複数の恐竜の足跡が残る発掘現場(画像提供:南相馬市)

約70cmの恐竜の足跡を南相馬市で発見!国内のジュラ紀の足跡化石として最大【福島県】

福島県南相馬市で、約1億6,000万年前の地層から長さ約70cmの恐竜の足跡化石が見つかりました。

南相馬市の発表によると、国内で確認されているジュラ紀の恐竜足跡化石としては最大。今回の調査ではこの大きな足跡を含めて10点以上の足跡化石が新たに発見されています。

足跡を残したのは大型の植物食恐竜である竜脚類などの可能性が高いと考えられており、当時の恐竜の生態や生息環境を知る手がかりとして注目されます。

発見された長さ約70cmの恐竜足跡化石(画像提供:南相馬市)
発見された長さ約70cmの恐竜足跡化石(画像提供:南相馬市)

約1億6,000万年前の「栃窪層」から10点以上を発見

足跡化石が見つかったのは、南相馬市内に分布するジュラ紀後期の地層「栃窪層(とちくぼそう)」。

調査にあたったのは南相馬市博物館と福島県立博物館、市内外の研究者らによるチーム。新たに見つかった10点以上の足跡化石のうち、最大のものは長さ約70cmに達します。

今回発表された「国内最大」は、日本国内のジュラ紀の恐竜足跡化石を対象としたもので、南相馬市は日本では珍しいジュラ紀の恐竜の生態や生息環境を解明するうえで、重要な手がかりになるとしています。


本格的な発掘を始めて5日目に発見

南相馬市は古生代から新生代まで、さまざまな時代の化石が見つかる地域。栃窪層からも、これまでに植物化石や小型恐竜の足跡化石などが発見されてきました。

こうした研究の蓄積を踏まえ、南相馬市博物館は2025年度から「恐竜化石探索調査・教育普及事業」を開始。10年程度を見据え専門家とともに調査を進めてきました。

同館が2026年4月に公開した事業紹介でも、2025年度に現地調査を実施し、2026年度には本格的な発掘調査を行う予定であることが説明されていました。

複数の恐竜の足跡が残る発掘現場(画像提供:南相馬市)
複数の恐竜の足跡が残る発掘現場(画像提供:南相馬市)

そして2026年7月に予備調査を経て本格的な掘削に着手。発掘5日目に今回の足跡化石群が発見されました。


南相馬では以前にも恐竜の足跡化石を発見

今回の発見以前から南相馬市では恐竜の足跡化石が複数の場所で確認されていました。

南相馬市博物館が2025年10月に公開したコラムによると、鹿島区小山田地区の栃窪層から恐竜の足跡化石が見つかっており、その産出地は市指定天然記念物として保護されています。 また、原町区信田沢からも足跡化石が発見されています。

骨などの体の一部が残った化石とは異なりますが、足跡もその地域に恐竜が生息していたことを示す証拠となり、今回の発見はこうした従来の発見や研究の蓄積に新たな資料を加えるものとなります。

植物やアンモナイトの新種も見つかる「相馬中村層群」

南相馬市から相馬市にかけては、ジュラ紀中期から白亜紀初期にかけての地層「相馬中村層群」が分布し、栃窪層もその一部にあたります。

同館のコラムではこの層群から見つかった標本をもとに、平成以降だけで植物やアンモナイトなど12種類の古生物が新種として発表されたと紹介されています。※2025年10月のコラム掲載時点の情報


大型の植物食恐竜「竜脚類」などの可能性

南相馬市の発表では今回の足跡を残した恐竜について、大型の植物食恐竜である竜脚類などの可能性が高いとしています。

ただし現時点で具体的な恐竜の種類が特定されたわけではなく、今後の研究を通じて足跡を残した恐竜や当時の生息環境について理解が深まることが期待されています。

足跡だけで恐竜の種類は分かる?

では実際に足跡からどこまで恐竜の正体が分かるのでしょうか?

福井県立恐竜博物館の解説によると、足跡の形や大きさから恐竜の大まかなグループを推定できます。例えば指先が鋭くとがった3本指の足跡や、大きく丸みを帯びた足跡など、形に加えて二足歩行・四足歩行の違いも判断の手がかりになります。

一方で似た形や大きさの足を持つ恐竜もいるため、一般的には足跡だけで具体的な種類まで特定することは極めて難しいようです。

なお、今回の発掘現場は化石の保全と安全確保のため非公開となっています。


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