秋田県を訪れたら必ず口にしておきたいグルメがあります。地方の伝統料理は多数あります。そういった伝統料理の中には地域の食糧事情を反映したものも多数含まれています。秋田で食べていただきたい「いぶりがっこ」という漬物も、秋田県の食の歴史から生まれた地域特有のものです。

食べ物から地域、そして歴史を感じることも面白いもの。今回は秋田県の食を代表する保存食「いぶりがっこ」をご紹介しましょう。

 

いぶりがっこ=燻製の漬物

「いぶりがっこ」は主に秋田県の南部に伝わる漬物の一種です。「いぶりがっこ」という名前で呼ばれていますが、漬物ですので「いぶり漬け」と呼ばれることもあります。大根などの根野菜を燻製乾燥させた漬物です。秋田では漬物を「がっこ」と呼ぶので、「燻った漬物」という意味になります。

この「いぶりがっこ」は、暖炉裏などで大根などの根野菜を燻製にしてから塩や米麹などで漬物にします。画像を見ていただくと、漬物が茶色味を帯びていることがおわかりいただけると思います。燻製にして漬けるからからこそこのような茶色い漬物になるのです。口に入れるとふんわりと煙のスモーキーさと塩気、そして野菜の風味が感じられる一品です。秋田県では厳しい冬に備えて昔から作られていた保存食の一つです。

現在は各家庭で作ることは少なくなりましたが、厳しい冬に備えての保存食だからこそ、家庭ごとの味の特色がありました。ザラメを多く使う家や塩を効かせる家など、それぞれの家の好みに合わせて味を調節して作っていました。また、「いぶりがっこ」は燻製でもあるので、燻製にする時にどんな木を使うかも好みが分かれるところです。楢や桜など、家ごとに違った木を使って風味にも違いを出していたようです。

 

いぶりがっこを巡れば自然と秋田観光ができてしまう?

各家庭で作ることはほとんどなくなりましたが、現在は秋田県内の各社が「いぶりがっこ」を製造しています。もちろん各社で味が異なり、大根だけでなく人参を使った「いぶりがっこ」や、刻んだ昆布と和えた「いぶりがっこ」など、種類を追いかけていると秋田県内を横断できてしまうほどです。

居酒屋などでも肴として供されており、日本酒の友として県内外の人たちに愛されています。また、近年ではチーズなどを使った洋風の肴として酒の席に登場することもあり、ワインやブランデーウィスキーに独特なスモーキーさが合うと評判を呼んでいます。

「いぶりがっこ」は秋田県内の居酒屋であれば出している店が多いです。お土産屋でも、一種類か二種類かは扱っていることが多いお土産品です。しかし、一言に「いぶりがっこ」といっても非常に種類がたくさんあるため、お隣のお土産屋さんを覗いたら、まったく違った「いぶりがっこ」を何種類も置いていたということは、秋田県内のあるある旅行話です。

本当に種類が豊富なので、お土産屋さんだけでなくスーパーなどにもまた違った種類の「いぶりがっこ」が並んでいることも珍しくありません。観光地を回りながらお土産屋で「あ、ここにもいぶりがっこ!」、また別の観光地の近くのスーパーに入って「あれ、いぶりがっこだけどぜんぜん別の種類だ!」と、追いかけているうちに秋田県内を行脚してしまえるという面白い食べ物が「いぶりがっこ」なのです。

 

最後に

「ご当地〇〇」というお土産品は日本各地にあります。キャラクターもののお土産品に多いですが、秋田県内においては「ご当地いぶりがっこ」と言えるくらい、燻り漬けの種類が多く、スーパーやお土産屋でも店を変えるとまた違った商品に出会うことができます。秋田県民の中には自分お気に入りの「いぶりがっこ」があったりするので、現地の人に「どこのいぶりがっこが美味しい?」と尋ねると、お勧めの商品を教えてくれることでしょう。

秋田県はお酒の県でもありますから、お酒によく合うという意味でも「いぶりがっこ」は大人気です。もとは歴史のある保存食ですが、現在は秋田を代表する食品となっていますので、ぜひ注目してみてください。一口食べたら、あなたのお気に入りおつまみになってしまうかもしれませんよ。