樺細工とは、秋田県の伝統工芸品の一つです。秋田杉をはじめとして豊富な木材が取れる秋田県は木工加工も得意としており、他にも曲げわっぱなどの木工品があります。

秋田県の樺細工の特徴は、木の皮の中にほんのりと桜色の文様が浮かび上がる優美な造りが特徴です。秋田土産としてチェックしておきたい「樺細工」をご紹介します。

 

樺を使わない「樺細工」!原料は「桜」

樺細工は「樺」という文字が使われていますが、実際には樺ではなく山桜の木を原料として使います。桜の木は赤茶色をしており、皮だけで小物を作っても美しいところが特徴です。

小物を作る際には木の皮独自の模様を生かすように作成します。しかし秋田県の樺細工は皮の模様にさらに桜の花を文様として刻むことが多く、光の加減によって花弁がきらきらする様は、まさに春に桜の花が咲いたような印象を受けることでしょう。

 

もともとは武士のアルバイトだった?樺細工の歴史

そんな樺細工は、角館を治めていた佐竹北家によって秋田に伝えられたといわれています。阿仁地方から角館へ伝わり、やがて秋田県全域に伝わりました。これが230年前のことです。当時は印籠や胴乱などがよく作られていたそうです。

樺細工の作成は下級武士がお金を稼ぐためのアルバイトでもありました。伝統工芸品というと熟達の職人が作っているという印象ですが、武家から伝わり武士のアルバイトとして発展したという歴史があるわけです。面白いですね。

 

現在はタンスや茶筒も!樺細工

樺細工は小物を中心に作られてきました。印籠や胴乱などはまさに武士の生活にも役立つ小物の筆頭です。しかし現在はタンスや茶筒、煙草入れ、手紙入れ、時計、箱、筆、日本刀の鞘、お盆など、さまざまな形の物へ加工されています。

お土産屋さんでよく目にするのは茶筒です。樺細工のタンスなどは大きいためお値段が張るものも多いのですが、茶筒は比較的手ごろです。また、樺細工の原料である山桜の皮のある特徴が非常に茶筒に向いているため、好んで茶筒へ加工されるという理由もあります。

桜の皮で作った細工物は、湿度を一定に保ち、内部のものを乾燥から守るという性質があります。だからこそ内部のものを変質させたくない場合に樺細工に入れることで内部のものを乾燥から守ることができるのです。茶葉や煙草などは、まさに乾燥させたくない物ですよね。

最近では爪楊枝入れやスタンド、手鏡、コースターなどの小物にも加工されています。小さな日用品だと千円以下で購入できるものもあります。普段使いする手鏡などは女性へのお土産におススメです。

 

最後に

 

樺細工は桜の皮特有の赤茶色が特徴の工芸品です。秋田の樺細工は特に皮の上にさらに桜の花びらなどの文様を刻んでおり、女性が普段使いする小物としても好まれています。武家の町・角館から秋田全域に広がった武士のアルバイトが現代の伝統工芸に発展したというのですから面白いものです。

秋田を代表する伝統工芸品が樺細工です。秋田を訪れた際は、お土産屋にずらりと並んだ樺細工を見てみてください。同じ茶筒でも一つとして同じものがないあたり、見ていてとても面白いですよ。