亀山テラス

気仙沼大島「亀山テラス360°」を現地レポ!モノレールで向かう山頂からの絶景【宮城県】

宮城県気仙沼市の気仙沼大島に、2026年7月19日、新たな観光施設「亀山テラス360°-Kesennuma Oshima-」がオープンしました。

施設の目玉は、亀山の中腹と山頂を結ぶ「亀山モノレール」。

東日本大震災で被災した旧亀山リフトに代わるアクセス手段として整備され、約15年ぶりに亀山山頂へ観光客を運ぶ施設が戻ってきました。

標高235mの山頂からは、気仙沼湾やリアス海岸、太平洋を一望できます。

今回は実際に亀山モノレールへ乗車し、新しくなった山頂の展望テラスや、そこから見える景色を詳しく紹介します。


気仙沼大島のシンボル「亀山」とは?

亀山
気仙沼大島・亀山

亀山は、気仙沼大島の北側に位置する標高235mの山です。島内最高峰であり、気仙沼大島を代表する展望スポットとして知られています。

山頂から見渡せるのは、どこまでも続く太平洋だけではありません。

気仙沼湾の穏やかな水面や、海上に浮かぶ牡蠣いかだ、気仙沼大島大橋、気仙沼湾横断橋、対岸に広がる気仙沼市街地など、見る方向によって異なる景色が現れます。

「緑の真珠」とも呼ばれる気仙沼大島の豊かな自然と、海とともに暮らす人々の営みを一度に見渡せる場所です。


かつて亀山山頂へ観光客を運んだ「亀山リフト」

亀山に山頂への移動施設が設けられるのは、今回が初めてではありません。

かつての亀山には、山麓と山頂付近を結ぶ「亀山リフト」がありました。

亀山リフトが開業したのは、1967年(昭和42年)。全長約903mの1人乗りリフトで、山麓から山頂付近までの所要時間は約12分でした。

現在のように気仙沼大島大橋がなかった時代、観光客は旅客船で大島へ渡り、リフトに乗って亀山山頂を目指しました。空中から島の自然や海を眺められる亀山リフトは、大島観光を象徴する施設の一つとなり、多い年には年間12万人を超える利用者が訪れたといいます。

しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災により状況は一変します。

亀山リフト
被災後の亀山リフト乗り場(2011年4月1日)|出典:Wikipedia(Public Domain)

亀山リフトは津波とそれに伴う火災で被災し、撤去を余儀なくされました。復興交付金などの対象にならなかったこともあり、同じリフトを再建することはできませんでした。


リフトのない亀山で残された山頂へのアクセス問題

亀山リフトの撤去後も、山頂からの美しい眺望が失われたわけではありません。

一方で、山頂へ向かう手段は、中腹の駐車場から徒歩で登る方法や、時期を限って運行されるシャトルバスなどに限られていました。

急な坂道を歩くことが難しい人や、小さな子どもを連れた家族にとって、山頂までの移動は決して簡単ではありません。亀山を再び大島観光の中心的な場所にするためにも、新たなアクセス手段の整備が長年の課題となっていました。

その役割を担うことになったのが、2026年に開業した亀山モノレールです。


「亀山テラス360°」とモノレールが2026年7月に開業

亀山モノレール駐車場駅
亀山モノレール駐車場駅

2026年7月19日、「亀山テラス360°-Kesennuma Oshima-」がオープンしました。

中腹の亀山駐車場と山頂を結ぶモノレールは、株式会社嘉穂製作所のスロープカーを採用。レールの長さは409mで、片道約6~7分かけて山頂まで上ります。

2両編成で乗客の定員は39人。ホームと車両の床面には段差がなく、車いすやベビーカーに乗ったまま利用できるユニバーサルデザインが取り入れられています。

屋外を1人で移動した旧リフトとは異なり、モノレールは大きな窓を備えた車内から景色を楽しむ仕組みです。

かつてのリフトをそのまま復活させたものではありませんが、「多くの人を亀山山頂へ運ぶ」という役割が、新しい形で受け継がれました。


実際に「亀山テラス360°」へ行ってみた

ここからは、実際に亀山テラス360°を訪れた際の様子を紹介します。

亀山モノレールへ乗車するには、中腹にある「亀山駐車場駅」まで向かいます。ただし、車で訪れる場合、そのまま亀山駐車場へ向かえばよいわけではありません。

開業直後の混雑対策として、亀山駐車場を利用する際には、事前に「浦の浜臨時駐車場」で駐車券を受け取る必要があります。

最初に浦の浜臨時駐車場へ

浦の浜臨時駐車場
気仙沼大島ウェルカムターミナルの先にある浦の浜臨時駐車場、駐車券配布場入り口

まずは気仙沼大島の玄関口に近い浦の浜臨時駐車場へ向かいます。

浦の浜臨時駐車場で亀山駐車場の駐車券を受け取ったあと、スタッフの案内に従ってモノレール乗り場のある亀山駐車場へ移動します。

訪問したのは午前9時ごろ。この時点で、浦の浜臨時駐車場は混む事なく、スムーズに駐車券を受け取る事ができました。

浦の浜臨時駐車場
係員から乗車したまま駐車券を受け取ります。

浦の浜臨時駐車場から亀山駐車場までは、車で10分ほどです。駐車券裏には亀山駐車場までの道程も書かれていますので迷うことなく現地まで向かう事ができます。

亀山
浦の浜臨時駐車場、駐車券配布場から見る亀山

なお、駐車券の配布や臨時駐車場の運用は、混雑状況などにより今後変更される可能性があります。訪問前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

亀山駐車場駅からモノレールへ乗車

亀山テラス

亀山駐車場へは入り口で駐車券を係員に渡すことで入場することができます。

駐車場所が指定されることはありません。駐車場入場後は好きな所へ車を停めます。

駐車しましたら、写真左奥の駐車場駅へ向かいます。

亀山テラス

駐車場駅、駅舎で往復乗車券を購入します。

乗車料金は中学生以上1,200円、小学生600円、未就学児は無料です。片道券は販売されておらず、事前予約にも対応していません。

乗車券の購入後は駅舎内でモノレールが降りてくるのを待ちます。

亀山テラス
駅舎内のモニター、これで随時モノレールの発着を確認することができる。

モノレールの発着は1時間に3回、20分毎です。モノレールが駐車場駅に到着すると、係員の案内でホームへと移動し、車内へと乗り込みます。

亀山テラス

モノレールは2両編成で、車両には大きな窓が設けられており、乗車前から車窓の眺めに期待が高まります。

尚、係員のアナウンスでは亀山山頂駅に着いた際には後の車両が階段を数段登る事になるため、先頭車両には足腰に不安がある方が乗車した方が良いとのことです。


約7分間の“空中散歩”!車窓から大島の景色を楽しむ

亀山テラス
後ろの車両、後部席からの景色

モノレールは、緑に囲まれた斜面をゆっくりと上っていきます。

乗車時間は片道約6~7分。高度が上がるにつれて木々の間から海や島の海岸線が見え始め、山頂へ近づいていることを実感できます。


山頂の「亀山テラス360°」に到着

亀山テラス
写真左が山頂駅、真ん中奥がメインテラス

モノレールを降りると、山頂駅に直結した「メインテラス」が現れます。

亀山テラス360°には、見える方角や景色に合わせて、次の4つのテラスが設けられています。

気仙沼湾を見渡す「メインテラス」

亀山テラス

メインテラスは、座席数も一番多く、気仙沼湾や牡蠣いかだ、気仙沼市街地、気仙沼大島大橋、気仙沼湾横断橋などを見渡せます。

亀山テラス
手前のアーチ形の橋が「気仙沼大島大橋 (鶴亀大橋)」

また、メインテラス入り口には亀山テラス360°のカフェスタンドもあります。

亀山テラス

ただし、今現在、亀山テラスのカフェスタンドは休日のみの営業となっていますので、カフェスタンド目当ての場合は営業日程の確認を忘れないようご注意ください。

メインテラスの逆側には3つのテラスが設置されており、それぞれ特徴が異なります。

空に浮かぶような心地よさ「そらのテラス」

亀山テラス

メインテラス逆側、最初にあるのは「そらのテラス」です。

亀山テラス
「そらのテラス」に設置されているソファー、優に大人が3人は寛げそう。もちろん、座席時には履物を脱ぐように。

「そらのテラス」は3~4人が一度に座れる大きな丸形のソファーが2つ設置され、足を伸ばし寛ぎながら景色を堪能することができます。

亀山テラス

「そらのテラス」からは大島の島内を見渡せます。目の前には亀山駐車場の配布場を訪れた際に立ち寄った「大島ウェルカムターミナル」も見えます。

太平洋と海岸線を望む「うみのてらす」

亀山テラス
亀山テラス

「うみのてらす」には二人掛けのソファーが3つ設置されています。

亀山テラス

そして正面に広がるのは太平洋です。眼下右側には田中浜(手前)と小田の浜(奥側)がつくる、ハート形にも見える海岸線が広がっています。そして島の先端に見えるのが龍舞崎と黒崎島です。

水平線と向き合う「ほしのテラス」

亀山テラス

南東側に面した「ほしのテラス」には、ソファーが設置されておらず、立ったまま遮るものの少ない景色と向き合える空間で「ヒップバー」が設置されています。

亀山テラス

ここでは太平洋の水平線や沖を行き交う船を眺められます。

一番奥側のテラス、ということもあり意外と穴場では?とも思います。


山頂で“見る”だけでなく“過ごせる”場所へ

新しい亀山山頂は、景色を見てすぐに帰る展望スポットではなく、ゆっくりと滞在できる場所として整備されています。

4つのテラスには合計50席が設けられ、ソファなどに腰掛けながら景色を楽しめます。トイレやレストハウスも整備されているため、山頂で落ち着いて過ごせるのも特徴です。

上でも記述していますが、土・日曜と祝日にはカフェスタンドが営業し、コーヒーやソフトクリーム、亀山ソーダなどを購入できます。

また、絶景が楽しめる亀山テラスのすぐ傍らには、古くから島を守る愛宕神社も祀られています。

亀山テラス 愛宕神社

東日本大震災の津波直後に起きた山火事で亀山は焼け野原となりましたが、山頂の愛宕神社は奇跡的に焼け残りました。猛火に耐え抜いた社殿の姿は、復興へ向かう島の人々にとって大きな心の支えであり、今も希望の象徴となっています。

訪れた際には参拝することもおススメです。


旧リフトの記憶を受け継ぐ新たな観光拠点

1967年の開業から、多くの観光客を亀山山頂へ運んだ亀山リフト。震災によって失われたあとも、山頂から見える大島の景色は変わらず人々を引きつけてきました。

亀山テラス
震災前の亀山リフト時のレストハウス、現在は外壁が塗り替えられ、休憩所、件トイレとして利用されている。

新たに整備されたモノレールは、かつてのリフトと同じ姿を再現したものではありません。

しかし、年齢や身体的な条件を問わず、より多くの人が山頂へ向かえるようになったことは、亀山観光の大きな一歩といえるでしょう。

空と海を間近に感じられる亀山の風景が、モノレールとともに新しい世代へ受け継がれていきます。

Information

帰りのモノレールに乗車する際は行きに購入した「乗車券」が必要になります。乗車券を無くさないようご注意ください。


まとめ

亀山テラス

「亀山テラス360°-Kesennuma Oshima-」は、モノレールで山頂へ向かう時間と、標高235mからの大パノラマを一緒に楽しめる気仙沼大島の新たな観光スポットです。

旧亀山リフトの被災から約15年。新しい形で山頂へのアクセスがよみがえった亀山は、震災から歩みを進めてきた気仙沼大島の現在を象徴する場所でもあります。

気仙沼大島を訪れた際は、モノレールに乗って、海・山・空が一つにつながる景色を体感してみてはいかがでしょうか。

亀山テラス360°-Kesennuma Oshima-<Information>

  • 施  設:亀山テラス360°-Kesennuma Oshima-
  • 住  所:宮城県気仙沼市亀山3-2
  • 園内施設開場時間:8:30~16:45
  • モノレール運行時間:9:00~16:00
  • 運行間隔:20分乗車時間:片道約6~7分
  • 料  金:中学生以上1,200円、小学生600円、未就学児無料
  • 乗車券:往復券のみ・現地販売
  • 駐車場:普通車92台、二輪車18台、バス3台
  • 駐車料金:無料
  • 休業日:12月29日~1月3日、運営者が別に定める日
  • 公式サイト:https://kameyama360.jp/

Google Map

Warning

山頂は木々が少なく、日陰になる場所が限られているため、晴天時には強い直射日光が降り注ぎます。帽子の着用やこまめな水分補給など、熱中症対策を十分に行いましょう。なお、カフェスタンド脇には無料で利用できる貸し出し用の傘が用意されています。

亀山テラス

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