かつて「トキワ荘」は、池袋から各駅停車で一駅の椎名町駅から徒歩15分ほどの場所にありました。マンガの神様「手塚治虫」が1953年に入居し、以後、寺田ヒロオ、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫などが住人となり、日本のマンガ文化躍動の起爆剤となった、マンガ文化の聖地です。現在、その跡地と周辺は、豊島区によってマンガ文化遺産として整備されています。さぁ、日本のマンガの聖地を訪ねてみましょう。

 

マンガの聖地は、西武池袋線椎名町駅にあった!

「トキワ荘」は、西武池袋線椎名町駅から、目白通りに向かった位置にあります。かつては落合電話局が真向いにあり、その傍らの公衆電話で、若かりし日の藤子不二雄や石ノ森章太郎たちは、出版社と連絡をとったりしていたのです。今では、どちらの建物もなくなってしまいましたが、かつてのトキワ荘跡地には、マンガの聖地としてのモニュメントが建てられています。

椎名町駅から「トキワ荘商店街通り」を目白通りに向かって歩くと、「トキワ荘跡地」のプレートが左手に見えます。プレートの右にある通りの奥こそが、かつてのトキワ荘があった場所なのです。

プレートの上半分には「トキワ荘ゆかりの地」と記され、下半分には「トキワ荘跡地入口」と記されています。では、指が指し示す方向に向かっていきましょう。

通りの突き当りに、モニュメントがあります。こちらは2012年4月6日に建てられた、当時のアパートを再現した石造りのモニュメントです。かつてのトキワ荘の裏口に建てられています。後に手塚治虫は、豊島区雑司ヶ谷の並木ハウスに転居して、彼の部屋には藤子不二雄が入ります。「まんが道」の記述によれば、手塚治虫はトキワ荘の敷金をそのまま残して、若い藤子不二雄の2人の敷金を払わなくていいようにしてくれたそうです。「まんが道」はマンガ家志望者のバイブルとも言うべき、藤子不二雄たち自伝的青春マンガで、1970年から2013年まで、掲載誌やタイトルを変えながらも43年続いて完結しました。

藤子不二雄の2人が入居した後、トキワ荘には、石ノ森章太郎、赤塚不二夫が入居します。彼らは寺田ヒロオを党首として「新漫画党」を結成して、孤独なマンガ家同士が助け合いながら、勉強とコミュニケーションを深めていったのです。後に、水野英子らもトキワ荘の住人となります。「ドラえもん」や「天才バカボン」、「サイボーグ009」など、テレビアニメ化までされた人気マンガは、トキワ荘がなかったら、生まれてなかったのかもしれません。ちなみに、トキワ荘の跡地に建っているのは、日本加除出版の新館社屋です。モニュメントは、日本加除出版の敷地内に設置していただいています。

INFORMATION

名称 トキワ荘跡地
所在地 東京都豊島区南長崎3-16-6 日本加除出版株式会社敷地内
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マンガの神様の大好物!トキワ荘グルメって?


モニュメントを見たら、元の道を戻りましょう。正面に見える黄色いテント生地の看板のお店こそ、マンガの神様たちの愛した中華料理店「松葉」です。トキワ荘から徒歩3分以内の「松葉」は、忙しい彼らの憩いの場でした。手塚治虫は締切前には、本来、出前はやっていなかった「松葉」から、特別にラーメンの出前をしてもらっていたとも言われています。若き日のマンガの神様たちは、締切前、締切後に、「松葉」のラーメンを楽しみにしていたのです。ちなみに、忙しい彼らは、コッペパンにコロッケをサンドして、片手で食べながら、片手でペンを動かすのが普段の食事でした。

お店の入口の下には、藤子不二雄「まんが道」での「松葉」のラーメンのシーンが貼り出されています。「まんが道」は、多くのマンガ家志望者にとってのバイブルとして読まれていたので、「松葉」のラーメンは、「トキワ荘グルメ」として今も人気です。
「松葉」の創業は昭和25年、当時はラーメンが40円だったそうです。今も残っているマンガの神様たちの聖地「松葉」の店内には、数多くのマンガ家たちのサイン色紙が飾られています。ラーメンのお味ですが、昔ながらの鶏ガラ出汁の醤油ラーメンです。トッピングには、ゆで玉子が半分と、厚めのチャーシュー、麺は中太麺です。けっこうボリュームあります。聖地巡礼の記念に、ぜひ、お立ち寄りください。

INFORMATION

名称 中華料理 松葉
所在地 東京都豊島区南長崎3-4-11 PINE LEAF 1F
電話番号 03-3951-8394
営業時間 11:00~15:00 16:00~21:00
定休日 なし
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新たなマンガの聖地「トキワ荘通りお休み処」!


「中華料理 松葉」から目白通りに2分ほど歩くと、左手に見えてくるのが「トキワ荘通りお休み処」です。1階には、「トキワ荘」に関係したマンガ家や編集者たちの資料、お土産グッズなどが販売されています。2階には「新漫画党」の党首で「スポーツマン金太郎」の作者・寺田ヒロオの仕事場が再現されていたり、マンガの神様たちが「トキワ荘」で暮らしていた頃の「中華料理 松葉」のラーメン丼から、夏の暑い日クーラーの涼を求めて通っていた「喫茶エデン」のテーブルとイスも展示されています。マンガの神様たちの青春時代に触れることのできる、「トキワ荘博物館」なのです。

INFORMATION

名称 トキワ荘通りお休み処
所在地 東京都豊島区南長崎2-3-2
電話番号 03-6674-2518
営業時間 【4月〜9月】 午前10時〜午後6時(最終入館 午後5時30分)
【10月〜3月】午前10時〜午後5時(最終入館 午後4時30分)
定休日 毎週月曜日(祝日の場合は、翌日火曜休館)
公式URL https://www.toshima-mirai.jp/tokiwaso/
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いかがでしたか?
池袋から西武池袋線で一駅目の椎名町駅周辺は、ごく普通の住宅地です。しかし、今の日本のコミックとアニメの文化は、この町の「トキワ荘」から始まったことは間違いありません。先人にリスペクトの気持ちを込めて、散策してみてはいかがですか?きっと楽しい時間が過ごせますよ。