【青森県】青森の地吹雪がすごすぎる!体験ツアーで津軽の雪の恐ろしさを実感!?
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青森の冬は、日本でも指折りの厳しさを誇ります。ただ雪が降り積もるだけでなく、強風が吹き付けて雪を巻き上げる「地吹雪」が頻繁に発生します。特に津軽地方では、この地吹雪によって「ホワイトアウト」と呼ばれる視界が完全に遮られる現象が起きるため、命に関わる危険もあります。
そんな青森の厳しい冬に対して、地域の人々は長い間、防寒具や防雪柵、建築の工夫を通じて自然と共存してきました。本記事では、青森の地吹雪の特徴や地域の知恵が詰まった防寒対策、さらに地吹雪体験ツアーについて詳しくご紹介します。
地吹雪とは?ホワイトアウトが作り出す厳しい青森の冬
青森県といえば言わずと知れた豪雪地帯ですが、その中でも危険な地吹雪をご存じでしょうか?まずは地吹雪の危険性や、発生する地域について紹介します。
地吹雪は青森で頻発する自然現象
地吹雪とは、強風によって雪が舞い上がり、視界を遮る現象を指します。新たに雪が降っている場合だけでなく、すでに積もっている雪が風によって舞い上がることでも発生するため、雪が降っていない日でも油断はできません。
地吹雪の最大の危険は、視界を遮られることで前が見えなくなり、車や歩行者が立ち往生してしまうことです。周りに建物がない広い道路や田畑に囲まれたエリアでは、地吹雪によって突然のホワイトアウトが発生することがあり、道路標識や建物さえも見失うほど。前の車がどこにいるのか、今どこを走っているのかわからなくなるため、非常に厄介な自然現象です。
ホワイトアウト状態になると車のライトをつけて走らなければならないのですが、これは前方の視界をよくするためではなく、後続車に自分の車の位置を知らせるため。むしろ地吹雪が発生したときにハイビームなどで運転するとさらに視界が悪くなるので、ポジションランプを点灯するのが適切です。
ホワイトアウトの恐ろしさ
ホワイトアウトとは、地吹雪や降雪によって周囲が白一色に包まれ、方向感覚が完全に失われる現象です。視界がわずか数メートル以下になることも珍しくなく、経験が浅いドライバーや観光客にとっては特に危険な状況を引き起こします。
この現象は広い雪原や遮るものの少ない道路で発生しやすく、突風とともに一気に視界を奪われることがあります。ホワイトアウトが原因で立ち往生する車両や歩行者が多発することから、青森では日頃から地吹雪対策への意識が高められています。
津軽地方や日本海側の平野部で多発
青森県内では、津軽地方や日本海側の平野部が地吹雪の多発エリアとして知られています。特に風が抜けやすい田畑が広がる地域では、地吹雪が頻繁に発生します。津軽平野では雪を遮るものが少ないため、風の通り道となり、地吹雪の発生率が高くなります。
また、海岸線や山間部も地形の影響で地吹雪が起きやすい地域です。冬場はこれらの地域での移動には十分な注意が必要で、地元住民も天候情報を頻繁にチェックしながら日常生活を送っています。
青森の厳しい冬を乗り切るための防寒・防雪対策
ここからは青森県の伝統的な防寒着や防雪対策について紹介します。
伝統的な防寒着「角巻き」
青森の厳しい冬に欠かせない防寒具として、伝統的な「角巻き」が挙げられます。角巻きは、江戸時代から使用されてきた厚手の防寒着で、首元から足元まで体をすっぽりと覆うデザインが特徴。素材には保温性の高い生地が使われており、強風や雪から体を守る優れたアイテムです。
近年では観光体験として角巻きを着用できるイベントも増えており、地元の文化を感じながらその機能性を実感することができますよ。
防雪柵で道路の安全を確保
青森の道路沿いには、防雪柵が設置されている場所が多く見られます。この防雪柵は、強風によって吹き付ける雪を遮り、道路上の視界を確保するための重要な設備。特に地吹雪が頻発する津軽地方では、防雪柵が冬場の交通を支える欠かせない存在となっています。毎年秋ごろには防雪柵の取り付け作業が、春ころには防雪柵の撤去作業が行われ、青森県民は防雪柵によって冬と春の訪れを感じているのです。
柵の設置位置や高さは地域の地形や風向きに応じて調整されており、道路が完全に雪で覆われるのを防ぐ工夫がなされています。
建物の工夫「風除室」
青森では多くの建物に「風除室」と呼ばれる玄関前のスペースが設けられています。風除室は、外からの冷たい風や雪が直接室内に侵入するのを防ぐための工夫で、特に地吹雪が多発する地域では必須の設備と言えます。
玄関を二重構造にすることで冷気の流入を最小限に抑え、建物内を暖かく保つことができます。雪国の建物には多く見られる風除室ですが、実は台風の多い沖縄県にも設けられているんだとか。真逆の気候でありながら同じ設備を活用しているなんて驚きですね。
青森の地吹雪を体験しよう!
県外の人にも青森の地吹雪を安全に楽しんでもらおうと、五所川原市では「地吹雪体験ツアー」を開催しています。このツアーでは、津軽鉄道「芦野公園駅」周辺の雪原を舞台に、地吹雪の恐ろしさと美しさを体感することができます。
参加者は、伝統的な角巻きやもんぺ、かんじきを着用し、雪国ならではの防寒対策を学びながらツアーに挑みます。強い風が吹き付ける中、地吹雪の中での歩行を体験することで、青森の冬の厳しさを実感できる貴重な機会です。また、地元ガイドの案内によって、雪国での生活の知恵や自然との共存について学ぶこともでき、外国人にも大人気。
このツアーは毎年1月下旬から2月上旬の土日で開催しています。前日の午前10時までに予約が必要なので、青森旅行が決まったら早めに予約しましょう。
INFORMATION
- 期間:毎年1月下旬~2月上旬の土日※要予約
- 料金:大人 3,000円、子供 500円
- 所要時間:約1時間30分
- お問い合わせ:津軽地吹雪会 TEL 080-3195-4036
まとめ
青森の冬は、地吹雪やホワイトアウトが作り出す厳しい自然環境によって特徴づけられます。地域では伝統的な防寒具「角巻き」や防雪柵、風除室など、多くの工夫を通じて自然と共存する生活が営まれています。
五所川原市での地吹雪体験ツアーでは、雪国ならではの環境を安全に体験し、その恐ろしさと魅力を学ぶことができます。青森を訪れる際は、こうした地域の知恵や工夫に触れながら、雪国の冬の醍醐味を存分に味わってみてはいかがでしょうか。