
正月といったら何を食べる?歴史と文化が反映されたご当地お正月料理が大集合【福島県】
目次
全国各地で独自の進化を遂げた正月料理。東北・福島県の正月料理も、土地の歴史や文化が色濃く反映された進化を遂げています。
いかにんじんやこづゆなどの有名郷土料理だけでなく、せっかくなら他の料理にもスポットを当てたい!
ということで今回は、福島の正月を語る上で欠かせない定番料理を紹介します。次の正月は、お家やご当地で「福島らしさ」を堪能してみませんか?
【豆かずのこ】食感のコントラストが楽しい縁起のよい料理

子孫繁栄の象徴でもある数の子と、健康でまめに働けるようにと縁起をかけた豆を混ぜた料理です。豆かずのこの主役は、豆。大量の豆の中に、千切られた数の子がいるといった状態をイメージしてもらえるとよいかと思います。
使われる豆は、「ひやし豆」。
青大豆の一種で、鮮やかな緑色をしています。収穫後にしっかりと乾燥された豆は、日持ちが長く、古くから保存食として重宝されてきました。
豆かずのこのつくり方は、シンプルです。一晩水に浸してから、茹でた豆。薄い塩水に半日以上つけて、塩気を抜いた数の子。2つを合わせ、醤油・みりん・だし汁で作った漬けダレをかけて、味がなじむまで置いたら完成です。
ポイントは、タレの味を濃くしすぎないこと。時間を置くほど漬け込まれてしまうので、食べきるまでにどんどんしょっぱくなってしまいます。薄味で漬け込み、食べる際にお皿で醤油をかけるのもおいしいです。豆のコリコリとした食感、数の子のプチプチとした食感が楽しく、お酒に合いますよ。ただし、豆はお腹で膨れるため、食べすぎ注意です。
【ひき菜もち】火事を避ける願いをこめた家庭の定番
大根やにんじんを太めの千切りにし、炒め合わせる家庭料理「ひき菜炒り」。冬野菜でおいしくご飯が食べられる、食卓の定番です。このひき菜炒りに、凍み豆腐や油揚げ、そしてもちを加えたのが「ひき菜もち」です。福島県北部を中心に、全県で食べられています。
大根を食べると胸やけがしないと、聞いたことがありませんか?「胸やけ」を「棟焼け」とかけて、家(棟)が火事にならないようにとの願掛けに使われるようになったそうです。
作り方は簡単です。千切りにした大根・にんじん・油揚げなどを鍋で炒め、醤油とみりんとで味をつけ、しんなりとするまで火にかけます。野菜類に火が通ったら、切り餅を投入し、餅がやわらかくなったら完成です。特別な材料は必要ないのもうれしいポイントですね。
ちなみに「大根とにんじんの千切り」は、福島県北部ではかなり頻出のコンビです。正月の定番・雑煮を作る際も、大根とにんじんの千切りや鶏肉を醤油ベースで煮込んでつくる家庭もあります。大根とにんじんの千切りは色の見栄えも良く、冬でも手に入りやすいため、重宝されるのかもしれませんね。
【お平】川の幸・山の幸・海の幸がてんこ盛りの逸品

福島県只見町。会津地方の中でも南西部に位置し、県内屈指の豪雪エリアとしても知られます。厳しい冬に備えるため、地域では保存食づくりの技術が受け継がれてきました。
この只見町で古くから作られてきた正月料理が「お平(おひら)」です。平べったい椀に盛り付けることから、その名がついたとされています。お平は、川の幸・山の幸・海の幸をふんだんに使った煮物料理。
- 川の幸:産卵期で腹の色が赤くなったハヤ(川魚)の焼き干し
- 山の幸:舞茸
- 海の幸:昆布
さらに根菜や厚揚げなどが加えられます。盛りつけ方にも決まりがあり、一番上はハヤの焼き干しが見えるように重ねられます。
貴重な保存食剤を、それぞれの風味を引き立てながら品よく仕上げるお平。実は栄養バランスも優れており、冬の健康維持には欠かせない料理だったのではと考えられます。
【ざくざく】切り揃えた多種多様な具材の旨みがたっぷり

福島県二本松市で、江戸時代頃から親しまれている郷土料理「ざくざく」。名前の由来は、食材を角切りにする音「ざくざく」が元になっているという説があります。会津地方の郷土料理「こづゆ」と似ていますが、こづゆは貝柱ベースの出汁を使い、ざくざくは煮干しベースの出汁を使うなどの違いがあります。
ざくざくは、使われる具材の種類が多いことも特徴です。里芋・にんじん・ごぼう・こんにゃく・干し椎茸…など。すべてを角切りに切りそろえるので、調理には根気がいります。手間はかかりますが、数々の食材がもつ風味が複雑に重なり合い、出汁には重厚な深みが出ます。どこか素朴でもあり、華やかでもあり、福島の正月の晴れやかさを演出する料理です。
「福島」の正月を楽しもう
今回は福島の伝統的な正月料理を紹介しました。
伝統的な郷土料理には、生活の知恵がたっぷりと詰まっています。特にハレの日に食べる正月料理は、腕によりをかけて、幸せを願う気持ちを込めてつくり続けてきたのでしょう。
次の正月は、福島の知恵と恵みがたっぷりと詰まった料理で、新たな一年の幕開けをお祝いしてみてはいかがでしょうか。






















