日本最大の市民音楽祭「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」
「マチ」そして「ヒト」とともに成長を続ける「音楽文化」 がある。
どこからともなく聞こえてきた少女の弾き語りに耳を誘われ、歩を進めた道の真ん中に現れたドラムセット。ふと、まわりに目を配るとすれ違う人びとの多くがなにかしらの楽器を抱えている。街中のそこらで生音が飛び交い、子供たちが親父バンドの奏でる音色を無邪気に乗りこなす。
毎年9月に仙台市中心部を舞台に開催される世界でも希な市民音楽祭「定禅寺ストリートジャズフェスティバル(JSF)」は、「本来、音楽は野外でやるもの」という概念のもと1991年にうぶごえをあげた。 杜の都 仙台の所以でもあるケヤキ並木の定禅寺通りを中心に、商店 街の通りや公園、ビルのエントランスからミュージアムまで、およそ90ステージ。全国から700組を超えるバンド約5千人が集まり、 来場者は70万人におよぶ。
「JAZZ」の音楽祭ではない
「ジャズフェス」だから「ジャズ」?ちょっと待ってください。「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」は「JAZZ」の音楽祭ではないのです。
JSFオフィシャルページには以下のようにある。
「ストリートジャズ」とは、19世紀末、アメリカ南部の街角で新しい音楽として産声を上げたジャズの、自由な精神と表現を受け継ぎ、ここ仙台・定禅寺から新しい音楽とその文化を発信していけるような、そ んな思いを込めた造語です。あらゆるジャンルの音楽が融合し、そこ から街に優しく調和する独自の「ストリートジャズ」が生まれていくことを、私達は願っています。」
実際にJSFでは、ジャズはもちろんのこと・ロック・ワールドミュー ジック・ゴスペル、さらにはアイドルソングからクラブミュージックまであらゆる音楽が鳴り響く。応募抽選制の出演者に、プロ・アマ・年齢・音楽ジャンルなどの制限を設けていないことからも、みんなでつくりあげようとする姿勢が伺えるだろう。
近年の出演者を振り返る
ここでほんの一部となってしまうが、近年の出演者を振り返っておこう。
仙台で活動する地元アーティスト
・Earth,Wind & The Gang
・CLUSTER
こんな著名人も!
・綾戸智絵
・熊谷和徳
・日野皓正、dj Honda
これからの音楽
JSFには“なにか”がある。誰しもが純粋に音楽を楽しむ光景はただただ眩く、それはもはや音楽性がどうのということではない。これまでわたしは音楽とどのような関係にあったのだろう?そんな疑問が自然と生まれ胸を打つ。商業音楽に翻弄される昨今の音楽を考えるに、“これからの音楽”となり得るものがこの「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」にはきっとあるだろう。
INFORMATION
名称 | 定禅寺ストリートジャズフェスティバル in 仙台 |
開催場所 | 仙台市中心部(仙台市青葉区一番町・国分町・本町・中央ほか、仙台市宮城野区榴ヶ岡) |
公式URL | http://www.j-streetjazz.com/ |