
【福島県郡山市】国指定天然記念物を拝める!鹿島大神宮のペグマタイト岩脈とは?
目次
国指定天然記念物を拝める唯一無二のパワースポット、福島県郡山市西田町「鹿島大神宮」をご紹介します。
鹿島大神宮の御神体は、巨大なペグマタイト岩脈です。今日までかつてのままの姿を残す希少性から、国指定天然記念物に指定されました。圧倒されるほどのスケールに、訪れる人はきっと畏敬の念を覚えずにはいられないでしょう。
この記事は、鹿島大神宮やペグマタイトについての雑学を深堀りしてお伝えします。パワースポット巡りが好きな方は、ぜひチェックしてみてください。
かつて福島はペグマタイトの一大産地だった

ペグマタイトとは、大きな鉱物の結晶が集まる火成岩の一種です。マグマが冷えて固まる過程で形成され、巨晶花崗岩や鬼御影と呼ばれることもある鉱物です。
ペグマタイトの主成分は石英で、ガラスや光学レンズの製造に長く使われてきました。石英以外にも、さまざまな成分が結晶として現れます。船舶の原料をつくるための触媒となる成分も採取されたため、戦時中は特にニーズが高まった鉱物です。福島県阿武隈山地は、ペグマタイトの一大産地であり、福島県石川町にも福島県の天然記念物に指定されたペグマタイト鉱物があります。
各所の鉱山は、昭和の時代に採掘が進み、かつての姿を残している場所は多くありません。阿武隈山地のペグマタイト鉱山も例外でなく、現在は鉱山としては残っていません。
1200年以上の歴史をもつ鹿島大神宮
鹿島大神宮とは、福島県郡山市西田町にある神社です。
福島県郡山市西田町とは、郡山市の最東部に位置する地域です。伝統工芸「三春駒」などを生産する高柴デコ屋敷や、いわれの古い神社仏閣が存在するなど、古き良き伝統を色濃く残す地域です。
鹿島大神宮の起こりは、天応元年に安積郡大伴安積連丸古部古佐美が、この地に常陸国鹿島神宮を勧請したのが始まりと伝わっています。天応元年を西暦に直すと、781年~782年です。つまり、1200年以上の歴史をもつ神社だということになります。
鹿島大神宮の御神体は、ペグマタイトの巨大な岩脈です。日本には古来から、岩や石を御神体として崇める磐座(いわくら)という信仰スタイルがあります。古神道には自然界のあらゆるものに神が宿ると考えられていました。そのため、鹿島大神宮の御神体であるペグマタイトの巨石は、古来から大切に扱われてきました。自然条件でこのように地表に大きく露出する例はまれであるうえに、御神体だから採掘を免れてきた岩脈は、希少性があり学術的にも大変価値が高いそうです。鹿島大神宮のペグマタイト岩脈は、国指定天然記念物にも指定されています。
実際に鹿島大神宮を参拝してきた

実際に鹿島大神宮を訪れた記録をお伝えします。駐車場は道路向かいにあり、広々としたスペースが確保されています。看板の案内によると、境内には1万4,000tもの岩脈があるとのこと。東京タワーの重さがおおよそ4,000tであるらしいので、何となく「めちゃめちゃな量がある」と言えば伝わるでしょうか、。

1つ目の鳥居をくぐると、左奥に社務所が見えてきます。社務所の手前にはお手水も。

龍の足元にも、ペグマタイトらしき姿が見えます。

2つ目の鳥居をくぐると、参道には杉が並びます。中には樹齢約400年のものもあり、たくましく高々とそびえ立つ様は圧巻です。「鹿島大神宮のスギ」は、平成21年に福島県の緑の文化財に指定されました。対の夫婦杉も、ご利益がありそう。

石段を登りきると、いよいよ拝殿にたどり着きます。境内はとても静かで、まるですべての音を吸い取るかのよう。木々の葉がすれる音や鳥の鳴き声も、不思議とやわらかく感じました。
「鹿島大神宮」と掲げられた神額は、きらびやかで荘厳な雰囲気です。柱の装飾なども、繊細さが宿るものでした。
まずはご参拝。

社殿に対して左手側に目をうつすと、巨大なペグマタイトの岩脈が見え始めます。

スケールの大きな岩々が立ち並ぶさまは、圧巻です。大きく露出した岩肌には、大きな結晶が見られます。

岩脈は斜面に沿って上へ上へと伸びているため、ふもとから見上げると、より大きさを実感できます。古くから御神体として崇め奉られてきた理由を、肌で感じることができるでしょう。

境内には立派な神楽殿もあります。かつては春季大祭・秋季大祭で鹿島大神宮太々神楽が奉納される際に使用されていました。
ペグマタイト岩脈の御神体だけでなく、境内のすべてのものが厳粛な雰囲気をかもしていると感じました。
鹿島大神宮<Information>
- 名称:鹿島大神宮
- 所在地:福島県郡山市西田町丹伊田宮作239
- 電話:024-971-3276
- Webサイト:https://kashimadaijingu.jp/
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唯一無二のパワースポット「鹿島大神宮」
今回は鹿島大神宮のペグマタイト岩脈をピックアップしてご紹介しました。
かつて工業製品の原料として採掘されていたペグマタイトの大きな岩脈が、御神体というかたちで在りし日のままで保存されている「鹿島大神宮」。国指定天然記念物にも指定され、今後も後世へと大切に引き継がれていくことでしょう。
鹿島大神宮を実際に訪れてみて、パワースポットといわれる由縁を肌で感じてきました。境内は自然との調和が心地よく、心の憂さを晴らしてくれます。また、圧巻のスケールをもつペグマタイト岩脈の御神体を前にすると、明日からもっと自分と向き合って、より良く生きようと、気持ちを正してもらえた気がします。(個人の感想です)
岩脈を見てみたい。パワーをもらいたい。そのようなときはぜひ、訪れてください。ただ、今日まで鹿島大神宮のペグマタイト岩脈がその姿を残してきたのは、地域のみなさまの並々ならぬ努力があると推察されます。素晴らしい遺産を未来に引き継ぐためにも、マナーは忘れずに持ち合わせていきましょう。