明治生命館の見学者入口

丸の内で、重要文化財・明治生命館を見学しよう

昭和9年(1934年)に竣工した明治生命館は、平成9年(1997年)に国の重要文化財に指定されています。昭和の建物では初めてのことです。

現在も建物は、明治安田生命の本社として使用されていますが、指定の曜日と時間に限って見学できます。しかも無料なのです。それでは、見学に出発するといたしましょう。

見学は2階からスタート!

2階通路の吹き抜け
明治生命館の見学者入口は日比谷通りに面しています。一番近い最寄り駅は、東京メトロ千代田線・二重橋前駅です。まず、明治生命館の外観に注目してください。巨大なコリント式の巨大な柱が並んだ古典主義様式のオフィスビルは、まさに美術品そのものです。

見学者入口を抜けると、警備員の方がいます。見学ですと伝えて、エレベーターで2階に上がると受付があります。こちらで、見学用パンフレットを受け取ったら、2階の吹き抜けの通路の部屋を1つずつ見ていきます。

資料展示室で、明治生命館の誕生からを知ろう

2階 資料展示室
資料・展示室では、70年以上の歴史を知ることができます。明治生命館は、昭和5年(1930年)9月に起工して、昭和9年(1934年)3月31日に竣工しました。
戦後は、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が接収して、アメリカ極東空軍司令部として使用されていたのです。その後、1956年(昭和31年)に返還されました。
建築中の記録映像もあります
イスに座って、建設中の記録映像の鑑賞もできます。当時は今のように建設用重機がない時代でしたから、ほとんどの工事は人力で行なわれています。時代の空気が伝わる、貴重な映像です。

2階にある部屋をじっくり見学しよう

食堂の控室
写真左側の時計の下が、調理場で作った料理を運ぶエレベーターです。右側の画面の外で食堂と繋がっています。
食堂
まるで会議室のようですが、食堂です。天井や梁には、石膏で作られたぶどうと蔦のレリーフがあります。
見えにくいのですが、写真上部の梁の、少し薄暗くなっている部分がそのレリーフです。テーブルの奥に見える窪みは暖炉です。
会議室
GHQに接収されていた間、こちらの会議室で米・英・中・ソの4ヶ国代表による対日理事会が行われていました。昭和21年(1946年)4月5日が第1回で、昭和27年(1952年)まで、2週間に1回ペースで、164回開催されました。

第1回の会議では、当時、連合国最高司令官だったマッカーサーが演説を行っています。まさに歴史遺産といってもよい会議室なのです。
会議室の控室
会議室の隣にある控室です。

会議室が機能的な雰囲気なのに対して、こちらの部屋はやったりとしたリラックスできる雰囲気になっています。会議室というオフィシャルな場に対して、控室はプライベートな空間を感じさせます。
2階吹き抜けから見下ろした1階
2階通路から見下ろした、1階です。大きな柱、壁には主にイタリア産の大理石が使用されています。

5階建ての明治生命館の建物は、明治安田生命保険の本社として現在も使用されていて、1階は丸の内お客様ご相談センターとして営業しています。
そして、2階の吹き抜け通路には、他に執務室、応接室が3部屋、健康相談室が当時のままの状態で保存されています。

今もオフィスとして使われてる1階

2階天井部のガラス屋根と周辺の装飾
1階から2階吹き抜けの天井を見上げると、中央部はガラス張りで、天気のいい日には光が射し込んできます。その周りには、コファリングと呼ばれる八角形の窪みが並び、さらにその窪みの中にはロゼットと呼ばれる花形の装飾が施されています。
ロゼットと呼ばれる花形の装飾
こちらの写真では、窪みのすべてに花のレリーフが彫られているのがよくわかります。
2階の吹き抜けから天井を見上げると、細かな部分まで、はっきりと鑑賞できます。1階から見上げても、2階から見下ろしても、荘厳な、まるで神殿にいるわうな雰囲気があります。

1階の見学は土・日曜日限定ですので、土日の見学をおすすめします。

お隣の三菱第一号館も散策しよう

中庭から見上げた三菱第一号館
せっかくですから、明治生命館とは、丸の内仲通りをはさんで隣にある三菱第一号館にも行ってみましょう。

三菱一号館は、1894年(明治27年)にジョサイア・コンドルが設計した、三菱のオフィスビルです。 老朽化で1968年(昭和43年)に解体されましたが、2010年(平成22年)に、当時の設計図や資料、保存していた資材を使って三菱一号館美術館として再建されました。
この通りの奥にあるのが明治生命館です。
明治生命館から、馬場先通りを東京駅に向かって歩くと、通りにはレンガの赤い建物があります。これが、三菱一号館美術館の外観です。

デザインはイギリスで19世紀後半に流行したクイーン・アン様式です。まるで、ロンドンを歩いているような雰囲気です。
三菱一号館美術館の中庭
中庭には、木蔭の周りにたくさんのベンチがあって、ゆっくり休めます。カフェやレストランも中庭を囲むような形で、配置されています。

いかがでしたか?
明治生命館は、国の重要文化財です。しかも、無料で見学できます。おすすめは1階と2階の両方を見学できる、土・日です。建築物や歴史に興味がなくても、きっと、楽しい時間を過ごせるはずです。

INFORMATION

名称明治生命館
所在地東京都千代田区丸の内2-1-1
電話番号03-3283-9252
公式URLhttp://www.meijiyasuda.co.jp/meiji_seimeikan/
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INFORMATION

名称三菱一号館美術室
所在地東京都千代田区丸の内2丁目6-2
電話番号03-5777-8600
公式URLhttp://mimt.jp/
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