ
くるみ豆腐はくるみとくず粉を使うことで豆腐のような形と食感を持ち、お盆や法事などでも供される岩手県江刺地方に伝わる伝統料理で、和ぐるみが手に入る岩手県では長く愛されてきたことがわかりました。
素朴なくるみの味を楽しみたい人はぜひ食べてみてください。