淡いピンク色の桜を見て何を思い出しますか?
「卒業」でしょうか?「入学」でしょうか?
よく卒業ソングなどで桜と卒業を結びつけて歌われていますが、それは東京の話で、雪国秋田の卒業式の季語としては「桜」よりむしろ「残雪」の方がしっくりきてしまいます。
秋田の桜の見頃は、県南部では四月中旬から下旬。県北部は四月下旬から五月上旬が見頃になります。
南北に縦長な秋田県なので、桜前線を追いかけながら長い期間お花見を楽しむことができるのも秋田の魅力です。
それでは秋田のおすすめお花見スポットを南から順に紹介していきたいと思います。

雪と桜のコラボ・勢至公園

秋田県で最も早く桜が咲く公園として有名な、にかほ市金浦にある勢至公園。
残雪の鳥海山を背景に、湖を囲う千本桜の並木が絶景です。
さらにシーズン中は、日が傾くと雰囲気が一変します。色とりどりにライトアップされた桜が、湖面に反射して幻想的な空間を演出します。その様はまるで異世界に迷い込んだかのようで、思わず時が経つのを忘れてしまう美しさです。
園内の桜は、日露戦争に出征した雄志たちが、凱旋を祝して植樹したのがその始まりだそうです。
多くの人が来園しますので非常に混雑しますが、それに見合うだけの価値を提供してくれる桜の名所です。

角館武家屋敷と伝説のしだれ桜

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「みちのくの小京都」と呼ばれ、城下町として栄えた大仙市角館。
江戸時代初期から残る武家屋敷の町並みと、天然記念物に指定された樹齢300年・162本のしだれ桜が最大の魅力です。
「しだれ桜」という桜の品種は無いのですが、本来上に向くはずの枝先が、重さに耐えきれず下に「枝垂れ」てしまった「エドヒガンザクラ」の変種なのです。その元は、二代目佐竹藩主の妻が嫁入りに京都から持ってきた3本の桜の苗木が350年の時を経て、今の「角館のしだれ桜」になったと伝えられています。
武家屋敷通りには貸衣装屋があって、武士や小野小町の仮装をすることも出来ます。そのまま人力車で散策してみてはどうでしょうか?
350年もの永い歴史を感じる事が出来るかもしれません。

秋田の中心・千秋公園

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千秋公園は秋田市の中心部に位置し、立派な堀と石垣に囲まれた城址公園です。樹齢110年・約800本ものソメイヨシノが敷地内に咲き乱れ、財団法人・日本さくらの会によって制定された「日本のさくら名所100選」にも名前を連ねます。
旧久保田藩・初代藩主佐竹氏によって築城した久保田城は1880年の火事で消失してしまいましたが、本丸表門など当時の雰囲気が今も残されています。二の丸に整備された広大な公園敷地は、花見宴会の大人気スポットとなっており、熾烈な場所取り合戦が繰り広げられ、たくさんの花見客の酒と桜を楽しむ姿で賑わっています。
市街中心部にあるため、シーズン中は周辺道路などが大変混雑します。
それに応じた準備をすることをおすすめします。

うつりゆく歴史が眠るきみまち阪

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秋田市北部の能代市二ツ井町にある『きみまち阪県立自然公園』は世界自然遺産・白神山地に隣接する1500本のソメイヨシノと八重桜が彩る雄大な自然公園です。
かつては巨岩・奇岩の存在する断崖絶壁で旅人を寄せ付けぬ難所でありました。戦国時代は僧兵たちの修行の場であり、明治の戊辰戦争時は最終防衛ラインとして、その地形を利用されたという歴史がその険しさを物語ります。
山頂から一望できる、蛇行する米代川のカーブと周囲の山々が織りなす自然美は、言葉では言い表せない独特の自然景観を生み出しています。
その後、明治天皇巡幸の際、その景色の素晴らしさに感動したというエピソードと、この場所で旅中の天皇を気遣う皇后の手紙が渡された場所として「きみまち阪」と名付けられました。
そのことから、かつての血生臭い歴史とは一変して、現在は恋文コンテストの発祥地としてデートスポットの名所となっています。
花見シーズン中は、夜間のライトアップもされますので、恋人、夫婦で訪れたいおすすめお花見スポットです。

これまで紹介した4カ所のお花見スポットは、特に秋田の有名どころに厳選して紹介しました。
秋田にはまだまだ素晴らしいお花見スポットがたくさんありますし、それにまつわる歴史やエピソードも同じ数だけあるのでしょう。
桜あるところに歴史あり、長寿の桜は移り変わる時代の傍観者なのかもしれません。