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大正時代にタイムトリップ!?~台東区立下町風俗資料館~

大正時代の駄菓子屋の店頭

再現された、大正時代の東京の下町風景

「下町風俗資料館」をご存じですか? ここには大正時代の東京・下町の風景が実物大で再現されています。ここに来れば、今からは想像もつかない、昔の暮らしを体験できます。気分は、まさにタイムトリップです!

大正時代の東京・下町の長屋を再現!

上野公園の不忍池の前にあるのが、下町風俗資料館

不忍池のほとりに建つ「下町風俗資料館」は、大正から昭和30年代にかけての東京・下町の暮らしを今に伝えるために、昭和55年(1980)10月1日に開館しました。1階には、大正時代の東京・下町の長屋と商家が実物大で再現されています。訪れたのは平日の午前中でしたが、海外のさまざまな国からの観光客で、館内はにぎわっていました。

大正時代の駄菓子屋の店頭

1階に広がる長屋にある駄菓子屋さんです。昭和30年代に子供時代を過ごした世代には、特に懐かしいお菓子や玩具が店頭に並んでいます。写真の右側には、木桶に入った瓶ラムネも見えます。まだ、ジュースを冷やす業務用の冷蔵庫がなかった頃の、駄菓子屋さんであることがわかりますね。

長屋の外に、手動ポンプでくみあげる井戸がありましたから、おそらくは、木桶に井戸水を入れて、ラムネを冷やしているのでしょうね。冷蔵庫のなかった時代は、スイカやジュースは井戸水で冷やすのが普通でした。井戸水は地下水なので、水道水とは比べ物にならないほど冷たかったからです。

鍋・やかん職人の家

駄菓子屋さんの隣の部屋は、職人さんの家です。右手の台所にも見える場所が作業場で、正面の畳敷きの部屋に1家4人が寝起きしているのです。他に部屋はありません。寝る時は、部屋の真ん中に置いてあるものを隅に片づけて布団を敷くわけです。

芸能の神様を祀った神社とおみくじ

下町の長屋につきものだったのが、稲荷神社です。江戸時代には、その土地の守り神として、家や長屋には必ずといって祀られていたそうです。ちなみに画面右側にのテーブルの上にあるのは、「おみくじ棚」と「みくじ筒」です。嬉しいことに、展示されているおみくじですが、実際に引くことができます。

実際に、おみくじも引けます

棚の横にある「みくじ筒」を手に取ってカチャカチャ振って、「みくじ棒」を取り出したら、記されている数字に対応した番号のおみくじ棚を開けます。すると、ちゃんとおみくじが入っているんです。もちろん、持ち帰って大丈夫です。

今はないレトロなアイテムをチェック!

ブリキのおもちゃ

2階の展示室に上がってみると、昔懐かしい玩具がショーケースに並んでいます。他に、実際にさわって遊べる木製の玩具などもあります。2階は下町の生活や季節の暮らしについての資料が展示されています。夏の間は、「下町の夏 衣食住+遊」というテーマで夏の暮らしを展示していました。では、2階の展示を見てまわりましょう。

氷で冷やす冷蔵庫

冷蔵庫というと、今では電気を使うのが当たり前ですが、昭和30年代までは、冷蔵庫といえば電気ではなく、氷を使って冷やすものだったのです。上の棚に大きな氷を入れて、その冷気で下の段に入れた食品を冷やす仕組みです。内部はトタン張りになっていて、内側にはコルクを断熱材として使っていました。氷が溶けると水が出てきますが、その水はちゃんと外に排出される仕組みになっていました。そして、氷は、町内に1軒はあった氷屋さんから、毎日のように配達してもらっていたのです。

室内で吊るす、蚊帳

昭和40年代半ばまでは、蚊帳を吊って、その中で寝るのが一般的でした。当時、蚊取り線香で蚊をよけてはいましたが、途中で火が消えてしまったり、あまり長い時間使えなかったのです。ですから、蚊が入ってこれない、細かい繊維の蚊帳は夏の必需品でした。その後、電気を使った一日中蚊取りができる商品が発売されるようになったからでしょうか、次第に蚊帳の出番はなくなっていきました。

レコードを聴く蓄音機とステレオ

画面左側にあるのが蓄音機、右側はステレオプレイヤーです。どちらもレコード盤を聞くためのものです。蓄音機の方は、ハンドルを手回しして作った電気でレコード盤を回して、音を再生します。ステレオプレイヤーの方は、今と同じように電気を使っています。ちなみに、ステレオプレイヤーはかなりのぜいたく品で、昭和40年代半ばまでは、普通の家庭で使っていたのは、小型のレコードプレイヤーでした。

昭和40年頃の家庭

2階の展示室の一番奥にあるのが、昭和40年代の下町の家庭です。1階の展示室の大正時代の長屋の暮らしとは、まるで別世界です。右手の棚の上にはラジオがあり、部屋の真ん中には白黒テレビがあります。よく見ると、テレビの右手には扇風機と黒電話もあります。テレビは昭和39年(1964)の東京オリンピック開催がきっかけとなって、東京の下町にも普及してきたそうです。ちなみに、カラーテレビが家庭に入ってくるのは昭和43年(1968)ぐらいからです。

いかがでしたか?

1階には江戸情緒の残る大正時代の下町の暮らしがあり、2階には大正時代から昭和40年代までの下町の暮らしが再現されています。時代によっての暮らしの変化が、よくわかるような展示になっています。今の時代の暮らしから振り返ると、想像もつかない日常を、「下町風俗資料館」で体験してみませんか?

INFORMATION

名称台東区立下町風俗資料館
所在地東京都台東区上野公園2番1号
電話番号03-3823-7451
公式URLhttp://www.taitocity.net/zaidan/shitamachi/
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南原順

投稿者の記事一覧

作家・脚本家・アニメーションプロデューサー。池田理代子監修「ベルサイユのばら」ドラマCDの脚本・監督、「陰陽師『安倍晴明』」(二見書房)など、多数の著書あり。週末はツアーコンダクターとして活動するトラベルライターとしても、注目を集めている。趣味はアニメ・ドラマ・映画の聖地巡礼。

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