小石川後楽園西門

小石川後楽園は江戸時代に徳川御三家の1つ、水戸藩の江戸上屋敷の庭だった場所です。春は桜、初夏は花菖蒲、秋は紅葉の名所としても知られています。今も都心に残る数少ない大名庭園の、7万平方メートルの広さがある築山泉水回遊式庭園を、お殿様やお姫様気分で散策してみましょう。

 

春は、7本の枝垂桜が見応えたっぷり

名物の枝垂桜

小石川後楽園は、7万平方メートルもの広さがある大名庭園です。水戸藩初代藩主の徳川頼房が1629年(寛永6年)に築いたものを、光圀が改修して今に至っています。「後楽園」という名前の意味ですが、「天下の憂いに先じて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」で、高い身分にあるものは大変なことを誰よりも先に背負い、楽しいことは誰よりも後から楽しむという人生訓です。この小石川後楽園は桜の名所で、3月下旬には染井吉野と、7本ある枝垂桜が見応えたっぷりです。枝垂桜の裏側には東京ドームの白い屋根が、まるて雪山のような色合いで。桜の美しさを引き立ててくれます。では、正面にある枝垂桜の左手にある道を歩いて行きましょう。

 

都心にいながら、京都の嵐山散策気分

大堰川にかかる渡月橋

正面の川は大堰川で、橋は渡月橋。京都の嵐山の風景を見立てています。右手の奥は山になっていて、京都の東山の東福寺や清水寺を見たてています。これから、そちらに向かって歩いていきます。実は小石川後楽園は、水戸光圀が日本や中国の景色の美しい場所を選んで、その各地の景勝を模した湖・山・川・田園などの景観が巧みに表現されています。中国の名勝地西湖を模して造られ景観を見立てて庭に取り入れています。

屏風岩と大堰川

渡月橋を渡って、後ろを振り向いたところです。正面にあるのが大堰川です。川を渡ると玉砂利が敷かれていて、自然の景観の中に屏風岩を中心とした、まるで禅宗の庭園のような空間が広がっています。左手に見えるのが、屏風岩です。

築山から見下ろす通天橋

緑の中にある朱塗りの橋が、通天橋です。京都で紅葉の名所の東山・東福寺にある通天橋を見立ててあります。流れる川は大堰川です。通天橋の右手には滝がありますが、清水寺にある音羽の滝を見立ててあります。

通天橋から見る渡月橋

通天橋の真ん中から、先ほど通ってきた渡月橋を見ています。大堰川には、石が置かれていて、石伝いに渡れるようにもなっています。京都の鴨川に見られる景色でもありますね。画面の左手、橋を渡ったところに、京都の清水寺を写した観音堂があったのですが、関東大震災で焼失して今は残っていません。通天橋周辺は、小石川後楽園の中で最も紅葉がきれいです。

伯夷・叔斉の木造を安置した得仁堂

水戸光圀公が建てた園内最古の建物が得仁堂です。建物の中には中国の史記に登場する伯夷・淑斉(はくいしゅくせい)の木造が安置されています。光圀が18歳の時に、史記の伯夷伝を読んで感銘を受けたことによります。

正面から見た得仁堂

得仁堂の正面です。正面の扉は閉じられています。ちょうど、このあたりが山頂となります。ここから山を下りて、琵琶湖をイメージした大泉水へと向かいます。

 

小石川後楽園の中心は、琵琶湖に見立てた大泉水

大泉水と蓬莱島

小石川後楽園は、琵琶湖に見立てて作られた池の大泉水を中心に作庭した、回遊式築山泉水庭園です。主役は画面にある池です。池に浮かぶ島は蓬莱島。古代の中国では蓬莱島とは、不老不死の仙人が住む島で、秦の始皇帝が不老不死の薬を求めて徐福を遣わした場所でもあります。そして、それは今の日本のことであったとも言われています。赤く見えるのは祠です。

稲田と花菖蒲園

稲刈りの後です。実は小石川後楽園には田んぼがあるのです。徳川光圀が、息子や妻たちに農民が、米を作ることがいかに大変なことか教えるために作られました。現在では、文京区の小学校の生徒が、稲作の実習をこちらで行っています。

九八屋は、江戸時代の茶屋

大泉水の岸辺にある松原に江戸時代の茶屋があります。名前は九八屋。九八屋の由来は「酒は昼は九分、夜は八分とすべし」という教訓からです。万事において控えめにすべしという意味です。こちらは休憩所になっていて、座って休めます。

陸軍砲兵廠時代の名残りも点在

九八屋の右手の植え込みに、金属の黒い蓋のようなものがあります。こちらは、1869年(明治2年)の版籍奉還で、水戸藩から新政府にこの場所が移管された後、陸軍省の東京砲兵工廠だった時代の名残りです。工場の設備の一部は、庭園にいくつか今も残されています。

水戸藩書院の内庭

蓮でいっぱいの池の前には水戸藩の書院がありました。この場所は、ちょうど小石川台地の先端にあって、実は、この庭の水は近くにあった神田上水の水を引入れているのです。

徳大寺石と蓬莱島

大泉水と蓬莱島です。別の角度から眺めています。真ん中に浮かぶ蓬莱島の手前に大きな石があります。徳大寺石と呼ばれています。ちなみに、大泉水には鯉がいて、売店では鯉のえさも売っています。

いかがでしたか? 都心にありながら、春は桜と花菖蒲、夏は蓮、秋は紅葉、冬は寒椿と小石川後楽園は四季の風情を楽しめます。ここに来れば、いろんな名所を散策した気分になれます。ぜひ、訪ねてみてください。

INFORMATION

名称 小石川後楽園
住所 〒112-0004 東京都文京区後楽1丁目6−6
電話番号 03-3811-3015
URL https://www.tokyo-park.or.jp/park/format/index030.html
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