【福島県いわき市】銘菓「じゃんがら」?歯ごたえのコントラストとまろやかな口どけがクセになる懐かしい和菓子

どっしりと重厚なあんと、さっくりと歯ごたえのある皮が特徴の福島県いわき市の銘菓「じゃんがら」は、いわき市に限らず、福島県内の物産館やスーパーで手に入れることができます。お土産やお持たせの定番品なので、一度は食べたことがある方も多いのではないでしょうか。

今回はじゃんがらの魅力について、深掘りしたいと思います。


いわき市の銘菓「じゃんがら」とは

いわき市のお菓子として有名な「じゃんがら」とは、どっしりとした重厚なあんを、さっくりとした食感の皮で挟み込んだ和菓子です。

あんには、北海道産小豆「しゅまり」を使用し、ねっとりとした重みのある食感に仕上げます。皮の材料は、卵・小麦粉・全粉乳とシンプルです。表面に蜜を塗ることで、表面はサクサク感がアップ。がぶりと頬張れば、皮のサクサク感、あんのねっとり感、それぞれの食感のコントラストを楽しめます。

味わいは、やさしいミルキーな風味と、あんこのしっかりとした甘さが、喧嘩せずに混ざり合う「ちょうど良いバランス」です。少し甘みを強く感じるかもしれませんが、だからこそお茶のおいしさが活きる!渋めの緑茶だけでなく、牛乳や紅茶、コーヒーにも合います。ぜひティータイムのお供にどうぞ!


じゃんがらは「お菓子のみよし」のロングセラー製品

じゃんがらを製造販売しているのは、「お菓子のみよし」です。昭和24年に創業した老舗菓子店で、2025年現在では福島県内に12店舗、茨城県に1店舗を有しています。

じゃんがらのほか、和菓子から洋菓子まで、取り扱っている商品ラインナップは幅広いです。お茶の席にも喜ばれる上生菓子はどれも品のよい出で立ちで、職人さんの技術力の高さがうかがえます。福島県の花・しゃくなげをモチーフにした焼き菓子「ロッサージュ」2種類のあんが楽しい栗まんじゅう「いわき みよし栗」チョコレート味のどらやき「ダイアモンドリング」など、製造より30日ほどの日持ちする商品も豊富です。公式Webページから、ぜひチェックしてみてください。

お菓子のみよし<Information>

  • 名 称:お菓子のみよし【本社工場】
  • 住 所:福島県いわき市平谷川瀬一丁目11番地3
  • 電話番号:0246-23-7111
  • URL:https://j-miyoshi.jp/index.html

Google Map


じゃんがらの名前の由来は郷土芸能

お菓子のじゃんがらの名前の由来は、いわき市の伝統芸能「じゃんがら念仏踊り」です。じゃんがら念仏踊りが行われるのは、8月の旧暦のお盆の際です。若輩たちが太鼓と鐘を持ち、新盆を迎える家を訪れ、念仏を唱えながら踊ります。いわき市の無形民俗文化財にも指定されました。

発祥は17世紀中ごろと言われ、当時の江戸で大流行していた「泡斎念仏(ほうさいねんぶつ)※江戸時代初期に茨城県の僧侶である泡斎が始めた念仏踊りの一種」を、磐城平藩の用水路造りに尽力した「沢村勘兵衛」の墓前で舞い踊ったのが始まりとされています。今でも毎年8月14には、沢村勘兵衛の慰霊碑がある平泉崎の光明寺で、じゃんがら念仏踊りが奉納されています。

ちなみにお菓子のじゃんがらの形は、じゃんがら念仏踊りで使われる太鼓をモチーフにしているそうです。


過去には将棋・竜王戦の「おやつ」となって話題に

福島県いわき市・塩屋埼灯台

じゃんがらは、2021年に福島県いわき市で行われた将棋の竜王戦七番勝負第3局で、藤井聡太氏が午前中のおやつとして注文したことでも注目を集めました。

将棋のタイトル戦は長時間対局となるため、1日2回のおやつが出されることが通例です。将棋の対局内容はもちろんですが、棋士たちの選ぶ「将棋めし」は、度々話題となります。藤井氏は第1局・第2局と、かわいらしい見た目のいわゆる「映える」スイーツをチョイスしていたこともあり、あえて伝統色の強い「じゃんがら」を選んで注文したことで、意外性が一層強まったようです。

地域の誇る銘菓「じゃんがら」が脚光を浴びたこの出来事は、福島県民として誇れる一幕でした。


じゃんがらで癒しのティータイムを!

今回は福島県いわき市の銘菓「じゃんがら」を紹介しました。

老舗菓子店「お菓子のみよし」が手掛けるじゃんがらは、お土産やお持たせの定番ともいえる有名なお菓子です。サクサクともっちりのコントラストが活きた食感と、まろやかで重厚な甘さのハーモニーは、唯一無二の味わいを奏でます。福島を訪れた際には、ぜひお土産候補の1つとしてチェックしてみてはいかがでしょうか。


その他の記事