【東京】玉の輿発祥の地?秋葉原駅前の柳森神社は、女性にご利益あり!
JR山手線・京浜東北線。総武線と東京メトロ日比谷線、つくばエクスプレスの秋葉原駅から徒歩3分、神田川沿いにあるのが柳森神社です。今は地元の人にしか知られていない小さな神社ですが、柳森神社は江戸城の前身にあたる太田道灌が築いた千代田城を守護する神社として創建され、明治時代には女性に大人気の神社だったのです。隠れた江戸の名刹、柳森神社をご案内いたします。
秋葉原駅から徒歩3分!柳森神社の歴史
秋葉原駅を出て、神田川にかかる神田ふれあい橋の真ん中から浅草橋方面を眺めた景色です。左手が秋葉原駅。右手が柳森神社です。柳森神社は、橋を渡った左手にあります。神田ふれあい橋は、歩行者のみが行き来する橋です。そして神田川ですが、源流は吉祥寺の井の頭公園の池にあります。カップルでボートに乗ると池に祀られている弁天様が嫉妬して別れるという都市伝説のある池で、この池の水が善福寺川、妙正寺川と合流して神田川の流れに繋がっていきます。
柳森神社は、元々は長禄2年(1458)に太田道灌が現在の佐久間町一帯に、江戸城の鬼門封じとして建立しました。柳は魔を封じる力があるということで植えられ、文字通り柳の森の中の神社だったのです。そして、万治2年(1659)になって、現在の場所に移ります。柳の森も現在の場所に移植されたのです。江戸時代、徳川将軍家に保護されて、おおいに栄えました。明治・大正時代も地元に親しまれてきましたが、大正12年(1923)9月に起きた関東大震災で、社殿が焼けてしまい、復興したのは昭和5年(1930)。また太平洋戦争での空襲の被害を受け、昭和29年(1954)に修繕と神楽殿の造営を終え、その後昭和59年(1984)に二度の放火で神楽殿が全焼し社殿も半焼となり、198年(昭和61)春に修復を終えて今に至っています。
玉の輿に乗れるという噂の神社
鳥居をくぐると階段になっています。こちらが現在の柳森神社の境内です。左手にある大きな鳥居の奥にあるのが明治時代、女性がお参りすると玉の輿に乗れる、すなわち良縁に恵まれると評判だった福寿神祠です。福寿神祠は、元々は江戸城大奥に第五代将軍徳川綱吉の生母・桂昌院が、これまでの幸福な人生を神様に感謝する目的で作られた祠だったのです。
というのも、桂昌院は元々は京都堀川の町人の娘で、名前は「おたま(お玉)」といいました。夫を亡くしたおたまの母親が武家の後妻に入り、おたまは武家の養女となり、行儀見習いで遠縁の公家の屋敷で奉公していたところ、3代将軍徳川家光の乳母・春日局の目にとまり家光の側室となったのです。おたまが将軍家に輿入れする時、おたまを赤い輿(おみこしのような駕籠)が迎えに来て、それに乗って江戸城に入ったので、おたまの輿、たまの輿…玉の輿という言葉は、こうして生まれたのです。その後、おたまの産んだ子は5代将軍綱吉となり、町娘のおたまは将軍の母親へと上りつめていきますから、大奥の女性たちにとって「自分もそうなりたい」とまさに憧れとなり、桂昌院の信心していた福寿神祠にこぞってお参りをしていたのです。
やがて、徳川幕府がなくなると大奥もなくなり、福寿神祠は大奥から移されて、1869年(明治2)に、柳森神社に祀られるようになりました。そして大奥に伝わっていた桂昌院の出世物語が一般にも広まり、柳森神社の福寿神祠は女性に人気の神社となりました。
狛犬ではなく、なぜ、たぬき?
鳥居の両側には、たぬきの石像があります。普通神社なら狛犬、稲荷神社なら狐ですが、なぜたぬきなのでしょうか?これには理由があります。たぬきに「他を抜く」という「他ぬき」という意味を掛けているのです。ただの町娘のおたまが将軍の側室になったことだけでも大変なことですが、将軍の生母にまでなるには他の側室たちとの競争と、そして強い運が必要です。おたまは「他を抜いて」将軍生母となったということでここにはたぬきがいるのです。
鳥居の左側にいるたぬきです。明治時代は、柳森神社ではたぬきの形をした、たぬき守りというお守りが女性だけではなく男性にも人気だったそうです。他を抜くということから勝負事や出世で勝つご利益があるという評判でした。
こちらが福寿神祠です。祠の下のたぬきは鉄製です。江戸時代から今に残る福寿神祠は大奥の女性たちの願いを受け止め続け、明治、大正、昭和、そして平成の今も知る人ぞ知る江戸の名刹として柳森神社にあります。
室町時代に太田道灌が建立した柳森神社にある福寿神祠は、今は訪れる人も少なくなりましたが、実は江戸城大奥から続く女性に人気の隠れたパワースポットなのです。秋葉原駅からもすぐの場所にありますから、ぜひ散策してみてください。きっと楽しめます。
INFORMATION
名称 | 柳森神社 |
住所 | 〒101-0041 東京都千代田区 神田須田町2丁目25-1 |
電話番号 | 03-3251-6422 |
URL | http://www.tokyo-jinjacho.or.jp/chiyoda/5543 |
GOOGLE MAP |