2017年2月26日。

戦後仙台の発展を見つめ続けてきた企業の歴史に終止符が打たれました。創業70年、仙台駅前と共に走り続けた「さくら野仙台店」の栄枯盛衰を、振り返っていきたいと思います。

さくら野仙台店
出典:Wikipedia

丸光時代

1946年.仙台駅前。

仙台空襲で焼けてしまった一等地にMARUMITSU DEPT. STOREはオープンしました。後のさくら野百貨店となる丸光は、雑貨店がそのはじまりだったのです。

百貨店として営業を開始したのは1953年。その約12年後には、競合する藤崎百貨店や東京の大手百貨店三越を上回る売り場面積を達成。仙台最大の売り場面積を誇る百貨店となりました。

また東北初のミュージックサイレンを導入したのもこの年です。午前10時、正午、午後3時、午後5時の計4回「荒城の月」のオルゴール音楽が、仙台駅前に響き渡りました。午後9時には社員が直接鍵盤を操作して「この道」や「家路」を演奏し、仙台のちょっとした名物となりました。

ダックシティ丸光、仙台VIVRE時代

丸光は1978年、カネ長武田百貨店をはじめとする4社とともにニチイ(現マイカル)の支援を受け百貨店連合を設立、1985年には社名を株式会社ダックシティに、店名をダックシティ丸光へ変更します。さらに、ニチイが展開するファッションビルVIVREとも業務提携し1991年には仙台ビブレが誕生。

社名に続いて店名からも丸光の文字が消え、1946年から続いてきた丸光としての歴史は45年を経て、終止符が打たれることになりました。

しかし、仙台VIVREの経営は順調なものではありませんでした。

1998年ダックシティからダックビブレへと名称変更。その3年後には、ついに親会社マイカルの経営が破綻。
ダックビブレはその影響により民事再生手続きを申請することになります。そして産まれたのが、さくら野百貨店でした。

さくら野百貨店時代

さくら野百貨店として生まれ変わってからも、経営は困難を極めます。

しかし、2004年に地下食品売り場を強化した「さくら野ごちそう館」を2005年には新規ブランドを大量導入する改装を行う等、次々と施策を打ち出し私達をワクワクさせてくれました。

2005年の経営分割、2010年のエマルシェへの社名変更を経ても店名は「さくら野百貨店仙台店」のまま営業。

同2010年には7階8階をぶち抜きでブックオフへと貸し出し、2012年11月にはH&M(エイチ&エム)が東北初の店舗として売場面積2000㎡の店舗を展開。もともと年配の方の来店が多い「さくら野百貨店」のイメージが、「H&M」のオープンで印象が変わるのではないかと期待されました。

2016年には創業70周年の大感謝祭が行われ、期間中はミュージックサイレン「この道」を約30年ぶりに復活させる等、当時を思わせる粋な演出をしてくれました。

しかし、その次の年2017年2月26日。

エマルシェは仙台地方裁判所に破産手続き開始を申請。70年の歴史に幕が下ろされました。

さくら野仙台店の今(2017年3月)

経営破綻後のさくら野
経営破綻後のさくら野。

2017年3月現在、さくら野仙台店は大型テナントが営業しているため一部店内を歩くことができます。

ガランとした店内からは栄光を誇った時代を思い出すことは困難でした。しかし、ここには確実に仙台の歴史を作った百貨店が存在したのです。

今は、激動の時代を駆け抜けたさくら野仙台店に「お疲れさま」の言葉を贈ってあげたいと思います。

なお、仙台店を除くさくら野各店舗は現在も営業しています。さくら野ポイントカードやさくら野セゾンカードの永久不滅ポイントは、対象店舗で使用することができますので、ご安心下さい。

INFORMATION

名称 さくら野百貨店仙台店(閉店)
所在地 宮城県仙台市青葉区中央一丁目9番33号
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